第1回 花形航路の面影を今に残す「別府港」を徹底ガイドアイキャッチ

港と港をつなぐフェリーの旅。「さんふらわあ」が発着する各地の港を巡る連載企画、第一弾は九州・別府の『別府港』です。
※本記事の内容は取材当時(2019年4月)のものです。

弾丸フェリー(弾丸割引)」で別府・大分を1日で遊びたい人も活用できるスポットをご紹介しましょう。
※最新の営業状況については、各店舗・施設ホームページ等にてご確認ください。

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大阪と別府を結ぶ「さんふらわあ あいぼり」「さんふらわあ こばると」が発着する「別府港」は、大分県別府市の中心街からほど近い別府湾に面した大分県の「重要港湾」です。世界有数の温泉地として知られる別府市の海の玄関口は、大阪、四国、広島などを結ぶフェリーが往来し、関西の海の大動脈として発展してきました。

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昭和26年の開港以来たくさんの観光汽船に利用され、近年では海外からの観光誘致にも積極的で、中国の大型客船が入港することもありました。

なかでも、国道10号線に沿った港湾施設は、「別府国際観光港」と呼ばれ、大阪行きの「さんふらわあ」のりばもそこに位置します。敷地内ではフリーマーケットなどのイベントも開催され、地域のコミュニティとしても活用されています。

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別府港のランドマークとも言える「さんふらわあ」のりばは、1階正面に総合窓口が設けられ、乗船に関する相談やチケットの予約などができます。

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施設内1階には、待合室やお土産物屋さん、ゲームコーナー、そして「さんふらわあ」の変遷を展示した歴史館も併設しています。また、入口前には乗船記念の撮影台が設置されています。旅の思い出に、とりあえず一枚パチリ!

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総合窓口の左側には、お土産物屋さん「メイフラワー」があります。こちらには、九州大分の名産品が店内にところ狭しと並べられています。

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大分の焼酎や地酒が豊富に揃っています。地元の和菓子や洋菓子などのお土産を買うも良し、ご当地のおつまみなど船内でのお楽しみを買い漁るのも楽しいですね。

柚子やかぼすをアレンジした調味料なんかも気になりますね。もちろんテッパン土産の「ざびえる」、「瑠異沙」、「とり天せんべい」なんかも売っています。

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総合窓口の前には、暇をもてあます子供のために、ちょっとしたゲームコーナーもあります。

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1階入口正面にある「さんふらわあ歴史館」には、歴代「さんふらわあ」のモデルシップが展示され、その歩みを見ることができます。パパさんママさんも、子供の頃に乗っていた昭和時代の「さんふらわあ」を見れば、懐かしい気持ちになるでしょう。

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施設前のバスのりばには、別府駅、亀川駅、由布院駅などへと向かうバスが停まります。別府駅、亀川駅方面行きは1時間に2〜4本、由布院駅行きは1時間に1本の間隔で運行されています。

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観光案内図を見ると、大分の主要観光地との位置関係が良くわかります。バスを使わず徒歩でも、ちょっとした観光を楽しむこともできるので、実際に歩きながら港周辺をご紹介しましょう。
 

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まず、別府港の「さんふらわあ」のりばから、南へ徒歩5分ほどの場所にある「別府交通センター」は、地元の名産品をたくさん取り揃えている観光案内所です。フェリーに乗る前のお土産探しには重宝しそうです。

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館内には広大なお土産コーナーが広がり、大分の特産品はほとんどここで揃うのではないかというくらいのスケールです。レストランも併設され、だんご汁やとり天など大分の郷土料理を味わうこともできます。1階にある「竹のレストランちくし」は朝8:00から営業しています。

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フェリーのりばから5分ほど歩けば、国道10号線に出ます。目の前の「フェリー入口交差点」を起点に、別府駅まで3kmほど、鉄輪温泉まで3.5kmほどと、歩けない距離ではありません。また、別府大学方面へ1.2kmほど歩くと、別府海浜砂湯があります。大阪からの便が着いてから、国道10号線沿いのカフェで朝食でも食べて、砂湯の朝風呂なんてコースもオススメです。

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フェリー入口交差点から50mほど、国道10号線沿いで一番近い朝食が食べられるお店がベイカリーカフェの「cram」。地元で人気のイートインスペースのあるパン屋さんには朝7時からできたてのサンドやデニッシュが並びます。

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フェリー入口交差点から北へ500mほど歩くと、別府と阿蘇を結ぶ九州縦貫道路、通称「やまなみハイウェイ」の入口地点に。

ここから別府八湯を代表する昔ながらの温泉街と地獄めぐりなどで有名な鉄輪温泉までは3kmほど、歩いて行けなくもありません。ちなみに筆者は試しに徒歩で鉄輪温泉まで行ってみましたが、30分ほどで着きました。

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やまなみハイウェイ入口近くには、24時間営業の温泉「かっぱの湯」があります。自然湯100%、休憩や仮眠のできるスペースがあり、朝風呂利用にも最適です。

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フェリー入口交差点から北へ1kmほどは、海沿いの遊歩道が続いています。朝日を浴びながらのウォーキングには最適です。

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ちょうどウォーキングコースの看板がありました。この先の「別府海浜砂湯」を経由して1kmほどのコース設定です。運動不足の方はぜひ。

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フェリー入口交差点からちょうど1kmほどで、「別府海浜砂湯」に到着。8:30〜18:00の営業(12月〜2月は9:00〜17:00)なので、フェリーが着いてから歩いてくるとオープンまで少し時間が余ります。

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そこで、砂湯の横にある足湯でほっこり。ウォーキングで疲れた足を癒やしましょう。海を眺めながらの足湯はとても気持ちいいですよ。

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それでもまだ時間が余ったら、入湯記念パネルの前で記念撮影を。昭和テイストの看板がステキです。

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筆者も砂湯を体験。程良い重み、砂の温かみ、耳に心地よい波の音。これは一度体験して欲しいです。普通の温泉とは違う、不思議なリラクゼーションが感じられることでしょう。砂まみれになった後は、シャワーと温泉ですっきりリフレッシュ。次の目的地へ移動です。

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別府海浜砂湯の前には、別府駅行きのバスが停まる六勝園・別府海浜砂湯前バス停が。ここからバスに乗れば15分ほどで別府駅に到着します。徒歩で行くのもいいけど…公共交通の誘惑に負けてしまいました。

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別府市の観光拠点となる別府駅前には、たくさんのお店や立ち寄り温泉が点在しています。また、JR日豊本線を南へ移動すれば大分駅を経由して由布院へ行けます。

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駅東口には、別府の基礎を築いたと伝えられる油屋熊八の像が。ラグビージャージを着ているのは、大分スポーツ公園総合競技場が試合会場となるラグビーワールドカップ2019を盛り上げるためとか。今年の9月下旬から準々決勝を含む5試合が行われます。試合の観戦や応援にはぜひ「さんふらわあ」をご利用ください(笑)!

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別府駅から東へ徒歩2分ほどにある「駅前高等温泉」は、大正浪漫を感じさせるモダンな建物が目印。ぬる湯とあつ湯があり、各200円。朝6:00〜夜24:00まで営業しています。

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別府駅から南へ5分にある「不老泉」は明治から続く歴史ある温泉。観光客の増加にともなって明治と大正に改装をおこない、昭和32年には鉄筋コンクリート3階建てに改築。さらに平成26年のリニューアルではバリアフリー化されています。こちらも、ぬる湯とあつ湯が選べます。営業は6:30〜22:30、入浴料は100円です。

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明治12年から続くという「竹瓦温泉」は、別府駅から駅前通りを東南へ10分ほど。元々は竹屋根葺きだった建物が、その後の改築で瓦葺きになったため、竹瓦温泉の名称がついたと伝えられているそうです。昭和13年に建てられた唐破風造りの外観は、別府温泉のシンボル的存在として多くの観光客が訪れています。

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せっかくなので、最後に別府駅近くのご当地グルメを一軒ご紹介しましょう。こちらは別府冷麺の有名店「六盛」。別府冷麺とは、戦後に旧満州から引き揚げてきた料理人が、朝鮮の冷麺をモチーフに作ったのが始まりと言われている、別府のソウルフードです。

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そば粉と小麦粉を独自配合した自家製手延べ麺は、コシがあって喉越しの良さも特徴的。近所の老舗昆布屋さんから仕入れた利尻産×羅臼産の昆布でとった出汁に、牛骨スープをあわせたWスープがあっさりながら後ひく旨さ。別府へ行った際には、是非味わって欲しい一杯です。

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観光港を謳うだけあって、別府港の周辺には魅力的なスポットがたくさんあります。フェリーのりばからはバスにも乗れますし、すぐ近くにレンタカーショップも点在しています。徒歩でも十分観光が楽しめますから、着の身着のままでフェリーに乗って出かける旅も良いかもしれませんね。
現在、別府港では大分県が中心となって再開発の検討が進んでいます。九州の海の玄関口として施設の利便性向上やさらなるアクセス改善が図られる日もそう遠くはなさそうです。発展する別府港に期待しましょう!

魅力一杯の別府港を、
乗船前・下船後にぶらり散歩してみては?
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