世界経済における新興国の比重が高まっています。海運は、こうした新興国の国造りと産業振興のために、そして人々の生活水準の向上のために欠かせない資源・エネルギーや製品の輸出入を担っています。そしてそのために最適なサービスを提供することを通じて、商船三井グループもまた成長することができます。ここでは、中期経営計画「GEAR UP! MOL」
(2010~2012年度)の全体戦略の一つである「成長市場への展開加速」を進める中で、当社がどのような取り組みを行い、それをどのように新興国と当社の持続的・相乗的成長に繋げていこうとしているのかを紹介します。
事業活動
インド・パキスタン
活性化と成長の見込まれる新興国トレードのサービス拡充を進め、アジア発着の荷動きに対応すべく、2011年5月に中国とインド、シンガポールとパキスタン・インドを結ぶコンテナ輸送航路を開設
。
ベトナム
2010年11月に現地企業2社と曳船事業を開始
。また、ベトナム政府より認可を受けてターミナル運営の合弁会社を設立し、2011年1月、カイメップ港に自営コンテナターミナルを開業
。
中国
2010年3月に石油メジャーとLNG輸送プロジェクト契約を締結
。オーストラリア等から中国等に向けた長期LNG輸送に従事。
フィリピン
船舶運航における高い安全水準を支える船員を育成するため、フィリピンの商船大学3年次の学生を対象とした特別プログラムを当社の訓練センターに導入
。本プログラムはフィリピン政府が推進する制度のもと大学教育担当として認可されており、2011年6月から開始。
ブラジル
2010年11月に大手鉱山会社と中国向け超大型鉄鉱石専用船(30万トン級)2隻の長期輸送契約を締結
。新造船竣工後、25年間にわたりブラジル産鉄鉱石の中国向け輸送に従事する予定。
社会貢献活動
ブルキナファソ

駐ブルキナファソ日本大使館提供
2011年4月に、愛知県の小学校が西アフリカの内陸国ブルキナファソに送る机と椅子の海上輸送に協力
。子どもたちの想いがつまった机と椅子は、ブルキナファソの小学校に届けられた。2011年9月、駐ブルキナファソ大使夫妻と同校長が当社を訪問し、当社の支援活動に対する感謝状を受領。
南アフリカ
南アフリカの教育省が推進する識字力向上計画の一環として、NPO法人が日本から送る移動図書館バスの海上輸送に協力。2009年度に12台、2010年度に12台を輸送し、2014年度までに合計100台の寄贈を目指す。
タンザニア・ザンビア
NGOのプロジェクトに賛同し、2010年度は日本から20フィートコンテナ9本分の子ども靴等の海上輸送に協力。ザンビア向けの玄関港にあたる南アフリカのダーバン港まで輸送し、輸送に使用したコンテナも無償提供。また、香港の慈善団体が収集した援助物資を、2011年1月に香港からタンザニアまで輸送協力。
ケニア
日本全国で回収した子ども靴を、裸足での生活を余儀なくされているケニアの子どもたちに贈るプロジェクトに賛同し、2011年1月に20フィートコンテナ1本分の子ども靴をケニアのモンバサ港まで輸送。
パキスタン
2010年7~8月の記録的豪雨により発生した大洪水の被災地へ、緊急支援として義援金を拠出するとともに、当社コンテナ船で救援物資の無償輸送を実施。
スリランカ
立命館アジア太平洋大学のスリランカ人留学生が、日本で不要となったスポーツ道具を母国へ持ち帰り寄付している活動に協力。2011年4月に博多からコロンボ港までの海上輸送に協力。
カンボジア
NPO法人が実施するカンボジアにおける救急システム構築等の活動を支援すべく、日本から送る医療車両等の海上輸送に協力。2011年6月までの1年間で34台の医療車両などを輸送。2011年8月にはカンボジア政府より表彰を受けた
。
タイ
2010年10月に、NPO法人が感染症対策のため日本から送る医療用マスク等の海上輸送に協力。タイ政府の依頼により、病院・診療所の医療従事者に配布するマスクなどを送ることになったもので、20フィートコンテナ3本分の輸送に協力。
中国
2010年4月に発生した青海省大地震に伴い、義援金を拠出
。
チリ・ペルー
2006年より米国NPOが発展途上国向けに送る障害者用車椅子の海上輸送に協力。2009年までに40フィートコンテナ12本分、2010年度は中国から南米諸国へ40フィートコンテナ8本分の車椅子を輸送。
パラグアイ
NPO法人が日本から送る子ども用車椅子の海上輸送に協力。2011年2月に40フィートコンテナ2本分の車椅子を輸送。車椅子はパラグアイ政府認定NPO「テレトン財団」へ寄贈された。2011年5月、駐日パラグアイ特命全権大使が当社を訪問、当社の協力に対する御礼のお言葉を頂いた。
グローバルな営業強化
- 成長する新興国の需要に応える
資源・エネルギーの輸入あるいは輸出、製品の輸出、物流インフラの構築等、新興国が求める需要は様々です。当社は、ビジネスインテリジェンスの強化等を通じていち早くその需要を見極め、タイムリーに投資やサービスの拡充を行うことによってその需要に応えており、これを前線で担う海外駐在員も増強しています。また、新興国や物流・商流の拠点となる国において多様で優秀な人材を育成し、活躍してもらうことは、当社の持続的成長にとって不可欠であるとともに、当該国での雇用にも貢献します。


社内セミナーの様子
ビジネスインテリジェンスの強化
社内セミナーを開催したり、国内外のグループ社員が閲覧できる共有ポータルサイトで情報の量と質を充実させる等して、グループ全体が成長市場に迅速に対応できるよう、ビジネスインテリジェンス体制の強化を図っています。
「国連ミレニアム開発目標」に資する社会貢献活動
- 新興国の経済的・社会的発展に貢献する
新興国としてテイクオフ(離陸)するためには、その前提として教育や医療の普及が不可欠です。また成長を始めた国においても、その成果は社会に行き渡っているとは限らず、様々な社会問題を抱えている場合があります。当社は、社会貢献活動の理念の一つに「国連ミレニアム開発目標への貢献」を掲げています。このような理念を掲げて活動を行うことは、世界経済・社会の発展とともに成長する企業としての責任であり、また長期的には、支援した地域・国の発展を通じて当社の成長をも後押しすることになるとも考えられます。
グローバル・コンパクトの周知・徹底
- 世界的規模でのコンプライアンスを徹底する

グローバル・コンパクトロゴマーク
国際的な事業活動を展開する当社は、グローバルな企業市民として、2005年3月から、国連が提唱している「グローバル・コンパクト」に参加し、「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野にわたる10原則の支持・実践に努めてきました。当社が成長市場への展開を加速する中、世界的規模でグループ全体にわたる法令・社会規範の遵守徹底が必要であるとの考えのもと、2011年1月、グローバル・コンパクトの周知・徹底を図るため、海外のグループ会社58社を対象にアンケートを実施し、グローバル・コンパクトで求められている4分野についての各社の取り組みについて調査しました。その結果、各国の法令遵守に加えて独自の行動基準
を策定して、人権の尊重や労働安全衛生の管理を徹底していること、独自のコンプライアンス規程を定めていること、自社内に人権侵害に関する相談窓口を設けていること、更にブラジル、インド、フィリピン等の新興国においても、CSRについて十分な対応がなされていること等を確認しました。
今後は、今回の調査結果を国内外のグループ会社と共有し、CSRに関するグループ全体の更なる意識向上と取り組み強化に繋げていきたいと考えています。
