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具体的な取り組み

1.環境技術

当社グループは、船舶を対象に様々な環境技術の開発に取り組んできました。ここでは「船舶維新」プロジェクトの中核的要素技術以外の主な取り組みについて紹介します。

自然エネルギーの利用

太陽光発電の他に、東京大学が主宰する「ウィンドチャレンジャー計画」に参加し、風力を利用した帆主機従船(帆を主体に推進機が補助する船)の研究を行っています。当社の他に海運2社、(財)日本海事協会、造船会社等が参加する同計画は、2009年9月に開始され、現在、複合材料を使用した大面積硬帆翼の開発の他、開発対象船型の要目を検討、流体解析手法、ウェザールーティングの手法の開発を行っています。

船舶の推進力を高めるPBCF


PBCF

PBCF(Propeller Boss CapFins)は、当社が共同開発したプロペラ効率改善装置です。同じ速度の場合4~5%の燃料消費量の節減効果があり、その結果CO2排出量も削減できます。当社運航船は勿論のこと広く世界中の船に搭載されており、2011年3月末現在、1,900隻以上の船舶(建造予定を含む)に採用されています。また、従来型に比べ更に1~2%の効率改善を目標とした新型PBCFを(株)三井造船昭島研究所と開発中で(2009年4月、追加特許申請)、早期の製品化を目指しています。

超低燃費型船底防汚塗料の研究開発

船舶が消費する燃料の大部分は航行時に発生する抵抗に費やされます。この抵抗を低減することは燃料消費量を低下させ、CO2排出量の低減に直接寄与します。航行時の抵抗のうち海水との摩擦による摩擦抵抗は、空気抵抗や造波抵抗等を含めた全抵抗成分の50~80%にあたります。当社は、日本ペイント(株)、日本ペイントマリン(株)と共同で、高性能な低摩擦機能を付与することで海水との摩擦抵抗を低減する「超低燃費型船底防汚塗料」の研究開発に取り組んでいます。当研究開発は「船舶維新」の実現に向けた取り組みの一つであり、従来型防汚塗料と比較し、約8~12%のCO2排出量削減効果を狙っています。

風圧抵抗低減船型


自動車船「CITY OF ST. PETERSBURG」

独特の船型を持つ自動車船では、風圧を受ける面積が多く、その抵抗の影響も大きいものがあります。当社は2003年竣工の「COURAGEOUS ACE」に初めて船首端部を斜めにカットした船型を導入して以来、風圧抵抗低減船型の深度化に取り組んでおり、「船舶維新」では船尾部の形状についても改善を図っています。2010年12月、当社グループの風圧抵抗低減船型自動車船に新しい仲間、日産専用船(株)の「CITY OF ST. PETERSBURG」 (旭洋造船(株)建造、積載能力:2000台)が加わりました。この自動車船は、船首部の形状を半球の流線形とすることで風圧抵抗を同社従来船型比で最大50%低減する省エネ設計になっています。本船は欧州域内での完成車輸送に従事することとなっており、風が強い北海で最大限の効果を発揮することが期待されています。このユニークな球形船首形状等が高く評価され、2011年5月、(社)日本船舶海洋工学会が選考する「シップ・オブ・ザ・イヤー2010」に選定されました。

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「ECO SAILING(エコセーリング)」の徹底


ECO SAILING
パンフレット

当社では、船舶のエネルギーフローを把握し、エネルギーロスを極力少なくして有効活用し、燃料削減及び環境負荷低減に取り組む省エネ推進の考え方を「ECO SAILING」と呼んで、運航の際に徹底しています。具体的には、(1)減速運航の適切な実施、(2)気象・海象予測、最適トリム、(3)最適航路の選定、(4)船の浸水表面積の軽減、(5)機器類の運用・保守の最適化、(6)省エネ船型の開発、(7)PBCFの装着等の対策を実施しています。

減速航行

当社が運航するコンテナ船は、2010年度、対前年比で平均約6%の減速を実施、この結果年間約70万トンのCO2排出量を削減しました。この他の船種でも、各航海の状況に合わせ、減速航行を実施しています。

最適トリムシステム

(株)三井造船昭島研究所と共同開発した最適トリムシステムは、当社船長の豊富な経験に基づいた船舶の航行姿勢の知見を水槽及び実船試験を通じて定量的に評価し、乗組員が容易に活用できるようグラフに表したものです。従来、一般的であった船尾トリムから適度な船首トリム状態にして航走する検証を自動車船で行った結果、最大4%の燃費改善効果が確認できました。将来的に全ての船舶が最適トリム状態で運航する時代が来るのではないかと期待しています。

SEEMP(船舶エネルギー効率マネージメントプラン)の運用開始

SEEMP(Ship Energy Efficiency Management Plan)は、運航船が、単位輸送当たりCO2排出量を自己モニタリングしつつ、削減目標を立て、効率的な運航方法(減速、海流・気象を考慮した最適ルート選定、適切なメンテナンス等)をとることによってその実現を図るための仕組みです。IMOにおいて義務化に向けた議論が行われていますが、当社はそれに先行して2011年1月にまずタンカーに導入、今後は全船種に展開していきます。

船舶の大型化による輸送効率の向上


鉄鉱石専用船「BRASIL MARU」

当社は、船型の大型化や推進性能の改善が、海運業界として世界的に増加する輸送需要に応える社会的責務と、地球温暖化防止との両立を図る有効な手段の一つであると考えています。2007年12月に竣工した世界最大級の鉄鉱石専用船「BRASIL MARU」(載貨重量約32万トン)は、その推進性能に優れた超大型船型と高い推進効率のプロペラ等の省エネ設計によって、(社)日本船舶海洋工学会が選考する「シップ・オブ・ザ・イヤー2007」に選ばれています。

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