2011年08月12日
(株)商船三井、(株)西日本流体技研およびミカドジャパン(株)が開発し、商船三井テクノトレード(株)が販売しているプロペラ装着型省エネ装置PBCF(Propeller Boss Cap Fins)の受注実績が2,000隻を達成しました。
PBCFは船舶のプロペラに装着する省エネ装置です。これによりプロペラ後方に発生するハブ渦が消えプロペラ効率が改善し、船舶の燃料消費量を3~5%削減することで、大型コンテナ船で年間9,000トン以上のCO2排出量を削減します。
ハブ渦の比較
装着前
装着後
装着後は中心部の渦が消えます。
PBCFは1986年に研究開発を開始し、翌1987年に販売を開始。国内船主を中心に採用実績を積み、販売開始19年目の2006年に受注1,000隻を達成しました。その後、燃料価格の高騰およびCO2排出量削減に向けた世界的な意識の高まりを背景に、海外の船主・運航者にも幅広くPBCFが認められ採用された結果、1,000隻達成からわずか5年目の今年、2,000隻を超える受注を達成したものです。
本年6月には、ドイツのハンブルグで開催された国際シンポジウム2nd International Symposium on Marine Propulsorsで「大手タンカー船社の所有するアフラマックスタンカーにPBCFを装備した前後で速力試験を実施し、4%弱の省エネ効果を確認した」という内容の論文が英国の技術研究機関(BMT Defence Services Ltd社)により発表され、PBCFの省エネ効果が公に示されました。
当社グループは、中期経営計画「GEAR UP ! MOL」の環境戦略の一つとして次世代船構想「船舶維新」プロジェクトを進めており、PBCFはその重要な要素技術の一つです。本年7月15日に国際海事機関(IMO)で海洋汚染防止条約の改正がなされ、国際海運に温室効果ガスの排出規制が導入されることになりました。当社グループは、今後も様々な環境技術の開発に取り組み、船舶からのCO2排出の削減に寄与することで、地球環境の保全に貢献します。
<ご参考>