しかしながら、当期の年間配当につきましては、当期赤字業績からの復調見込み等を総合的に勘案し、当初の予定通り1株当たり5円(うち2.5円は中間配当金として支払い済み)を予定しています。
事業環境 当期の先進国経済は、年明け以降は米国経済に明るさが見え始めたものの、欧州債務危機などの金融・財政面のリスクが常に意識され続ける中で低い成長に留まりました。一方、新興国経済は欧州減速の影響が一部で見受けられましたが、インフレ抑制に目途をつけ金融緩和に転じた中国をはじめとして堅調な内需を背景に安定的拡大を続けました。
海運市況につきましては、ドライバルク船市況・油送船市況ともに、一時期回復する局面も見られましたが、新造船の供給圧力等を背景に低迷しました。コンテナ船は、東西航路を中心とする荷動きの伸び悩みや船舶燃料油価格の上昇等で、損益が大きく圧迫されました。
こうした厳しい環境の下、原油船(VLCC)でのプール組成、コンテナ船アジア/欧州航路での新アライアンス設立などの損益改善策を講じるとともに、引き続き効率配船を徹底し、グループを挙げてのコスト削減では当初計画を大幅に上回る245億円を達成致しましたが、長引く円高の影響や船舶燃料油価格の高騰等もあり、赤字決算を余儀なくされました。 部門別概況
ドライバルク船部門では、ケープサイズ市況は昨年初頭から軟調に推移しましたが、7月以降の荷動きの回復と老齢船解撤の促進、減速航海の深度化等を背景に上昇に転じ、10月には$30,000台を回復し年末迄堅調に推移しました。しかし年明け以降、例年の気象要因によるブラジル・豪州からの出荷減少や中国の春節による経済活動低下に加え、新造船の大量竣工等を受けて市況は急落し低位で推移しました。パナマックス以下の中小型船市況は、穀物の出荷時期である5月と10月は比較的堅調であったものの、新造船供給圧力や中国景気の減速を背景に今年1月中旬以降低迷し、部門全体としては、長期契約による安定的な利益を確保したものの、市況悪化により損失を計上しました。
油送船部門では、原油船(VLCC)市況は米国、日本の原油輸入減や欧州経済の減速等を背景に低迷し続けましたが、本年3月以降は中東情勢を背景とした石油消費国による調達ソース分散化の動きをうけて遠距離輸送需要が増えたことから回復しました。一方、石油製品船市況は、需給バランスは改善に向かっているものの、欧米経済停滞で荷動きが伸びず低位で推移しました。部門全体としては、減速航海の更なる深度化やプール組成による運航効率改善等の取り組みを進めましたが、燃料油価格高騰と円高の影響も受け、損失を計上しました。
LNG船部門については、長期輸送契約による安定収益を確保しましたが、円高等の影響により前期比減益となりました。
自動車船部門は、東日本大震災やタイ洪水による部品供給不足等をうけて、日本出しを中心とした輸送台数が大きく減少しました。各自動車メーカーの並々ならぬ努力によって、6月以降の輸出荷量は徐々に回復しましたが、長期化する円高や欧州経済低迷等をうけて伸び悩み、前期比大幅な減益となりました。
コンテナ船事業は、東西航路を中心に荷動きが想定より伸び悩む一方、新造船竣工によりキャパシティが増加したことから需給が軟化し運賃は低迷しました。スペース有効活用による積高拡大や、高品質なサービスの拡充と高採算貨物の集荷強化に取り組み、特にアジア/欧州航路では新アライアンス(G6 アライアンス)を設立しネットワークを大幅に拡大しつつ、船型大型化等による輸送コスト削減、更なる減速航海深度化による燃料費削減によって損益改善に取り組みましたが、円高、船舶燃料油単価高もあり大幅な損失を計上しました。 次期業績見込みと配当 次期においては、欧州債務危機の再燃リスクや原油高等を背景とした景気減速懸念があるものの、引き続き新興国を中心に緩やかな景気回復が続くものと想定しております。ドライバルク船市況については、荷動きは堅調に伸びる一方、引き続き新造船竣工圧力によって上値が抑えられることが懸念されます。油送船市況は、原油船(VLCC)は不安定な中東情勢を背景として堅調に推移し、石油製品船は欧米の製油所閉鎖に伴う荷動き増から今後の改善が見込まれます。自動車輸送については、長引く円高の影響が懸念されるものの、大災害の影響をうけた2011年度からの回復が期待できます。コンテナ船については、緩やかな世界景気の回復を背景とした堅調な荷動きと運賃レベルの修復を想定しております。
こうした見通しのもと、引き続き、輸送サービス品質の更なる向上や効率配船の強化、より一層の中長期安定収益獲得に努めます。また、減速航海の徹底的な深度化やコンテナ船の船型大型化等を通じ、グループ全体で年250億円規模のコスト削減を推進し、通期の連結業績は、売上高16,000億円、営業利益160億円、経常利益100億円、当期純利益30億円を予想しております。
次期の配当金につきましては、引き続き連結配当性向20%を目安としておりますが、当社を取り巻く事業環境が不透明であることを勘案し、現段階では未定とさせていただきます。

中期経営計画「GEAR UP! MOL」

当社は、長期ビジョンで掲げております通り、世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グループを目指して、グループを挙げて尽力する所存ですので、株主・投資家の皆様には、一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。 |