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NOxを除去するSCR脱硝装置の実船搭載、試験運用開始
~IMOのNOx 3次規制対応、全発電機・実際の運航環境下で実証~

2013年07月08日

当社は、ヤンマー株式会社(山岡健人社長)および株式会社名村造船所(名村建介社長)とともに、船舶から排出されるNOxを除去するSCR脱硝装置(Selective Catalytic Reduction:選択式触媒還元)の開発に取り組んできましたが、今般、当社運航外航船(以下、実船)の発電機3台全てにSCR脱硝装置を搭載する運びとなりました。船舶の実際の運航条件下において、国際海事機関(以下、IMO)のNOx 3次規制(※)に向けた実証を行います。

実船搭載するSCR脱硝装置は、7月1日に、同規制のNOx排出レベルを満たすことを証明する鑑定書を一般財団法人日本海事協会から取得し、優れた脱硝性能が確認されました。

同規制は早ければ2016年1月に開始される見込みであり、今回の実船搭載はこれに先駆けて行います。なお、本研究開発は日本海事協会「業界要望による共同研究」のスキームにより同協会の研究支援を受けています。

当社は単年度経営計画「RISE 2013」の環境戦略の一つとして大気汚染防止への取り組みを進めており、今回の技術開発はその一環であります。今後も環境負荷低減に資するあらゆる技術の導入に積極的に取り組んでいきます。

実船搭載するSCR脱硝装置の概要と試験運用の詳細


実船搭載するSCR触媒反応器

  • 実船にはバイパス系統を有する触媒反応器を搭載し、機関室全体の省スペース化と設計の負担を軽減。
  • 3台の統合制御を行うことにより、周辺機器に対する省スペース化も実現。
  • 実船での試験運用は約2年間を予定。尿素水補給等のオペレーション性を含めて、以下を確認していく。

※ IMO(国際海事機関)のNOx(窒素酸化物) 3次規制
船舶からのNOx排出については、船舶からの海洋汚染等を防止する国際条約である海洋汚染防止条約(MARPOL条約)附属書Ⅵ(大気汚染防止)において規定されています。同附属書の規定により、北米等の大気汚染物質放出規制海域(ECA:Emission Control Area)では、早ければ2016年以降の建造船に搭載するディーゼルエンジンは、NOx1次規制値より80%以上NOx排出量を低減することが要求されます。