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船員へのケア

海運会社は、船員を抜きには語れません。当社事業の根幹である船舶の安全運航の維持並びに運航管理業務の中核を担うのが、船員です。ここでは、当社の基本方針、船員とその家族へのケア等について説明したのち、海の上での船員の生活を紹介します。

当社の基本方針

当社乗組員の国籍別の割合当社船舶の安全運航は、優秀な船員によって支えられています。当社にとって船員はかけがえのない「資産」であり、乗船中の業務を通じ、また陸上での教育・訓練を行うことで、優秀な船員を育てていきます。中期経営計画(2010~2012年度)においても「優秀船員の確保・育成継続」を重要方針として掲げ、様々な施策を通じて安全運航を支える人材を育成していくことを目標としています。当社船員約6,000人が乗船する船舶は約300隻に及びますが、その国籍は20ヶ国以上にわたり、日本人の占める割合は約4%に過ぎません。当社は、国籍を問わず世界中の優秀な人材を起用・登用しており、これら多国籍の多様な船員に対して船内外の環境や待遇において十分な配慮を払うとともに、ハイレベルな教育・訓練を施すことによって、高い士気と卓越した技能と知識を有する優秀な船員を育成しています。

多様な人材の採用

当社は、世界各地に船員の採用と訓練・育成の拠点を設け、船員学校において奨学生制度を導入し、船員を志す学生をサポートしています。また、学校の教育カリキュラムの中に船員の資格に必要な制度が整備されていない国では、資格習得に必要な経験を得られるようインターンシップ(訓練生)制度を導入しています。これらの諸制度のサポートを受けて、様々な国の若者が将来当社の中核を担う人材として採用されていきます。一方、将来安全運航の基幹を担う要員として、日本人船員(海上社員)を例年20名程度採用しており、女性海上社員も2005年度より採用しています。また、船員養成学校以外の大学卒業生を対象に、当社入社後に船員免許を取得する機会も与えており、2011年度は一般大学を卒業した女性も船員としての資格の取得を目指しています。

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船員の教育・訓練

船舶の安全運航の維持のためには、当社の求める技能基準を満たす優秀な船員をいかに安定的に育成・確保していくかが大きなポイントとなります。当社では、日本だけではなくフィリピン・インド・ロシア・インドネシア・モンテネグロの世界6ヶ国8ヶ所に船員研修所「MOLトレーニングセンター」を運営し、船員の乗船前に十分な教育・訓練を実施しています。各研修所においては当社独自の統一したカリキュラムのもと、乗船する船の種類に応じて、座学による理論学習から、模擬操縦体験装置(船舶操縦シミュレーター)、模擬荷物積み揚げ体験装置(荷積・荷卸シミュレーター)や実機を利用した実習訓練まで、多様な訓練を行うことで、船に関わる最新機器、新しい法令法規等に対応しています。これら各種の海事国際条約で求められている要件に加え、当社では乗組員のポジションに応じ、現場技術者として当社独自で要求する知識や技術に関する要件(技能要件)を制定し、当社グループ船員全員に適用しています。また、熟練した船長・機関長経験者を技術指導員として乗船させ、不安全行動等を指摘・改善することで、乗組員の技術向上のみならず、安全意識の強化にも繋げています。


MOLトレーニングセンター(フィリピン)


トレーニングセンターでの訓練風景

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当社船員に期待される役割

採用後の当社船員は、乗船中の業務のみならず、陸上における船舶・船員管理業務や荷物の積み揚げに必要な技術サポート等を通じた営業支援業務にも従事しています。陸上での活躍の場が世界の船員に広く開かれており、日本、シンガポール、中国(香港)、イギリスといった出身国とは異なる様々な場所で、多くの船員が当社の安全運航を支えています。また、日本人船員の場合、入社後10年間程度は海上勤務に集中し、将来の船長・機関長としての技術を培った後、その経験を活かして陸上業務に一定期間就いたり、当人のキャリアパスとして様々な種類の船での海上勤務を引き続き経験していきます。このように当社船員は、商船三井グループ全体をリードしていくオールラウンド・プレイヤーとしての役割が求められています。


訓練専用船「SPIRIT OF MOL」での研修

訓練専用船の活用
当社のユニークな取り組みとして、新人船員育成と安全運航維持を具現する重要な教育施設として訓練専用船「SPIRIT OF MOL」を所有し運航しています。当社の明日を担う多国籍の新人船員が、安全教育と実践に則した訓練により専門の海技知識を習得するとともに、他国の訓練生との共同生活を通じて、当社船員としての誇りと連帯感を高めていきます。

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当社船員の働き易い労働環境と家族へのケア


家族会(フィリピン)

当社船員の働き易い労働環境を実現するための方策として、LTIF(Lost Time Injury Frequency)低減を目指し、安全教育や作業環境の改善を進めた結果、2010年は目標を上回る成果を上げることができました。また、2012年後半には船上労務管理を厳格に定めた海上労働条約の発効が見込まれますが、当社は、その先取り導入に向けて準備を進めています。福利厚生面では、船員に対する定期的な健康診断やメンタルヘルス相談を実施するとともに、長期にわたり家族と離れる船員と留守家族にも配慮しています。当社では、留守家族並びに船員の相談窓口を、本社人事部内に限らず海外の各拠点に設置しており、その国、その地域に根ざしたきめ細かいサービスを提供しています。一例としては、船員家族を対象とした家族会を世界各地で定期的に開催しており、本社から役員が出席し、会社の現状説明や質疑応答を行うとともに、懇親会も開催し、当社と留守家族の絆を強めています。また、船員の家族や友人への乗船中のE-mail交信の利便性向上のため、船上高速インターネット環境の導入を進めています。

上記に加え、「優秀船員表彰」として、当社運航船においてリーダーシップを発揮して本船の安全運航や効率運航に顕著な功績を上げた船員を毎年表彰しており、家族とともに東京の本社で社長が直々に表彰を行います。受賞者の顔は、当社の安全運航に尽力した誇りと喜びに輝いています。こうした当社の船員に対する取り組みは、社内報(英文版)により船員やその家族に紹介され、当社船員としての絆を強めることに役立っています。

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