競走馬のふるさとを訪ねるアイキャッチ

もくじ

「さんふらわあ」が就航する北海道は競走馬たちのふるさと。2017年の有馬記念を制したキタサンブラックを始め、ターフを沸かせた名馬たちは、競技生活を終えると生まれ故郷の北海道に戻って、第2の生活をスタートさせます。繁殖シーズンを終えると多くの牧場は見学ができるようになり、観光の際に立ち寄ることができます。今回はみなさんの心に残る名馬たちがいる主な牧場を紹介します。
※最新の営業状況については、必ず各店舗・施設ホームページ等にてご確認ください。

競走馬の牧場見学は7月ごろからがシーズン!

競馬ファンにはおなじみですが、北海道は競走馬の生まれ故郷として知られています。数々の名勝負を繰り広げ、活躍した馬たちは現役を引退すると故郷の牧場へ戻り、種牡馬や繁殖牝馬として第二の人生を歩み始めます。

競走馬の繁殖シーズンは毎年2月~4月。そして5月くらいから休養に入るので、7月ごろには観光客向けに繋養されている馬たちの見学ができるようになります。

まずは「さんふらわあ」のフェリーターミナルがある苫小牧からほど近い3つの牧場からご紹介しましょう。

<編集部コメント>
牧場を見学する際は、各施設のルールをしっかり守りましょう。馬の近くで大きな声や音を出す、見学エリア外や立入禁止エリアへ入るなどの禁止事項や注意事項を把握しておくことが望まれます。
また、牧場にいるすべての馬が見学可能なわけではありません。馬の状態などさまざまな事情で急遽見学ができなくなってしまう場合があることも理解しておきましょう。
各施設にいる元競争馬の見学ができる/できないは、「競走馬のふるさと案内所」サイト上で確認できます。見学の可否を施設に直接電話で問い合わせるのではなく、「競走馬のふるさと案内所」サイトで確認の上、施設を訪れるようにしてください。

スターホースが目白押しな「社台スタリオンステーション」

スターホースが目白押しな「社台スタリオンステーション」1
キタサンブラックの現役時代(写真:福嶌 弘)

繋養馬の豪華さでいえば、他の追随を許さないのが社台スタリオンステーション。「さんふらわあ」が到着する苫小牧港から車で40分ほどの近さです。2017年の有馬記念を制したキタサンブラックを始め、海外のG1レースでも勝ち星を挙げたモーリスなどのスターホースが第二の生活をここで歩んでいます。惜しくも2019年7月に亡くなりましたが、牡馬クラシック3冠を制したディープインパクトも在籍していました。

スターホースが目白押しな「社台スタリオンステーション」2

毎年、5月の終わりごろから牧場での見学が行われていますが、近年は繋養馬の体調を優先して見学期間が以前よりも短くなり、場合によっては終日見学不可ということもあります。そのため牧場を訪問する前には必ず、公式ホームページと「競走馬のふるさと案内所」サイトを確認してから行くようにしましょう。

<編集部コメント>
繋養種牡馬を多数有する社台スタリオンステーション。父であるディープインパクトと同じく無敗でクラシック三冠を達成したコントレイルも所属しています。2023年2月には、2021年の皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念を制し、同年のJRA賞年度代表馬と最優秀3歳牡馬に選出されたエフフォーリアが仲間入りしました。また、外国産馬が多いのも社台スタリオンステーションの特徴です。
敷地内には、ディープインパクトのほか、キングカメハメハ、クロフネ、トウカイテイオーなどの人気名馬のお墓もあり、お墓参りができます(時期により不可の場合あり)。

社台スタリオンステーション

主な繋養馬
キタサンブラック、オルフェーヴル、キズナなど
住所
北海道勇払郡安平町早来源武275
電話番号
0145-22-4581

数々のレースで活躍した元競走馬と触れ合える「ノーザンホースパーク」

元競走馬と触れ合える「ノーザンホースパーク」1

牧場の多くは繋養されている馬を見るだけで、触れるのは原則禁止ですが、ノーザンホースパークは「馬と触れ合える」というコンセプトを持つテーマパーク。

数多くの名馬を輩出してきた社台グループの生産馬たちの多くがここで余生を送っています。

元競走馬と触れ合える「ノーザンホースパーク」2

施設内にはさまざまなエリアが用意され、元競走馬を見学するだけでなく、乗馬や馬車といったアトラクションや蹄鉄を装飾するホースシュースタンドのワークショップなどが開催されています。

元競走馬と触れ合える「ノーザンホースパーク」3

しかも見学できる馬には2008年の天皇賞(春)を制したアドマイヤジュピタやダートのG1レースで9勝を飾ったヴァーミリアンなど、社台スタリオンステーションと負けず劣らずの豪華絢爛なメンバーが揃っています。

社台スタリオンステーションから車で約20分程度とアクセスもいいので、2つ一緒に観光することもできますよ。

<編集部コメント>
他の牧場よりも比較的長期間にわたって見学が可能なノーザンホースパーク。家族連れでも楽しめるアクティビティやイベントがあり、丸1日馬とのふれあいを満喫できます。予約サイトから訪問日を指定した前売りチケット(入園)を購入可能です。アクティビティは別料金で、1日中遊びたい方にはお得なアクティビティパスもあります。
夏期の営業期間中の土日祝日には、かつてレースで活躍した、名競走馬たちの様子を牧場スタッフが紹介する「夏期サラブレッドガイド」が開催されます。

ノーザンホースパーク

主な繋養馬
アドマイヤジュピタ、ヴァーミリアンなど
住所
北海道苫小牧市美沢114-7
電話番号
0144-58-2116

個性派が勢ぞろいな「ブリーダーズ・スタリオン・ステーション」

個性派が勢ぞろいな「ブリーダーズ・スタリオン・ステーション」1
コパノリッキーの現役時代(写真:福嶌 弘)

風水で有名なDr.コパさんの所有馬として知られ、ダートのG1レースで最多となる11勝を挙げたコパノリッキーらの個性派スターを多く繋養しているのがブリーダーズ・スタリオン・ステーション。こちらのファームは苫小牧から車で1時間ほど。このあとご紹介する日高地方と苫小牧のちょうど中間にあります。

個性派が勢ぞろいな「ブリーダーズ・スタリオン・ステーション」2

ここは種牡馬たちの見学ができるのはもちろんですが、2001年の香港ヴァーズらを制し、2011年の3冠馬オルフェーヴルの父となったステイゴールドらのお墓もあります。ファンの多い馬だっただけに今でも参拝者が途絶えることなくやってくるそうです。

<編集部コメント>
見学可能な時期および馬、お墓については、「競走馬のふるさと案内所」のホームページでブリーダーズ・スタリオン・ステーションを検索して確認するとよいでしょう。
ブリーダーズ・スタリオン・ステーションでは、2017年菊花賞の勝ち馬キセキ、2019年と2020年の天皇賞(春)を連覇したフィエールマン、ディープインパクトを父に、ドバイマジェスティを母に持つアルアインなども繋養しています。また、2001年の日本ダービーとジャパンカップを制したジャングルポケットのお墓、1995年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された名馬バブルガムフェローのお墓もあります。

ブリーダーズ・スタリオン・ステーション

主な管理馬
コパノリッキー、キセキ、フィエールマン、グローリーヴェイズなど
住所
北海道沙流郡日高町富川東2-972-3

日高方面に足を延ばすなら「競走馬のふるさと案内所」へ行ってみよう

日高方面に足を延ばすなら「競走馬のふるさと案内所」へ行ってみよう1

北海道の中でも特にサラブレッドの牧場が多いのは、日高地方の新冠町や新ひだか町です。苫小牧港フェリーターミナルからは車で太平洋沿いに走ること約90分で到着します。

牧場見学の前に必ず行っておきたいのが北海道には3ヵ所に設置されている「競走馬のふるさと案内所」という施設。日高案内所はそのなかでも特に有名です。

ひとくちに牧場見学と言っても、会場時間や見学におけるルールは牧場によってさまざまで、馬の体調次第では見学不可となることもあります。そのため、詳細を知らないまま牧場に行ってしまい、お目当ての馬に会えずにガッカリ…なんてこともよくある話です。

競走馬のふるさと案内所では、牧場見学のルールやマナーをレクチャーしてくれたり、お目当ての馬がいる牧場を教えてくれたりします。また、ここを経由しないと見学の予約ができない牧場もあるので、一度立ち寄ってみるといいでしょう。

<編集部コメント>
競走馬のふるさと案内所のホームページには、各牧場施設で繋養されている主な馬が見学可能か否かの情報が掲載されており、情報は随時更新されます。馬名または牧場名から検索できるほか、重賞ウイナーズレポートや馬産地ニュース、馬産地コラム、特集ページなど、馬好きな競馬ファンにはたまらない情報が掲載されています。
各牧場・施設のページでは、見学可能な期間や事前連絡の方法、注意事項、在籍する繋養馬情報やお墓情報などを確認できます。
なお、競走馬のふるさと案内所の施設は日高のほかに、北海道内には胆振連絡センターと十勝連絡センターがあります。北海道以外の地域では、東北連絡センター(青森県)、千葉連絡センター(千葉県)、南九州連絡センター(鹿児島県)があります。

競走馬のふるさと日高案内所

住所
北海道日高郡新ひだか町静内神森175-2
電話番号
0146-43-2121

「優駿メモリアルパーク」にはあの名馬のお墓が!

競馬ファンならずとも知っているオグリキャップ。伝説の名馬は2010年に惜しまれつつもこの世を去りましたが、そんなスターホースの記念館やお墓が優駿メモリアルパークにあります。ここでは偉大な名馬の蹄跡をたどることができます。

優駿メモリアルパークのあるエリアは通称「サラブレッド銀座」と呼ばれ、国道235線から山間部までの約8キロの道程に数々の牧場が連なっているので、牧場見学のはしごをすることもできます。

「優駿メモリアルパーク」にはあの名馬のお墓が!1
サラブレッド銀座の風景(写真:PIXTA)

<編集部コメント>
優駿メモリアルパークは、優駿スタリオンステーションの隣接地につくられた施設で、全国のオグリキャップファンからの募金によって建立された等身大の馬像があり、在りし日のその勇姿を後世に伝えています。オグリキャップをはじめ、さまざまな名馬の品を展示した優駿記念館もあり、ここでしか購入できないオリジナルグッズを販売するショップや喫茶メニューが揃うカフェも備えています。
優駿メモリアルパークには、オグリキャップのほかに、ナリタブライアン、ユキノビジン、ロジータ、スエヒロジョウオーといった地元新冠町生まれの馬の馬碑もあり、お参りできます(お参り可能な時期は「競走馬のふるさと案内所」のホームページや「優駿メモリアルパーク」のホームページで要確認)。

優駿メモリアルパーク

住所
北海道新冠郡新冠町字朝日267-3

競馬ファンに愛された怪物・ゴールドシップに会える「ビッグレッドファーム」

愛された怪物・ゴールドシップに会える「ビッグレッドファーム」1
ゴールドシップの現役時代(写真:福嶌 弘)

そんなサラブレッド銀座にある牧場のなかから、まずご紹介するのはビッグレッドファーム。2012年の有馬記念などのG1レースを制しただけでなく、ひとたびレースから離れるとヤンチャなしぐさを見せてファンに愛された“ゴルシ”ことゴールドシップが繋養されています。

愛された怪物・ゴールドシップに会える「ビッグレッドファーム」2

他の牧場とは違って基本的には予約なしで入場できるため、比較的見学しやすい牧場として知られています。牧柵から最大1メートル前まで近づくこともできるため、写真を撮るのにも最適です。

<編集部コメント>
年間通して見学できるビッグレッドファームは、直接訪問可能な牧場です。予告なく見学休止になる場合があるので、問い合わせは「競走馬のふるさと日高案内所」に行ってください。また、見学の際は記帳が必要で、見学可能なのは13:30~15:30(予告なく変更の場合あり)に限られています。ルールを厳守して見学しましょう。
ビッグレッドファームには、ゴールドシップ以外にも、2019年のクイーンエリザベス2世カップなどを制したウインブライト、キタウイングの父でありイタリアやイギリスでも繋養されたディープインパクト産駒のダノンバラードなどもいます。2022年にはイギリス産馬のベンバトルも種牡馬として仲間入り。見学対象馬はこれらの種牡馬のほか、ホッカイドウ競馬に所属しながら中央競馬や海外レースにも挑戦して成績を残した「道営のエース」と称されるコスモバルクです。

ビッグレッドファーム

主な繋養馬
ゴールドシップ、ウインブライトなど
住所
北海道新冠郡新冠町明和
見学の問い合わせ電話番号
競走馬のふるさと日高案内所:0146-43-2121

スピードホースたちが居並ぶ「レックススタッド」

スピードホースたちが居並ぶ「レックススタッド」1
エイシンヒカリの現役時代(写真:福嶌 弘)

こちらもサラブレッド銀座からほど近い牧場、レックススタッド。エイシンフラッシュなど、主に短距離戦線で活躍した馬たちが多く繋養されています。見学の際には数多くの種牡馬が放牧地に出されるため、一度に多くの馬を見られるのがポイント。ほとんどが日本のレースで活躍した馬たちなので、懐かしい名馬に会えるのが魅力です。

見学については、「競走馬のふるさと案内所」ホームページおよび「レックススタッド」公式ホームページを確認しましょう。

<編集部コメント>
北海道日高郡新ひだか町にある桜の名所「二十間道路並木」沿いにあるレックススタッドは、前途有望な産駒を多数の輩出する種馬場です。
エイシンフラッシュ以外でレックススタッドに所属するのは、2008年のアルゼンチン共和国杯で重賞初勝利を挙げ、その3週間後に出馬したジャパンカップでも勝利したスクリーンヒーロー、2017年フェブラリーステークスの勝ち馬となったゴールドドリーム、前人未到の東京大賞典(GIレース)4連覇(2018年~2021年)を誇るオメガパフュームなど、記憶に残る名馬たち。第83代日本ダービー馬のマカヒキも2023年から種牡馬として管理されています。

レックススタッド

主な繋養馬
ゴールドドリーム、エイシンフラッシュなど
住所
北海道日高郡新ひだか町静内目名491-2

苫小牧は牧場めぐりのスタート地点にうってつけです

「さんふらわあ」のフェリーターミナルがある苫小牧周辺には、かつてターフを沸かせた元競走馬が繋養されている牧場が多くあることがわかっていただけたと思います。雄大な北海道らしい牧場風景と名勝負を演じた記憶に残る名馬たち。「さんふらわあ」を利用してぜひ会いに行ってみてはいかがでしょう。
また、苫小牧のフェリーターミナル周辺には、いろいろな観光スポットがあります。名馬とふれあう旅の合間に、少し覗いてみてください。「さんふらわあ」の船員がおすすめする苫小牧の観光スポットを、動画でご紹介しています。

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