入社式社長挨拶

2011年04月01日

当社は、4月1日付で34名(海上新卒採用9名、陸上新卒採用25名)の新入社員を迎えました。入社式における社長 武藤光一の挨拶をご参考に供します。

 記
 
皆さん、入社おめでとうございます。

商船三井丸への乗船を大いに歓迎します。本日から皆さんは商船三井グループという一つの船に乗り合わせた仲間です。楽しく、時に厳しくもありますが頑張っていきましょう。
皆さんが乗り出した海は、穏やかな青い透明なときもあれば、先の津波のように荒れ狂う鉛色の憎悪と化すときもあります。先の震災は日本の実情を大きく変えました。海を取り巻く環境も、一夜にして大きく変わる時代となっています。この社会・経済・政治が地球規模で変化する時代にあって、商船三井で今後活躍する皆さんに心がけていただきたいことが三つあります。

(1)仕事をする上で
会社に寄りかかるのではなく、自分は会社にどういう貢献ができるのか、どのような価値を生み出すことができるのかを常に考えて行動してください。寄らば大樹の陰という言葉がありますが、組織でこういう考えの人ばかりでは変化の時代につぶれてしまいます。会社というのは一人ひとりの価値の集合体です。自分が大樹を支える、そういう気持ちで日々取り組んでください。

(2)素養・資質について
大局観をもって粘り強くやりぬく行動力を身につけてください。私は「着眼大局、着手小局」という言葉を大切にしています。大きな視点をもって粘り強くやりぬく、こういう行動が求められます。大局観を身につけるには、まず一生懸命考える。一生懸命考えてこつこつと足元の仕事をする。回りのことも興味をもち、新聞・経済誌をよく読んで社会で何が起き、経済がどう動いているのか知る。このようにして大局観を身につけ確実に行う行動力は、これから皆さんがキャリアを積むのに必要なことです。
グローバルに活躍する上では、英語力も最大の資質です。ジャパニーズ・イングリッシュで充分ですから、大いに英語力を鍛えてください。

(3)組織で働く人間として
プロの社会人になったという意識をもってください。ルールを守り倫理にもとることをしないのは最低限求められることですが、組織で働く者としては協調精神、コミュニケーション、人を説得する力・説明力であるアカウンタビリティを身につける必要があります。これによって人とうまく仕事をするということが求められます。もちろん会社は、皆さんの能力を高め、発揮できる環境作りに最大限の努力をはらいます。

本日皆さんの参加を得て、商船三井グループは若干若返りました。こうした新陳代謝を重ね、本日127年目の創立記念を迎えます。この長い歴史をきざむ中で、皆さんの先輩たちが血の滲むような努力をし、額に汗して英知をかたむけながら艱難辛苦を乗り越えてきました。苦しいことばかりではなく、楽しいこともたくさんありました。この商船三井グループという舞台を皆さんは今日から引き継ぎます。商船三井グループは皆さんの夢・希望・大きな志を実現し、皆さんの人生を託するに相応しい舞台です。海運業というのは、ものを動かすことにより価値を生み出し、世界中の貧富の格差を少なくし、人々を幸せにする産業です。商船三井グループはこれからもこのような事業を積極的に進めます。若い人たちに大いに期待します。

皆さんが商船三井とともに歩んで、心身ともに健康で、そして良き社会人として充実した人生を送られることを祈念して入社の挨拶といたします。