陸路・空路・海路 交通手段、どれが正解?アイキャッチ

もくじ

旅行や出張など、お出かけの際にはさまざまな移動手段がありますが、みなさんはどんな基準で選んでいますか?飛行機、それとも新幹線? いえいえ海を渡るフェリーだって実は結構使える場面があるのです。 今回は陸・海・空の公共交通機関それぞれの特徴を、東京からの旅行先として人気がある、北海道札幌市への旅を想定し、さまざまな観点から比較・検討してみました。
※記載の金額は、購入方法や購入時期などによって異なる場合があります。参考値としてお考えください。

[陸路] 最高速度320km/h!東北・北海道新幹線で行く

[陸路] 最高速度320km/h!北海道新幹線で行く1

2016年3月に北海道新幹線が開業したことにより、本州から新幹線での北海道上陸が可能になりました。

まずはJR東京駅から東北・北海道新幹線「はやぶさ」に乗り北上します。現在の北海道新幹線の終点はJR新函館北斗駅で、最速列車だと3時間58分。平均では約4時間20分です。

最高速度時速320kmとはいえ、それなりに乗っている時間は長いなあ、という印象ではないでしょうか。青函トンネルの速度規制が2019年3月に時速160kmに引き上げられ最速列車は4時間を切りましたが、それでも約4時間はかかります。しかも東北・北海道新幹線はトンネル区間が多く、車窓を楽しむ時間はあまりありません。

JR新函館北斗駅から特急「北斗」に乗り換え、JR札幌駅まで約3時間はかかります。やはり北海道は大きいです。乗り換え時間を含めると東京~札幌間は最速で7時間26分となっています。

陸路ルート

片道運賃:おとな1名

例)
・東京駅─新函館北斗駅
東北新幹線・北海道新幹線「はやぶさ」(JR東日本・JR北海道)
普通車指定席 23,430円
  ↓乗り換え
・新函館北斗駅─札幌駅
特急「北斗」(JR北海道) 9,440円

所要時間:約7時間26分(最速:乗り換え時間含む)
片道運賃合計:32,870円

[空路] 巡航速度マッハ0.8!飛行機で行く

[空路] 巡航速度マッハ0.8!飛行機で行く1

東京から札幌への移動となると、もっとも選択肢に挙がりやすいのが飛行機。巡航速度はマッハ0.8、つまり時速864kmです。これは対地速度ではなく対気速度なので偏西風に乗る新千歳行きは追い風のおかげでもっと速いのです。さすがです。

所要時間は1時間30分~40分程度。羽田空港を飛び立つまで少々時間を要するので、実際空を飛んで景色を楽しむ時間は1時間程度です。

新千歳空港からは快速「エアポート」(JR北海道)に乗り換え、札幌駅まで約40分。飛行機の場合は乗り換えに時間がかかりますが、それでも東京から3時間ちょっとで札幌に到着することができます。ちなみに快速「エアポート」は日中15分間隔と高頻度で運行されており、プラス840円で座席指定席を予約可能なのも魅力です。

空路ルート

片道運賃:おとな1名

例)
・東京駅―品川駅
東海道本線(JR東日本) 168円(※1)
  ↓乗り換え
・品川駅―羽田空港
京急エアポート急行(京急電鉄)292円(※1)
  ↓
・羽田空港─新千歳空港
JAL便利用  大人普通運賃 38,760円 (※2)
  ↓乗り換え
・新千歳空港駅─札幌駅
快速エアポート (JR北海道) 1,990円(※3)

所要時間:約3時間10分
片道運賃合計:41,210円 (※2)

(※1)全国交通系ICカード利用時の料金。切符購入の場合金額が異なります。
(※2)時期によって運賃は変動します(ANA、JALの場合)。
(※3)指定席を利用した場合。

ここ数年、ジェットスター・ジャパンやバニラエア、春秋航空日本といった格安航空会社(LCC)が注目を集めています。千葉県の成田空港~新千歳空港線で就航しており、破格の安さがLCCの特徴です。大手航空会社では考えられない1万円前後から運賃が設定されています。安さが魅力的なLCCですが、その運賃は時期によって変動幅が大きく、お盆休みや正月休みの帰省ラッシュの時期、ゴールデンウィークなどの繁忙期は大手航空会社と変わらない運賃になることがあります。また、手荷物の個数や大きさ・重さによっては追加料金がかかるので、お土産などで荷物が多いと割高になるケースも。期間限定のセールを開催し、通常の運賃よりもさらに格安な航空券を発売するLCCもあります。
飛行機を利用して北海道へできるだけ安くいきたい場合には、日程や荷物の量などを踏まえて検討すると良いでしょう。

[海路] 航海速力24ノット!!「さんふらわあ」夕方便で行く

[海路] 航海速力24ノット!!「さんふらわあ」夕方便で行く1

そして、海路。茨城県・大洗港から「さんふらわあ」の夕方便に乗船して、北海道・苫小牧港で下船し、札幌へ向います。

2017年に就航した夕方便「さんわらわあ さっぽろ/ふらの」の航海速力は24ノット、時速に換算すると約44km。同船はさまざまな技術を搭載した船で波や海流の影響を受けにくく、旧型船に比べて所要時間が1時間15分も短縮され、大洗港から苫小牧港までを17時間45分で航行します。

今回は、19時45分大洗港発、翌日13時30分苫小牧港着の「さんふらわあ さっぽろ」のコンフォートルームを利用した場合のルートで算出しています。客室の等級や利用時期によって金額は異なります。

「さんふらわあ」に乗船するためには茨城県の大洗港フェリーターミナルへ向かう必要があります。大洗港フェリーターミナルへは、東京駅から大洗駅まで電車を乗り継ぎ、大洗駅から路線バスかタクシー、もしくは徒歩で行く方法のほか、東京駅から高速バス「みと号」で行く方法があります。「みと号」は、東京駅~水戸駅を繋ぎますが、水戸駅から大洗港フェリーターミナルまで延伸する便が運航し(※)、ぐんと利便性が高まりました。

苫小牧港から札幌までは高速バス「とまこまい号」の利用がおすすめです。夕方便の到着時間に合わせて札幌駅前ターミナル行きのバスがあります。所要時間は1時間52分。

(※)現在「みと号」の大洗フェリーターミナル延長便は全便運休中です(東京駅~水戸駅間は運行中)。水戸駅~大洗港フェリーターミナル間はバスが運行しています。
 詳しくは茨城交通のホームページをご確認ください。

海路ルート

片道運賃:おとな1名

例)
・東京駅―水戸駅―大洗港フェリーターミナル
高速バス「みと号」2,120円+路線バス620円(茨城交通)(※1)
  ↓乗船
・大洗フェリーターミナル─苫小牧港フェリーターミナル
「さんふらわあ さっぽろ」夕方便利用
コンフォートルーム 12,900円(※2)~
  ↓乗り換え
・苫小牧港フェリーターミナル─札幌駅
高速バス「とまこまい号」(北海道中央バス)1,450円

所要時間:約25時間30分
片道運賃合計:約17,090円

(※1)現金支払いの場合。
(※2)A期間の場合。

やはり飛行機の圧勝なのか?

3つの交通手段の結果は、以下のとおり。

単純に札幌までの所要時間を見ると、比べるまでもなく飛行機の圧勝です。なにしろ飛行機はマッハ0.8です。追い風の時は時速1,000kmを超えることもあるのです。「さんふらわあ」は運賃で勝っていますが、このままでは「なぜこんな記事を作ったのか」という当たり前な疑問が湧くほど、ありふれた結論です。

そう、ここからが本題です。

実はある状況下で北海道への移動に「さんふらわあ」を利用すると、いろんなメリットがあるのです。

ゆっくり出発でき、移動中もくつろげて、ぐっすり寝ることもできる、それがフェリー!

飛行機で行くとしたら羽田を10時過ぎ発の飛行機に乗れば、新千歳で昼食をとっても14時くらいには札幌に着くことができます。飛行機に乗る場合、1時間前には空港に着いておきたいですよね?そうなると9時に羽田空港です。家を出るのは何時でしょうか?8時前には出ないと、という方も多いと思います。ということは起きるのは朝7時。意外と早起きが必要です。

新幹線の場合、さらに早起きが必要です。JR東京駅6時32分のはやぶさ1号で10時53分にJR新函館北斗駅着、11時08分発の北斗9号に乗り換えるとJR札幌駅に14時38分に到着します。JR東京駅6時32分発の新幹線に乗るには、おそらく多くの方が朝5時過ぎには家を出ることになりますよね。冬なら真っ暗な時間です。

そこで「さんふらわあ」の登場です。「さんふらわあ」夕方便なら大洗を前日の19時45分に出港します。東京駅を14時30分に出る高速バス「みと号」に乗れば、水戸駅には16時30分頃に到着。水戸駅から大洗港フェリーターミナルまでは、路線バスで約30分。交通状況にもよりますが、17時頃には乗船手続きができます。

「さんふらわあ」だったら船内でゆっくり夕食をとって、展望浴場・サウナを楽しんで、大海原を見ながら人生を振り返って、たっぷり眠って、朝もゆっくりで大丈夫。船内で朝食・昼食も食べることができます。苫小牧に着く頃にはリフレッシュされた新しい自分で人生に臨める気がしますよね(個人の感想です)。

愛車でそのまま「さんふらわあ」に乗船でき、密を回避した移動が可能

とにかく時間をかけずに北海道へ向かいたい場合は、飛行機が一番効率的です。もうこれは疑う余地がありません。

つまり、“移動時間が短く、なんとしても早く到着したい!”場合は、飛行機が正解。

しかしフェリーは、飛行機や新幹線とは異なり、移動手段でありながら宿泊施設も兼ねているという側面があります。移動しながら宿泊できるのです。
また、船内はパブリックスペースであれば自由に行き来できるので、散歩もし放題です。飛行機や新幹線のように移動中は座りっぱなしで1か所にとどまっていなければならないというストレスはありません。
たとえば、家族旅行で乳幼児やわんぱく盛りの子どもがいる場合、飛行機や新幹線で移動する際に周りの乗客に気をつかってしまうというご家庭もあるでしょう。でも「さんふらわあ」なら、個室を予約すれば移動中を家族だけで過ごすことができるので安心です。キッズスペースがあるほか、船内を自由に歩き回れるので、子どもたちものびのびできます。また、飛行機のように気圧の変化がないので、耳抜きができない赤ちゃんにも安心です。
さらに「ツーリスト」や「コンフォート」など大人数で利用できる客室もあるので、グループ旅行でも気兼ねなく過ごすことができます。客室は「スイート」はもちろん、「スーペリア」あたりのホテルライクなお部屋でも十分快適。まさに「カジュアルクルーズ」を味わうことができます。

つまり“移動自体も楽しみたい!”なら、フェリーが正解です。

最後に「快適さ」という点も、比較してみます。

交通手段快適さ比較表

繰り返しになりますが、フェリーの大きな利点は、他の移動手段にはないサービスです。
北海道を自分の愛車(車、バイク、自転車)で走りたいのなら、愛車をそのまま乗せられるフェリーを利用するのが最良です。北海道でキャンプやスノボ・スキーなどを愛用の道具で楽しみたいという方も、たくさんの荷物を自宅から車に積みこんでそのままフェリーに乗れるので、とても楽です。
自分の自転車で北海道を走りたい場合、飛行機では輪行袋に入れて荷物として預けなければなりません。新幹線でも駅に入る際に輪行袋に入れなければならず、何かと面倒。でもフェリーなら、飛行機や新幹線と違って輪行袋に入れず、そのまま乗船することが可能です(「特殊手荷物」として別料金で車両甲板に停めます)。東京都心から大洗港まで、約120Kmの道のり。「さんふらわあ」に乗船すれば、展望浴場で汗を流して、船内でぐっすり寝ることができるので、中~上級者のサイクリストの方にはおすすめです。

また、ペットと一緒に旅行する場合は、飛行機だと気圧の変化があるうえ、ペットは暗い貨物室に入れられます。新幹線だとずっとケージの中です。「さんふらわあ」なら、「ウィズペットルーム」があり、ペットと同じ部屋で一緒に過ごしながら移動でき、ドッグランもあります。そういった快適さの面では交通手段の中で群を抜いているといえるでしょう。

ホテルのような個室に入って移動できるので、他の乗客との距離をしっかり保つことができ、接触機会が少なくて済みます。自宅から車ごと「さんふらわあ」に乗り込み、船内の個室でゆったりくつろいで過ごし、苫小牧に到着したらそのままドライブへ。「さんふらわあ」を利用すれば、昨今の新型コロナウイルスのリスクを考慮した、密を避ける旅行を満喫することができるのです。

時間にゆとりがあるのなら、前の日の夕方に出発して、ゆったり目的地を目指すフェリーの船旅はいかがでしょうか? ちなみに、徒歩乗船の方には大洗港~苫小牧港間のフェリーと東京駅~大洗港間および苫小牧港~札幌駅間のバス乗車券がセットになった「パシフィック・ストーリー」なら、便利な上に運賃もおとな1名片道で税込9,900円~(夕方便限定)と大変お得になります。

※所要時間は目安です。
ジョルダン調べ(2022年10月時点の情報です)
※船内設備、客室等については、船によって異なります。詳細は首都圏~北海道航路「さんふらわあ」のホームページでご確認ください。

東京~札幌は、フェリー&高速バスがセットの
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※首都圏~北海道航路「さんふらわあ」のWebサイトへ移動します。
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