「カジュアルクルーズ さんふらわあ」Webマガジン編集部の天野です。最近、皆さんは旅に出かけていますか? 僕はかねてから計画していたフェリー旅を実行すべく、連休を利用して大阪南港から「さんふらわあ さつま」に乗船。鹿児島県志布志でソロキャンプを満喫してきました。
※最新の営業状況については、各店舗・施設ホームページ等にてご確認ください。
大阪と鹿児島県志布志を結ぶ大型フェリー「さんふらわあ さつま」は、同じ航路を走る姉妹船「さんふらわあ きりしま」とともに、多くの人に愛されながら航海を続けています。2018年に新造船が就航し、船内施設が一新されて、よりカジュアルで、居心地のよい船旅が楽しめるようになりました。出航の合図である大きな銅鑼(どら)が鳴り、一路、鹿児島へ。
僕がフェリー旅の宿(客室)として選んだのは、プライベートベッドというタイプ。シングル利用向けの2段ベッドです。身長175cmの僕が横たわっても窮屈な感じもせず、快適に過ごせる広さ。カーテンもついているので、他の人の視線を気にせずプライベートな時間をしっかり確保できます。居住スペースに体と荷物がピッタリ収まって、秘密基地にいるような安心感とワクワクした気分。明るく清潔感があり、船旅をしていることを忘れてしまうほど心地よい空間にはびっくりです。テレビも備わっているので、退屈することもなさそう。
とはいえ、せっかくのフェリー旅。お腹も減ってきたので、船内のレストランへ向かいます。どんなメニューが待っているのか楽しみなあまり、歩くスピードもついつい速まってしまいます。
今回、乗船した「さんふらわあ さつま」では、夕食、朝食ともにバイキング形式になっていました。カレーなどの定番メニューはもちろん、新鮮野菜のサラダから寄港地である九州や関西の名物料理まで、お子様から大人まで食事を楽しめるよう、とにかく豊富なラインアップです。美味しそうなメニューが次々と目に飛び込んでくるので、あれもこれもと料理を取る手が止まりません。腹ペコだったとはいえ、どれも美味しそうであっという間にトレーの上がいっぱいになってしまいました。
なかでもおすすめだったのは、大分の郷土料理として知られる「りゅうきゅう」。今回はカンパチでしたが、アジやサバ、ブリなどの新鮮な魚の切り身を醤油やみりん、生姜などに漬けたもので、もともとは“漁師メシ”だったそう。漁師たちがこよなく愛する「りゅうきゅう」を海の上で食べるのは、感慨深いものがあります。フェリーで海上を走りながら、郷土料理を食べているうちに、鹿児島でのソロキャンプへの期待がますます膨らんできました。
ちなみに、レストランで提供されているビーフカレーは「さんふらわあ」のオリジナル。お客さまのご要望にお応えして、2019年春にお子さまでも食べられる甘口「マイルド」が発売されました。船内ショップで販売されている人気のレトルトタイプは、旅の思い出にと、オリジナルグッズなどと一緒にお土産にする方も多くいるのだとか。ソロキャンプを楽しむ僕にとっても有難い限り。キャンプ用の食材として、よいお土産ができました。
胃袋を満たした後は、船内の展望大浴場で疲れを癒します。ロッカーに貴重品を預けたら、いざ入浴。大きな浴槽の横一面にしつらえられた大窓の先には、星空が広がっていました。
湯上りには太平洋の大海原を望みながらマッサージチェアで至福のひととき。日頃、デスクワークで凝り固まった体をほぐし、キャンプに向けて体調は万全です。
大浴場ですっきり、さっぱりした後は、船内の散策。吹き抜けのエントランスホール内にあるアトリウムでは、美しいプロジェクションマッピング映像や演奏会の音楽を楽しんで、充実した時間を過ごせました(※取材した2019年当時の船内イベントです。イベント内容は随時変更されます)。
明朝には志布志に到着する「さんふらわあ さつま」。ベッドにもぐり込み、深い眠りにつきました。
鹿児島県の志布志港に到着して、僕が目指したのは志布志市の隣町、大崎町にある『くにの松原キャンプ場』。フェリー乗り場から車で約20分の同町は大隅半島の根元あたりに位置し、山と海に囲まれ、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれた地域です。特筆すべきは「白砂青松100選(社団法人・日本の松の緑を守る会)」にも選ばれた景勝地にあること。
キャンプ場は志布志湾に沿った約7キロにもおよぶ松林の林間にあり、日南海岸国定公園の一部にも指定されています。実はウミガメが産卵にやってくる場所としても有名で、人気のあるスポットです。
心地よい海風と美しい松林に囲まれた『くにの松原キャンプ場』は、バンガローやフリーキャンプサイト、オートキャンプサイトなどを利用できます。キャンプ場内のトイレはすべて温水便座のウォシュレットで、トイレの一つひとつに消臭・洗浄スプレーが設置されており、キレイ好きな人にも嬉しいですね。キャンプ場内はフリーWi-Fiも整備されているので、いざという時でも安心です。
フェリーターミナルからキャンプ場に向かう途中やキャンプ場の近くには、スーパーマーケットやコンビニ、地元の精肉店が複数あり、キャンプ飯の食材やお酒の買い出し、雑貨類の購入にも便利。極力荷物を少なくしたい、僕のようなソロキャンパーにもちょうどよい、気軽に泊まれるキャンプ場です。
子どもから大人まで遊べるアスレチック風の遊具やレジャープール設備も併設されているのでアクティビティも楽しめます。さらに、近くの海岸や川には釣りや潮干狩りの穴場がたくさんあるのだとか。早起きすれば海からのぼる朝日を見ることもできるので、家族旅行にもぴったり。
フェリーターミナルの近くにある「若潮酒造」やキャンプ場近くの「新平酒造」では、蔵見学や直売所での試飲もできるので、焼酎好きな方にもおすすめです。
近隣の道の駅では、地元の農産物やお土産が買える物産館に、温泉施設が併設されています。温泉で汗を流してから、爽快な気分でキャンプを楽しむことができます。
キャンプ場周辺の素晴らしい景色、そして温泉でまったり。すっかりくつろいだ後は、お楽しみの夕飯タイムです。
志布志市は宮崎県と隣接しているということもあって、新鮮な牛肉を手ごろな価格で購入することができます。キャンプ場に向かう途中のスーパーで、僕は迷わず宮崎牛を選びました。キャンプ飯ですから、今回は豪快に炭火焼きでいきましょう!和牛の焼ける音、立ちのぼるスパイスと脂の香り。これだけでもお酒が楽しめそうです。
焼き上がった宮崎牛にかぶりつくと、肉汁があふれます。普通に焼くだけでも美味しい宮崎牛を炭火で焼いて、解放感のあるアウトドアでいただく。もう、格別の美味しさ。箸が止まりませんでした。
食後は、キャンプ場の展望台へ。木の櫓を上っていくと、漆黒の空にキラキラと輝くたくさんの星々が出迎えてくれました。あたりに照明が少なく闇が深いので、一つひとつの星がはっきりと見えます。
そよぐ潮風、耳をくすぐる波の音。都会の喧騒を忘れて非日常の時間を満喫した、自由気ままなフェリーとキャンプの旅。なんだかとても得した気分です。皆さんもぜひ「フェリーからはじまる旅」を楽しんでみては?本当に充実した、とっておきの一人旅でした!
▼キャンプ場の雰囲気は以下の動画にて紹介!
くにの松原キャンプ場
- 住所
- 〒899-7303 鹿児島県曽於郡大崎町益丸226-1
- 電話番号
- 099-476-3611
- FAX
- 099-476-3622
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