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日本とブラジルを結ぶ 世界最大級の鉄鉱石専用船 
"BRASIL MARU" 
シップ・オブ・ザ・イヤー 2007受賞

2008年06月18日

当社が運航する鉄鉱石専用船「BRASIL MARU」が、(社)日本船舶海洋工学会が選考する「シップ・オブ・ザ・イヤー2007」に選ばれました。選考委員会は、選考の経過を「鉄の生産に大きな影響を与える鉄鉱石の輸送コストの削減という大きな命題を克服したこと。溶接技術にUITを採用し大型船の疲労強度の改善が高められたこと。ブラジル移民100周年の年に当たり、移民船ぶらじる丸のⅢ世であるBRASIL MARUを、そのイノベーティブの意味も含めて選んだ。」としています。
「BRASIL MARU」の特長は以下のとおりです。

1)時代の先駆け、輸送モードの効率化で需要に応える大型船型
世界最大級の船型である載貨重量32万トンは、顧客(新日本製鐵株式会社)、船主(洞雲汽船株式会社)、造船所(三井造船株式会社)、とともに、1年半をかけ検討したブラジル産鉄鉱石輸送の最適船型。日本国内でこれまで建造実績のない大型鉄鉱石専用船を建造し、日本―ブラジル間をシャトル運航することにより、粗鋼生産の需要に応え年間輸送量の増加を実現した。
BRASIL MARUを皮切りに、現在30万トン級の鉄鉱石専用船が世界で50隻以上も発注されており、本船型が今後の鉄鉱石輸送形態の先駆けとなっている。
2)環境保全にも配慮した造船技術の革新性
船型の開発には、最先端のコンピューターシミュレーションを駆使し、環境保全、安全性にも十分に配慮している。水の流れを考慮した直進性能、操縦性能の高い船型で、溶接部にはUIT(Ultrasonic Impact Treatment)と呼ばれる、画期的な疲労強度改善処理を行い、適用部分の疲労強度を2倍以上としている。
一方、超大型化の実現により、単位輸送あたりの環境負荷を低減(CO2の排出量は、従来のケープサイズの約20%減)している。さらに、燃料油タンクの完全二重船殻構造、国際海事機関(IMO)の排ガス環境基準を満たすエンジン、省エネ装置MIPB(Mitsui Integrated Propeller Boss)などを採用し、環境保全に十分に配慮している。
3)日本ブラジル交流年にふさわしい歴史的な船舶
「BRASIL MARU」は、南米航路で輝かしい歴史を刻んだ貨客船、初代「ぶらじる丸」(1939年建造)、二代目「ぶらじる丸」(1954年建造)の由緒ある船名を引き継いだ三代目である。日本とブラジルを直接結ぶ鉄鉱石専用船として、ポルトガル語表記(BRASIL)で「BRASIL MARU」と命名、日本人ブラジル移住100周年にあたる今年(2008年)、日本とブラジルの更なる友好への願いが込められている。

●本船の概要

  • 船名 BRASIL MARU
  • 船種 鉄鉱石専用船
  • 船主 Tamou Line S.A.(洞雲汽船)
  • 船籍 PANAMA
  • 建造所 三井造船株式会社千葉事業所
  • 竣工 2007年12月7日
  • 船級 NK
  • 全長 340.00m
  • 幅 60.00m
  • 深さ 28.15m
  • 総トン数 160,774トン
  • 速力 15.0ノット
  • 主機 ディーゼル機関(23,640kW) 三井B&W 7S80MC-C 1基
  • 積載量 鉄鉱石 327,180トン

●写真

ブラジルから鉄鉱石を満載して大分に初入港したBRASIL MARU(2008年3月)