船舶は、酸性雨や大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、煤煙などを排出します。商船三井グループは、事業活動による大気への環境負荷を十分に自覚し、その低減に向けて積極的かつ継続的な取り組みを行っています。
NOx(窒素酸化物)の排出対策
NOxは、エンジン内で燃料が燃焼する際に、燃料油や空気中に含まれる窒素と空気中の酸素が高温下で結合して発生します。NOxの排出は、エンジン内燃焼温度の制御によってある程度抑制することが可能です。当社では、電子制御で燃料弁や排気弁を操作することによってNOxや煤煙等の抑制に効果のある電子制御エンジンを搭載した船舶の導入を進めています。電子制御エンジン搭載船は2007年6月竣工のコンテナ船「MOL CREATION」を始め27隻が就航しており、2012年度末までに計30隻が竣工する予定です(2011年3月末現在)。
当社のNOx排出量推移は、環境データ集をご参照ください。
SOx(硫黄酸化物)の排出対策
SOxは、硫黄分を含む燃料油が燃焼することによって発生します。当社では、SOx排出量の低減のため、燃料油に含まれる硫黄分に関する国際条約の規制値(一般海域で2011年まで4.5%、2012年から3.5%)より厳しい燃料油の調達基準としています。
当社のSOx排出量推移と使用燃料の平均硫黄含有率は、環境データ集をご参照ください。
煤煙・煤塵の排出対策
自己再生型舶用DPF、世界初の船上実証実験成功
2010年3月、当社は(株)赤阪鐵工所と共同で、C重油を燃料とする舶用ディーゼル機関の排気ガス脱塵処理装置(DPF;Diesel Particulate Filter)を開発しました。当装置はセラミック繊維を素材とするフィルターが捕集した煤塵等を、内蔵ヒーターが自動的に燃焼除去する自己再生型(メンテナンスフリー)です。グループ会社である(株)フェリーさんふらわあが運航する内航フェリー「さんふらわあ こがね」における船上実証実験では、煤塵等を80%以上除去する効果を上げました。C重油を燃料とする舶用大型ディーゼル主機関での、自己再生型DPFによる船上実証実験の成功は世界初です。2011年度は更なる改良を行い、外航船舶で耐久性の確認を実施します。
陸上電力の利用

コンテナ船「MOL PACE」に積み込まれた陸上電力受電システム
船舶が停泊中に必要とする電力を、船舶の発電機の使用を減らし、陸上からの電力供給に転換することで、港湾周辺のNOx、SOx、煤塵等の排出量を大幅に抑えることができます。当社グループの各曳船会社でも、停泊中の船内使用電力を賄う陸上電力受電システムを導入しています。停泊中の発電機使用を減らすことで、乗組員の負荷軽減を図るとともに、船舶のNOx、SOx、煤塵等の排出量を抑えています。また、内航船においても一部の港湾で陸上電力を利用しています。
