もくじ
大阪南港の「さんふらわあターミナル(大阪)第2ターミナル」を出港した「さんふらわあ」が到着する鹿児島県の志布志港。志布志はサイクリングに適した道が多く、志布志港フェリーターミナルでもレンタサイクルを借りられます。
今回、編集部スタッフが実際に自転車を漕いで、志布志のおすすめ観光スポットや地元の方に人気のグルメスポットなどを1日かけて巡りました。徒歩乗船の「弾丸フェリー🄬(弾丸割引)」をご利用の方だけではなく、自転車乗船される方にも参考にしていただける、実録レポートです!
※取材は2022年4月に行いました。
※最新の営業状況については、各店舗・施設ホームページ等にてご確認ください。
≫【志布志港】レンタサイクルのご案内 ※関西~九州航路「さんふらわあ」のWebサイトへ移動します。
志布志港に到着したら、すぐに電動アシスト付き自転車をレンタル
とある木曜日の夕方、編集部スタッフは大阪南港で「さんふらわあ」に乗船し、翌金曜日の朝8時55分に志布志港に到着しました。フェリーターミナルのコインロッカーに重たい荷物を預け、身軽なリュックスタイルでレンタサイクルの受付場所に向かいます。
志布志港のレンタサイクルを借りるには、事前に運営会社の中川運輸さんへ電話予約をしておく必要があります。受付場所で住所や氏名など必要事項を記入し、自転車を借ります。
今回借りたのはスポーツタイプ。1日借りて2,000円(税込)です。シティサイクルタイプなら1,500円(税込)ですが、体力に自信のない編集部スタッフは、ギア付きのスポーツタイプを選んだのでした。
それでは、志布志サイクリングの旅のスタートです!
志布志港フェリーターミナル・レンタサイクル
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町志布志3292
- 電話番号
- 099-472-2811(中川運輸)
- 予約
- フェリー乗船日の3ヶ月前から電話受付(「さんふらわあ」利用の場合、乗船当日15時まで予約可能)
※台数に限りがあります。
- レンタル時間
- 月~金:9:00~17:00、土:9:00~17:30、日:9:30~16:00
- レンタル料金(1台1日あたり)
- 電動アシスト付き自転車/シティサイクルタイプ:1,500円(税込)、スポーツタイプ:2,000円(税込)
※自転車損害賠償責任保険完備。
- 定休日
- なし
志布志港からJR志布志駅方面へ進み、最初の目的地に向かいます。途中に、志布志鉄道記念公園がありました。C58蒸気機関車などが展示されています。
朝からラーメンが志布志スタイル?!鹿児島だけでなく、世界からも愛されるマルチョンラーメン
志布志港から自転車を漕ぐこと約10分。最初に向かったのは「マルチョンラーメン志布志本店」です。こちらのお店は、朝7時から営業しているので、「朝ラー」で腹ごしらえです。マルチョンラーメンのメニューはラーメンのみ!サイズは中・大・スペシャルから選べます。今回は「中」をいただきます!
中太ストレートの自家製麺は、厳選素材から低加水でつくられているそう。ツルツルシコシコの食感です。トッピングは、チャーシュー、もやし、ネギとシンプル。スープはもちろんとんこつ。見た目ほど脂っこくなくマイルドで、しつこくないのでゴクゴク飲めます。麵との相性抜群です。
チャーシューは味がしっかりしており、噛むほどにまろやかな旨味が口の中に広がります。そして、シャキシャキ食感のもやしがいい仕事をしてくれます。
ラーメンを食べている間に、何人もの方が「持ち帰りラーメン」を購入しに来られていました。ここ志布志では、マルチョンラーメンは自宅でも食する定番ソウルフードなのです。
スープまで飲み干し、店舗を後にしました。ごちそうさまでした!
マルチョンラーメン志布志本店
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町志布志2-8-41
- 電話番号
- 0994-72-0576
- 営業時間
- 月~金:7:00~17:00、土・日:7:00~18:00
- 定休日
- 木曜日(木曜日が祝祭日の場合は営業)
静ひつな佇まいの歴史ある寺院・大慈寺
朝ラーでお腹を満たしたら、マルチョンラーメン志布志本店からすぐ、道をはさんで裏手の樹々が生い茂る中に佇む「大慈寺」に伺います。
門前に立つ金剛力士像を拝み石段を上がると、歴史を感じる趣深い本堂があります。
室町時代の1340年に創建され、1869年(明治2年)に廃仏毀釈によって一度廃寺となりましたが、1879年(明治12年)に旧大慈寺宝地庵跡に再興された歴史ある寺院です。江戸時代の盛時には学問の拠点として、100名以上の僧侶が学ぶような国内屈指の禅宗寺院だったそうで、明治期の偉人・西郷隆盛や大久保利通との関わりも深い寺院です。
大慈寺(だいじじ)
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町志布志2-1-19
- 電話番号
- 099-472-2224(志布志市総合観光案内所)
ここからは、西へ向かってしばらく自転車を漕ぎます。国道448号を走り、途中で右折し、大隅グリーンロードと呼ばれる道をひた走り目指すのは、平成名水百選に認定されている普現堂湧水源です。
意外とアップダウンを繰り返す道のりで、電動アシスト付き自転車とはいえ20分以上漕ぎ続けるとちょっと疲れが。普現堂湧水源は、休憩するのにちょうどいい場所です。
シラス台地からこんこんと湧き出るきれいな冷泉・普現堂湧水源
菱田川を越え、しばらくすると「蓬の郷(よもぎのさと)」と並んで「普現堂湧水源」の看板が見えてきます。蓬の郷の先に「親水公園」として整備された普現堂湧水源があります。
散歩しやすい遊歩道が配され、田舎の原風景を想わせる水車が設けられていて、心が落ち着きます。時期的に花壇にはチューリップなどの春の花が、園内にはいくつか植えられている桜の花が咲いていました。
湧水源は園内の一番奥。透明度が高くとてもきれいな水です。湧き出た水は、上池・中池・下池と3つの池に流れていきます。
ちなみに、隣にある蓬の郷は温浴施設で、お風呂には普現堂湧水源の水が利用されているそうです。時間があればひと汗流していきたいところです。
普現堂湧水源(ふげんどうゆうすいげん)
- 住所
- 鹿児島県志布志市有明町蓬原351-3
- 電話番号
- 099-472-2224(志布志市総合観光案内所)
お茶のおいしさに感激!茶音の蔵でお茶を使った料理のコースランチに舌鼓
鹿児島県は、国内有数のお茶の産地として知られています。鹿児島のお茶といえば知覧茶が有名ですが、ここ志布志市もお茶どころなのです。自転車を走らせていると、いくつもの美しい茶畑に遭遇しました。
そして今回、ランチの場所として選んだのが、志布志に本社を置くお茶会社「鹿児島堀口製茶/和香園」が経営するレストラン「茶音の蔵」。木のぬくもりが感じられる店内でお茶づくしのランチが食べられる、地元でも人気のお店です。
店内入ると、落ちついた雰囲気の2階の個室に案内されました。和洋折衷の上品な室内でいただくランチは「茶音 雅」という3,300円(税込)のコース。せっかくなので、奮発して贅沢な「食べるお茶文化」を満喫します。
最初に登場したのは、和香園のウーロン紅茶を果実と炭酸で割った「ウーロン紅茶スパークリング」(ノンアルコール)。炭酸が爽やかにはじける、ほんのり甘い周年記念の食前茶です。その後、ちょうどいいタイミングで一皿ずつ料理が提供されます。いずれも職人の丁寧な仕事が施してあり、見た目にも美しくておいしい料理ばかり。
あらびき茶の餡がかかった豆腐、緑茶の風味が鼻に抜ける茶そば、ほうじ茶の香ばしさと優しい苦みが甘さを引き立てる和ティラミスなど、お茶のおいしさを活かしたコース料理に大満足しました。
心地よい空間の中でおいしいランチを食べた後は、隣にある和香園の原田本店に立ち寄ります。
店内では、自社の茶畑で摘まれた茶葉からつくられたさまざまな種類のお茶が販売されています。試飲できるお茶もあるので、お好みのお茶を探してみましょう。また、あらびき茶のソフトクリームなども購入できます。
自分へのお土産として、人気の深蒸し茶「緑茶伝説 匠」と、急須がなくても淹れられる粉末状の「あらびき玄米茶」を購入。「緑茶伝説 匠」は、鹿児島茶ならではのコクのある味わい。茶葉の香りが感じられました。「あらびき玄米茶」は、香ばしさとお茶本来の風味を存分に味わえました。茶葉が持つさまざまな成分をそのまま体に摂り入れられるので、日々不摂生な生活を送っている編集部スタッフにピッタリです。
茶音の蔵(さおんのくら)
- 住所
- 鹿児島県志布志市有明町原田1203-7(和香園原田本店敷地内)
- 電話番号
- 0120-464-300(予約)
- 予約受付時間
- 8:00~18:00 完全予約制(1日前までに要予約)
- 営業時間
- 11:30~15:30(15:00 L.O.)
- 定休日
- 月曜日、第3火曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌日休)
腹ごなしも兼ねて、ちょっと長めの自転車ライド。曽於(そお)街道を北へ進み、大隅グリーンロードとの交差点で東へ進んで来た道を戻り、志布志駅のさらに東側にある宝満寺までペダルを漕ぎます。約14Kmの道のりです。
桜や紅葉など季節によって趣のある風景を楽しめる宝満寺跡
和香園原田本店から1時間ほどかけて、宝満寺跡(宝満寺公園)に到着です。
宝満寺は、奈良時代の神亀(724~729年)に建立されたと伝えられている古刹。現在は公園として周囲が整備されています。
1936年に再興された観音堂は、小さいながらも荘厳な佇まい。安産にご利益があることから、戌の日には多くの方が安産祈願に訪れるそうです。
住宅街にありながら、野趣あふれた岩壁が印象的。岩肌には洞穴があり、かつては中に神仏が祀られていました。現在は崖崩れや倒木の恐れがあり、立ち入ることはできません(神仏も移されています)。
霊験あらたかな雰囲気があり、パワーを感じる場所でした。
宝満寺跡(ほうまんじあと)
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町帖6537
- 電話番号
- 099-472-0724
自分だけのオリジナルブレンド焼酎がつくれる若潮酒造
いよいよ最後の訪問地、志布志に根ざした焼酎造りを行う若潮酒造です。蔵元直売所があるほか、酒蔵見学(千刻蔵見学)や焼酎のブレンド体験ができます。
早速、スタッフの方に案内されて千刻蔵見学(無料・約20分)のスタートです。
千刻蔵では、かめ壺で仕込み、木樽蒸留という昔ながらの伝統の技を継承した製法で焼酎がつくられています。木樽蒸留を行っている酒蔵は、鹿児島県内では数えるほどしかなく、若潮酒造で使っている大きな蒸留樽をつくれる職人さんは日本に1人しかいないそうです。
木樽蒸留でつくられた焼酎は、口あたりがまろやかな仕上がりに。数種類の原酒をブレンドして、若潮酒造の人気銘柄・本格芋焼酎「千亀女」などがつくられています。
見学の最後は、蔵元直売所で試飲ができるのですが、自転車のため今回は残念ながら試飲は無し。
そのほか、蔵元直売所横のスペースでは、焼酎のブレンド体験も可能。原料や製造方法、味の異なる6種類の焼酎原液を、実際に味を確かめながら、好みの分量で調合して、ブレンド焼酎をつくる体験です。ボトルには自分でつくったラベルを貼って、世界でひとつだけの自分好みのオリジナル焼酎を作ることができます。自由にデザインできるラベルの材料には、ペンだけでなくラインストーンやカラフルなシールなど、デコるアイテムが用意されています。家族で体験して、お父さんが焼酎ブレンドを担当、子どもたちがラベルづくりを担当するなど、親子で楽しむ方も多いとのこと。また、デコレーションしたボトルをSNSにアップする若い女性も多いそうです。
車やバイク、自転車などを運転する方は味見ができません。そんな方のために、6種の焼酎原液のミニボトルも販売中。焼酎ブレンダーによる解説書を読みながら、自宅でブレンド体験が楽しめます。
蔵元直売所では、ここでしか買えない限定販売の焼酎を購入できます。編集部スタッフは、見学した千刻蔵の名を冠した志布志木樽蒸留所「千刻蔵」を購入。芳醇な芋の香りで、後味がすっきりした辛口。ストレートで味わうと芋の風味がガツンと来ますが、お湯割りにするとよりまろやかになり、木の香りやほのかな甘みも感じました。
鹿児島でお土産に買ってきた黒糖ピーナツをつまみにしたのですが、抜群に合いました。やはり、同郷のお酒と食べ物は相性がいいんですね。
若潮酒造
- 住所
- 鹿児島県志布志市志布志町安楽215
- 電話番号
- 099-472-1185
- 受付時間
- 9:00~17:00
- 蔵元直売所営業時間
- 8:30~16:30
- 定休日
- 日曜日、祝祭日(土曜日も休業の場合あり)
普段から運動をしていない編集部スタッフでしたが、電動アシスト付き自転車のおかげで、事前に伝えていた返却予定時間の16時30分に志布志港に戻ってくることができました。
サイクリング初心者にもおすすめのサイクリングコースです。
今回走ったルートは、普段から趣味で自転車に乗っている方や自分のロードバイクで走る方なら、余裕を持って回れるでしょう。
時間的にも、鹿児島に宿泊せずに船中2泊の「弾丸フェリー🄬(弾丸割引)」を利用する人におすすめです(日曜日に志布志港でレンタサイクルを借りる場合は時間に注意)。
自分の自転車で「さんふらわあ」に乗船する場合、輪行袋に入れる必要はなく、車両甲板で「特殊手荷物」扱いで預かってもらえます(有料)。そのため、自転車でそのまま乗船し、到着したら車両甲板から出てすぐにサイクリングを楽しめます。
また、「さんふらわあ」には展望大浴場があるので、サイクリングで疲れた身体をしっかり癒せます。ぜひ志布志を自転車で回って、自然や歴史、おいしいグルメなどを堪能してください!
自転車での観光では、荷物が増えるのでお土産の購入を控えてしまいがち。でも、「さんふらわあ さつま/きりしま」の船内ショップでは、鹿児島のお土産も豊富に販売されているので安心です。
アテンダントクルーおすすめのお土産は、▼こちらの動画で紹介されています。
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