2010年02月23日
当社保有の木材チップ船"HOKUETSU DELIGHT""CRYSTAL PIONEER"がこのほど、ブラジル・リオデジャネイロ沖南東550キロの大西洋において、横転・遭難した訓練帆船"CONCORDIA"(*)の遭難者の捜索と救助にあたり、漂流中の遭難者64人全員を無事収容しました。
*洋上学校の訓練帆船"CONCORDIA"(全長約57メートル)には、スタッフやカナダの大学生・高校生などの訓練生が乗船(日本人女子高校生1人を含む)。2月17日午後8時過ぎ(現地時間)に強風で横転したとみられる。
救助の経緯、以下の通りです。
(1)2月18日午後(日本時間2月19日未明)、オランダ・アムステルダムからアルゼンチン・サンロレンソに向けて航行中の"CRYSTAL PIONEER"は、訓練帆船"CONCORDIA"の救助要請をブラジル当局から受け、直ちに現場へ急行。
(2)シンガポールからブラジル・パラナグアへ向けて航行中の"HOKUETSU DELIGHT"も同じころ、ブラジル当局の救助関係通信を傍受。自ら遭難推定海域に向けて航行していたところ、19日未明(日本時間19日午後)に遭難信号灯を視認、遭難者を乗せた救命いかだ3基を発見。
(3)続いて現場付近に到着した"CRYSTAL PIONEER"も救命いかだ1基を発見。2隻は緊密な連絡を取り合い、まず"HOKUETSU DELIGHT"が44人を救助、続いて"CRYSTAL PIONEER"が20人を救助し、遭難者全員の無事を確認。
(4)収容した遭難者の移送のため、両船はリオデジャネイロに向けて航行を開始。
両船のリオデジャネイロ沖到着(20日午後)後、被救助者は下船。
風が強く波もやや高い中、夜明け前の暗い時間帯から朝にかけて、木材チップ船2隻が遭難者の捜索と救助活動を実施しました。風の影響を受けやすく、細かな操船が難しい大型木材チップ船が、数多くの遭難者の捜索・救助を人的・物的な二次災害もなく完遂できました。