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バラスト水処理装置のコンテナ船ホールド搭載に関する基本承認を取得
~日本海事協会から基本承認を国内で初めて取得~

2013年01月23日

当社は、三菱重工業株式会社(大宮 英明社長;以下、三菱重工)と共同で、バラスト水処理装置をコンテナ内に収納してコンテナ船のホールド(船倉)に設置する技術を開発し、今般 その基本設計について一般財団法人日本海事協会から基本承認(註)を、国内で初めて取得しました。これにより、既存船舶にバラスト水処理装置を設置する際、機関室に搭載する手法に比べ工期を大幅に短縮できます。

コンテナ型バラスト水処理装置は、40フィートコンテナ(長さ約12m)内に必要な機器をパッケージングしたもので、限られた空間を有効に使って、メンテナンスを施しやすいように配慮された設計となっています。

コンテナ型バラスト水処理装置の特長

  • 装置はコンテナ化されているため、事前調査などに要する作業を短縮でき、工事段階において、細かな配管調整等を大幅に減らすことができる。
  • 事前の試算では、機関室に設置する場合に比べ7日程度の工期短縮を見込む。
  • 機関室に関連機器・配管を搭載するスペースの余裕がない船舶では極めて有効。

当社および三菱重工は今春、当社が保有する8,100個積みコンテナ船「MOL COMPETENCE」に、40フィートコンテナ型の初号装置を搭載して実証運用を行うべく、水処理能力750m3/hの装置を設置するための詳細設計作業に着手しました。

貨物の積荷役にあわせて排出されるバラスト水は、海洋生物を越境移動させ、海洋生態系および生物多様性の保全に対し影響を与える恐れがあり、1980年代後半から国際的に問題視されるようになりました。これを受けてIMOで2004年2月に「バラスト水管理条約」が採択され、発効に向けて批准が進んでいます。

本船への搭載プロジェクトは、中期経営計画"GEAR UP! MOL"における環境戦略目標の一つ、「生物多様性保全への貢献」に対する取組みの一環です。
当社は今後も、低環境負荷輸送ソリューション提供のための活動を推進し、あわせて、搭載工事及び運用経験を蓄積していくことで、批准が進むバラスト水管理条約への円滑な対応を進めてまいります。

(註)Concept Approval of Installation for Packaged Container Ballast Water Treatment System in Cargo Hold; 第三者認証機関である日本海事協会により、本装置が規則に則って設置可能であると認められたということ。

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左:コンテナ型バラスト水処理装置が設置されている様子。
右:本装置のイメージ図。40フィートコンテナ内にパッケージングされている。


コンテナを搭載して航走するコンテナ船の様子