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新型風防を開発、当社コンテナ船に設置
~船首に設置して風圧抵抗を低減、CO2削減効果の検証を開始~

2015年09月03日


風防設置後のコンテナ船“MOL MARVEL”

株式会社商船三井(社長:池田潤一郎、本社:東京都港区、以下「商船三井」)はこのたび、一般財団法人日本海事協会(会長:上田德、本部:東京都千代田区、以下「日本海事協会」)が産学官と連携して取り組んでいる「業界要望による共同研究」のスキームから研究支援を受け、商船三井テクノトレード株式会社(社長:青砥修吾、本社:東京都中央区)、株式会社大内海洋コンサルタント(代表取締役:大内一之、本社:長野県北佐久郡)、株式会社三井造船昭島研究所(社長:西村勝好、本社:東京都昭島市)、国立大学法人東京大学(総長:五神真、本部:東京都文京区)と共同で、コンテナ船における風圧抵抗を低減する風防を開発し、商船三井が運航するコンテナ船“MOL MARVEL”の船首部に取り付け、実際の航海でのCO2の削減効果を検証します。

近年のコンテナ船の大型化に伴い、甲板上に積載するコンテナの高さも増大し、それによる風圧抵抗も無視できない程度まで増加していることから、費用対効果に優れた積極的対策が求められています。今回の新型風防の開発にあたっては、風洞試験を通じて船首の空力形状を検討し、風防本体の重量の削減に加えて風圧抵抗の低減効果が最大限得られる様、積載されたコンテナの最前列を囲う馬蹄形デザインを採用しました。本風防は日本海事協会が定める波浪衝撃荷重に関する規則に対して十分な設計強度を有しています。また、風防の後方両舷側には整流用コンテナを斜めに配置する事により船側面を平滑化し、さらなる風圧抵抗の低減を実現します。

これらの対策により、6,700TEU型コンテナ船が北太平洋航路を航海速力17ノット(時速約31km)で航行する場合、年間平均約2%のCO2削減効果を見込んでいます。また、風防による荒天航行時の青波(*)の打ち込み対策としての効果も期待されます。

商船三井グループは、中期経営計画「STEER FOR 2020」で掲げる「変革を通じた確かな成長」の実現に向け、環境負荷を低減する次世代船構想「船舶維新」プロジェクトにも取り組んできました。商船三井グループは、今後も様々な環境技術の開発に取り組み、船舶からのCO2排出の削減に寄与することで、地球環境の保全に貢献します。

(*)船の船首甲板上に打ち付けられる大波のこと