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大阪ガス向けLNG船2隻の新造契約・長期輸送契約締結に合意

2011年10月28日

当社はこのたび、大阪ガス株式会社(尾崎裕社長、以下大阪ガス)のグループ会社 大阪ガスインターナショナルトランスポート株式会社(舟橋雄一社長)と新型LNG船2隻を共有することを決定し、三菱重工業株式会社(大宮英明社長)と造船契約を締結することで合意しました。 同時に、当社と大阪ガスは、LNGの長期輸送契約を結ぶことで合意しました。

今回建造するLNG船2隻は、第1船は2014年度に、第2船は2015年度にそれぞれ就航する予定で、当社が船舶管理及び運航を行い、20年間にわたり 主に大阪ガス向けLNGの輸送に従事する予定です。

この2隻のLNG船は、積載容量が153,000立方メートル級*1 で、世界初の連続タンクカバー型船です。これは、4基ある球形タンクを船体と一体構造の連続カバーで覆うことにより、船体の全体強度を確保しながら軽量化を実現するもので、燃費低減につなげます。また、さらに、蒸気を再度加熱利用する新型蒸気タービン機関の採用により、より一層の燃費低減を達成します。

さらに、燃費低減によるCO2排出量の抑制に加えて、燃料を天然ガスや低硫黄燃料油とすることによる硫黄酸化物の排出量抑制、バラスト水処理装置*2 の搭載による海洋生態系への影響軽減、ならびに、シップリサイクル条約*3 への対応による船舶解撤時の環境汚染防止など、将来にわたる環境面にも十分配慮しています。

当社は、"低環境負荷輸送ソリューションで時代の要請に応える企業グループへの進化"を中期経営計画「GEAR UP! MOL」の環境戦略として掲げています。世界最大級のLNG船保有・管理会社としてこれまでに培ってきた経験とノウハウを活かし、今後も顧客ニーズに的確に応えたLNG輸送サービスの提供に積極的に取り組んでいきます。

*1 LNGタンク総容積は155,000立方メートルであり、そのうち、LNGを積載可能な量

*2 バラスト水とは、船舶空荷時に船舶を安定させる目的で「錘(おもり)」として搭載される海水で、積荷時に排出される。国際航海船舶のバラスト水は取水域国と排水域国が異なるため、外来生物による排水域国の現地生態系の撹乱が問題視されている。そのため、国際条約(バラスト水管理条約)で海水を浄化する装置の設置が今後義務付けられる予定である。

*3 船舶のリサイクルにおける労働災害や環境汚染を最小限にすることを目的とした条約で、今後発効予定。船舶建造時に船舶全体に含まれる有害物質とその場所を記載したインベントリー(一覧表)を作成し、船舶解体時まで管理することにより、安全なリサイクル処理が可能となる。

【新造LNG船の概要】

(1) 全長:約288.0(m)
(2) 幅:48.94(m)
(3) 満載喫水:11.55(m)
(4) LNGタンク:モス独立球形ストレッチタンク方式
(5) 総トン数:138,000(t)
(6) 載貨重量トン数:75,000(t)
(7) 主機関:再熱式蒸気タービン
(8) 航海速力:19.5(ノット)
(9) 建造造船所:三菱重工業株式会社
(10)船舶管理会社:株式会社商船三井
(11)就航予定時期:2014年度(第1船)、2015年度(第2船)
(12)船名:未定