もくじ

北海道には洞爺湖や摩周湖、サロマ湖など、有名な湖がいくつもあります。苫小牧からほど近い支笏湖もそのひとつです。
そして、苫小牧市内にも「ウトナイ湖」という湖があります。多くの野鳥や動植物が生息し、2020年に明治時代以来のタンチョウの繁殖が確認されたウトナイ湖の魅力と、隣接する地元のグルメやお土産がそろう「道の駅 ウトナイ湖」についてご紹介しましょう。

※最新の営業状況については、各店舗・施設ホームページ等にてご確認ください。

 

130年ぶりにタンチョウの繁殖も確認された絶好のバードウォッチングエリア「ウトナイ湖」

「さんふらわあ」が寄港する苫小牧港からウトナイ湖までは、国道36号線を通って車で25分ほど。乗船前・後に立ち寄りやすい場所にあります。
公益財団法人「日本野鳥の会」が1981年に日本初の鳥を主とする野生動物の保護区(バードサンクチュアリ)に指定したウトナイ湖。かつて日本最大の湿原だった「釧路湿原」に匹敵する広さを誇るこの湖の周辺は、キツツキ、ノゴマ、キビタキ、シマエナガ、オジロワシ、オオワシなど、現在までに270種以上もの野鳥が観察され、まさに“野鳥の楽園”。ラムサール条約登録湿地でもあり、生息する動植物の保全が推進されています。毎年秋になると、オオハクチョウやコハクチョウ、ヒシクイ、マガンなどが集団渡来。渡り鳥にとって、越冬するための重要な中継地です。
さらに、2020年の5月にはタンチョウの親子も確認されました。ウトナイ湖を含む勇払原野一帯でタンチョウの繁殖記録が残っているのは明治時代前半のものが最後だったので、およそ130年ぶりの繁殖確認となります。バードウォッチャーに、今最も注目されているおすすめの野鳥観察・撮影エリアです。

ウトナイ湖は、上空から見ると北海道の形に似ていることでも知られています。
また、ウトナイ湖にはケガをして長距離の飛行が難しいオオハクチョウが10数羽住みついていて、季節を問わず1年中見られます。本来は警戒心が強いため30mほど離れなければ観察できないオオハクチョウですが、人に慣れた数羽は3-4mまで近づいて、間近に見ることができます。

翼をケガしたハクチョウ。

保護・保全のため、あえてケガの治療をしたり、エサをあげたりはしないとのこと。エサとなる藻は、湖底に十分あるそうです。

「鳥の目線」から野鳥たちの楽園を一望できる展望台

2019年3月に、3階建ての展望台がオープン。地上17mの屋上からは、野鳥たちと同じ目線でウトナイ湖を一望できるほか、苫小牧市街地、天気が良ければ日高山脈などの山々まで360度のパノラマが見渡せます。

展望台屋上から見たウトナイ湖。
2階キッズスペース。奥に授乳室があります。

「道の駅 ウトナイ湖」の駅長・西村宏基さんのお話によると、ウトナイ湖には毎年10月上旬~中旬くらいにハクチョウ(オオハクチョウのほか、コブハクチョウ、コハクチョウの3種類)が飛来し、湖を飛び交う群れが見られるとのこと。展望台は夜間施錠されますが、施錠のために屋上に上がると、湖を渡るエゾシカの姿を見かけることもあるそう。ウトナイ湖の水深は60cmほどなので、悠々と歩けるのです。
展望台の2階には小さな子どもが遊べるキッズスペースや授乳室もあります。室内からガラス越しに野鳥を観察できるよう、双眼鏡が用意されているので、天気が悪い日や寒い日でも安心。もちろんエレベーター完備(3階まで。3階から屋上へは階段)です。

インスタ映えする大人気メニュー「ほっきシーフードカレー」は必食

「道の駅 ウトナイ湖」には、地元の農産物やお土産物のほか、苫小牧のご当地グルメもそろっています。

苫小牧で獲れるホッキ貝のほか、北海道名産の魚介が具材に入った「ほっきシーフードカレー」は、「ラポ・ラポラ食堂」で一番の人気メニュー。北海道の形に盛られたライスが特徴的です。カレーは別添えなので、インスタ映えする盛り付けが自分でできます。こちらの記事こちらの記事でご紹介したノーザンホースパークの料理長が監修したレシピ(ホッキ・ホタテ・アサリ・エビ・イカの5種類の魚介入り)で、本格スパイシーな味が楽しめます。

店頭にある苫小牧市公式キャラクター「とまチョップ」の石像。頭を3回なでるといいことがある!かも?

乗船券を見せるだけで「海鮮パーク」の全メニューが割引に!

「道の駅 ウトナイ湖」では、さんふらわあ乗船者にうれしい特典があります。北海道の海の幸を使った寿司や丼ものなどが食べられる「海鮮パーク」で、さんふらわあの乗船券を提示すると、名物の「かに玉丼」や「苫小牧ほっき貝ちらし」など全商品が5%割引(※)で購入できるのです。地元の人たちから親しみを込めて“かにおやじ”と呼ばれる店主がつくる絶品メニューを、お得に味わえます。テイクアウトできるのも、うれしいポイント。
すべてのメニューが5%割引になるので、売り切れ必至の「サーモンいくら丼」やズワイガニ100%の「かにいくら弁当」なども要チェックです。さんふらわあ乗船者だけの期間限定特典なので、ぜひ活用しましょう!
(※)他割引との併用不可。現金での支払いのみ。

地元特産物の販売で、地震からの復興を応援

2018年9月6日、北海道胆振の東部地方に大きな地震が発生しました。苫小牧市に隣接する厚真町で最大震度7、安平町やむかわ町で最大震度6強、苫小牧市でも最大震度5強を計測。広範囲に土砂崩れが起こり、特産のハスカップなどの農作物にも大きな被害が及びました。

地震から月日が流れた2022年現在、厚真町ではおよそ100軒の農家がハスカップを栽培し、作付面積日本一を誇っています。胆振東部地震の発生当時は、厚真町全体のおよそ4分の1のハスカップ畑が土砂に埋まる影響がありましたが、新たな苗木を植えて復興を進めています。「道の駅 ウトナイ湖」も、少しでも復興の力になればという思いから、ジャムや炭酸ドリンク、飲むヨーグルト、ジェラートなどハスカップを使ったさまざまな商品を販売しています。

「さんふらわあ下船後は、ぜひウトナイ湖へお越しください」と、道の駅・駅長の西村宏基さん。

「おすすめ道産酒コーナー」では、むかわ町『彩』、厚真町『あつま川』、安平町産の日本酒『あびら川』と焼酎『馬歯酒』に苫小牧限定酒『美苫』が勢ぞろい。近隣の銘酒5本が一緒に販売されているのはここ「道の駅 ウトナイ湖」だけとのこと(西村さん談)。

『あつま川』を購入しましたが、米の旨みと香りがしっかりと感じられ、すっきりした甘さがほのかに漂い、飲みごたえのある純米大吟醸でした。

苫小牧名物「ダブルカレー」がご自宅でカンタンに。道の駅限定のお土産が勢ぞろい!

苫小牧のあちらこちらで食べられる名物「ほっきカレー」は、レトルトパックも販売中。お土産として購入できます。また、地元のラーメン店「味の大王」が1965年に売り出した「カレーラーメン」も苫小牧のご当地グルメ。「道の駅 ウトナイ湖」から車ですぐのところに総本店があり、2018年の『全国ご当地カレーグランプリ』で優勝した折り紙つきです。その「味の大王」が監修したインスタントのカレーラーメンも販売していて、自宅でも苫小牧の「ダブルカレー」が味わえます。

お土産に購入したレトルトの「ほっきカレー」。弾力のあるホッキの食感がたまらない。

インスタントながら麺とスープを別鍋でつくる本格的な「カレーラーメン」。もっちりした中太麺と、スパイシーでトロリとしたカレースープの相性は抜群です。

そのほかにも、「道の駅 ウトナイ湖」限定のアイテムが60種類ほどあるそう。ここだけでしか手に入らない雪の妖精「シマエナガ」のグッズや白鳥まんじゅうは、道外はもちろん道内からの観光客にも好評とのこと。農水産物の直売もあるので、地元に住む方々も新鮮な食材を求めて大勢訪れます。

なお、2022年11月24日~2023年3月中旬(予定)の間、「道の駅 ウトナイ湖」はリニューアル工事のため一時閉館となります(展望台はすでに閉館中)。閉館中の期間は、屋外販売店が出店します。また工事の都合上、2022年11月30日までの期間、ウトナイ湖畔に出るためにはウトナイ湖野生鳥獣保護センターを迂回する必要があります。
2023年3月のリニューアルオープン時には、館内からウトナイ湖が広々と見渡せる開放的な空間に生まれ変わります。自然豊かなウトナイ湖に生息する野鳥・野生動物の姿をより観察・撮影しやすくなるほか、新しく配置換えされた店舗や最新のデジタルサイネージが設けられてさらに利便性の高い施設となりますので、ご期待ください。

「道の駅 ウトナイ湖」から少し離れた湖畔にある公益財団法人「日本野鳥の会」が運営・管理する「ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンター」は、本格的なバードウォッチングをする方はもちろん、これから野鳥観察を趣味にしたいと考えている方にとって頼りになる施設。道の駅がリニューアル工事中も開館しているので足を運んでみてはいかがでしょうか。日本野鳥の会のレンジャーが常駐していて、イベントも随時実施中。ウトナイ湖に生息する野鳥・野生動物の情報や絶好の観察・撮影スポットを詳しく教えてくれます。

苫小牧に来たら、ぜひウトナイ湖を訪れてみてください。四季を通じてさまざまな野鳥の姿が見られるほか、地元色たっぷりのお土産物が見つかるはず。子どもから大人まで十分楽しめるスポットですよ。

道の駅 ウトナイ湖

住所
北海道苫小牧市植苗156-30
アクセス
苫小牧港から車で約25分
電話
0144-58-4137
営業時間
9:00~18:00(3月~10月)
※5月1日~5月6日・8月10日~8月15日は19:00まで
9:00~17:00(11月~2月)
休日:12月31日~1月2日
「さんふらわあ」で苫小牧についたら、
お得な特典がある
バードウォッチングの聖地・ウトナイ湖へ行こう!
首都圏~北海道航路「さんふらわあ」はこちら
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