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リスク管理

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海上荷動き・船腹供給・海運各市況の変動リスク

外航海運業の経営には、他セクターと同様、世界景気の循環といったマクロ経済のリスクと産業特有のビジネスリスクがあります。世界各国の経済や貿易構造の変化から、船腹需給や市況、荷動きなど、様々な変動に直面しても、冷静に情報を分析して、より高い利益を獲得する確率を少しでも高め続けることが、ベスト・パフォーマーとなる条件です。当社グループはこうした観点から、資源輸送と製品輸送の両分野で、世界の輸送需要に合った船隊整備を進め、「事業分散によるリスク軽減」と「安定利益の積み上げ」を図りながら、リターンの最大化と持続的な利益成長を追求しています。
なお、市況、燃料油価格、為替レート及び金利などの変動リスクについては、市場リスク管理規程に基づき適切に対応しているほか、船舶投資に関わる重要案件は、実行当初より投融資委員会においてリスクの把握、分析及び評価をしています。

事業分散によるリスク軽減

「総合海運会社」を標榜する当社グループは2017年3月末時点で、ドライバルク船、油送船、自動車船、LNG船、コンテナ船など約850隻の船舶を運航し、資源から製品まで様々な種類の貨物を運んでいます。貨物・船型ごとに需給があり、それぞれに市況が形成されていますが、それらの市況には相関関係が高いものがある一方、経済環境によってはマイナスの相関が働いて相互に打ち消し合うものもあります。中長期契約を結ぶことができる船種であるか、当社がどの程度の市況エクスポージャーを持つかも勘案しつつ、最適な事業ポートフォリオを組むことによって、リスクを軽減しながら、より高く安定的なリターンを追求することが可能となります。

船種別調達・契約期間のバリエーション(連結/隻数ベース)

船種・船型別市況エクスポージャー(連結/隻数ベース)

中長期契約などによる安定利益の積み上げ

当社は、顧客との長年の信頼関係で築き上げた中長期契約により、安定した将来のキャッシュフローを堅実に積み上げ、市況変動による業績変動リスクの軽減を図っています。 国際海上輸送は拡大基調にありますが、引き続き存在する過剰造船設備に鑑みれば、市場環境の構造的な好転にはなお年月を要すると考えられます。外部環境の変化による影響を受けにくく、安定的な利益を生み出す契約を確保し、長期的視点からそれをさらに拡充することによって、安定利益の積み上げを図る計画です。そのために、安定したキャッシュフローを生む成長分野でのM&Aといった企業戦略も積極的に検討していきたいと考えています。

為替変動リスク

外航海運では、一部に日本の荷主との間で円貨建ての輸送契約があるほかは、海上運賃は米ドル建てが一般的です。当社は費用のドル化に努めていますが、ドル建て収入はなおドル建て費用を上回っており、米ドルに対する円高は当社グループの損益に大きな影響を及ぼします。2017度連結経常損益に及ぼす為替の影響額は、ドル・円の為替レートが1円変動するごとに、年間で約7億円と試算しています。

金利変動リスク

当社グループでは、運転・設備といった資金需要に対しては、主として社債発行、並びに銀行等金融機関からの借入れなどで対応しています。借入通貨は円貨及び米ドル貨であり、変動金利で調達している資金については、いずれも金利変動の影響を受けます。2017年3月末時点での有利子負債総額は1兆1,224億円でしたが、その約3割に相当する借入れ元本に対し金利を固定化しており、その結果、円・米ドルともに金利が1%上昇した場合の通期連結経常損益に与える影響を、約40億円の範囲内にとどめています。リーマンショック以降の超低金利のメリットを享受しながらも将来の金利上昇リスクを軽減すべく、変動/固定金利のバランスに配慮しながら、金融情勢の変化に機敏に対応し、金利スワップなどにより変動/固定比率を機動的に調整していきます。

船舶燃料油価格変動リスク

船舶燃料油の市場価格は概ね原油価格に連動していますが、燃料油価格の上昇は当社グループの損益に悪影響を及ぼします。当社グループが運航する約850隻全船で、年間約5.7百万トンの燃料を消費しますが、そのおよそ6割についてのリスクは顧客へ転嫁されています。従って、年間平均燃料油価格がトン当たり1米ドル上昇した場合、その影響は年間で最大約1.7億円(ヘッジ対策実施後)と試算しています。
また、燃料油に関しては、船舶に起因する硫黄酸化物削減のためのより厳しい規制が、2020年に導入されます。導入後は硫黄分0.5%以下の低硫黄燃料油の使用や脱硫黄装置であるSOxスクラバーの本船への搭載、代替燃料(LNG、LPG、メタノール等)の使用等の対応を取る必要があり、燃料油コストや船舶コストに影響を与える可能性があります。この場合、当社は時間をかけて運賃等への転嫁を図っていきます。

為替/金利/燃料油価格変動の収支への影響額と平均燃料油価格

船舶の運航リスク

当社グループ全体で運航する約850隻の船舶が、洋上で不慮の事故に遭遇するリスクから目を背けることはできません。当社は事故を未然に防止するために、安全基準の設定、安全管理体制の徹底、船員教育訓練システムの充実、安全運航支援組織の設営など、多岐にわたる取り組みを行っています。
また万が一、当社船舶の衝突・沈没・火災、その他の海難事故により、当社及び第三者に損害が発生した場合でも、当社業績に重大な影響を及ぼすことのないように、十分な保険填補が受けられるように手配しています。

グループ会社の事業運営リスク

当社ではグループ会社全てに適用するグループ企業理念に基づき、各グループ会社で諸規程を定めています。また、グループ会社経営管理規程に基づき、当社はグループ各社から適時必要な報告を受け、経営状態及び事業リスクを適切に把握した上で、重要経営事項については株主である当社の承認を得て実行するようグループ会社に求めています。

自然災害に関するリスク

地震等の災害や感染症の流行(以下「災害等」)により、当社の運航船・事業所・設備や社員に被害が発生し、事業活動に支障が生じる可能性があります。
当社では災害等に際して運航船と役職員の安全を最優先に確保し、事業の中核である「海上運送サービス」の提供継続と、万が一それが中断した場合に早期復旧を図ることを目的に、事業継続計画(BCP)を策定しています。この事業継続計画では、船舶の安全運航維持に関わる業務、運送契約・傭船契約の履行、財務手当て、要員確保等の実施に向けて対応組織・権限等を整備し、具体的な実施手順をマニュアル化しています。また、以前から災害等を想定した本社・社外での訓練等を定期的に実施し、そこで明確になった課題に対処することで、より実効性を高めています。しかし、これによっても災害等による被害を 完全に回避できるわけではなく、被害発生時に当社業績は影響を受けることがあります。

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