カープ女子も注目!半日でけっこう楽しい! 志布志&油津ぶらり旅へアイキャッチ

もくじ

新造船「さんふらわあ さつま&きりしま」が発着する鹿児島県志布志、そして列車やクルマで1時間ちょっとの宮崎県油津。この隣り合う2つの町には意外と知られていない魅力的なスポットがあります。せっかく「さんふらわあ」で志布志に行くのであれば、半日だけ2つの町に寄り道してみるのもおすすめです。今回は「さんふらわあ今昔ものがたり」の連載でおなじみ、航海作家の金丸知好さんが志布志と油津をご案内します。

≫新造船「さんふらわあ さつま」について詳しくはこちら
 

カープ女子も注目!半日でけっこう楽しい! 志布志&油津ぶらり旅へ1

「さんふらわあ さつま」そして「きりしま」がやってくる港町・鹿児島県志布志。

カープ女子も注目!半日でけっこう楽しい! 志布志&油津ぶらり旅へ2

志布志市志布志町志布志、という日本一「志」の多い町として最近一部で有名ですね(写真の看板はこのあと紹介する大慈寺のそばの志布志市役所志布志支所にあります)。

下船後、連絡バスやマイカーで鹿児島へ向かう大多数の観光客をしり目に、まっすぐ志布志の町を目指します。

西郷どんもビックリ!「日本どん」のお墓

西郷どんもビックリ!「日本どん」のお墓1

ターミナルから徒歩20分ほど。4基ほどのお墓がある公園にやってきました。そこにはこんな句碑が。

「松風ふいて墓ばかり」

そのまんまやん!と思わず突っ込みそうになりますが、作者を見てビックリ。戦前を代表する漂泊の詩人・種田山頭火(1882~1940年)ではないですか。いまから90年前の1930年、山頭火は志布志に2泊して46句を詠んだのですが、そのひとつが「墓ばかり」です。同じ場所ではこんな句も。

「何とたくさん墓がある墓がある」

西郷どんもビックリ!「日本どん」のお墓2

さらにビックリなのがこちらのお墓で眠る人。去年のNHK大河ドラマは「西郷どん」でしたが、「日本(にっぽん)どん」とは幕末維新の英雄・西郷どんも驚きのスケールです。日本どん、江戸後期の志布志に実在した人物で、評判の天気占い(今でいう気象予報士)だったとか。日本という名前の割には小さいお墓のギャップもまた微笑ましいですね。

下小西公園

所在地
鹿児島県志布志市志布志町志布志2-18
アクセス
志布志港より車で8分、徒歩約20分

密貿易の基地だった志布志港

密貿易の基地だった志布志港1

墓ばかりの公園から前川までまっすぐ一本の道が伸びています。ここは「千軒通り」と呼ばれたかつてのメインストリートです。

江戸時代、志布志は薩摩藩の重要拠点となり、港は琉球(沖縄)や上方、さらに江戸との交易による廻船で空前の繁栄を遂げました。そして鎖国下に行われた清国との密貿易の基地として、「志布志千軒まち」と呼ばれる大隅半島第一の町へと成長しました。

密貿易の基地だった志布志港2

幕末には町を流れる前川の河口を利用し、ここに船着場や蔵屋敷が立ち並んでいたそうです。現在も残る商家や密貿易屋敷の跡が、その賑わいをしのばせます。

密貿易の基地だった志布志港3

通りの一角に石敢当を見つけたとき、一瞬沖縄にいるのかという錯覚を起こします。ただ、沖縄では「いしがんとう」ですが、志布志では「せっかんとう」と呼ぶそうです。

密貿易の基地だった志布志港4

また、街角には角地蔵がいくつも見られます。石敢当や角地蔵はともに中国や京都の風習を取り入れたものだろうと言われ、志布志が琉球や上方と海でつながっていたことを感じさせます。

廃仏毀釈の嵐を乗り越えて

前川沿いにある宝満寺跡に着きました。宝満寺は奈良時代に聖武天皇が全国に建てさせた由緒ある寺のひとつです。

廃仏毀釈の嵐を乗り越えて1
廃仏毀釈の嵐を乗り越えて2

ところが、明治維新後に寺院を取り壊し、神道を大切にする「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」運動が旧薩摩藩を中心に激しくなり、宝満寺も取り壊されてしまいます。苔むした階段、石橋、仁王像や下馬札などは時が止まったかのような雰囲気です。

のちに観音堂は再建され、宝満寺で始まった「お釈迦祭り」も復活し、毎年4月29日に盛大に行われています。

宝満寺跡

所在地
鹿児島県志布志市志布志町帖6529
アクセス
志布志港より車で約10分

宝満寺跡から寺町を歩きます。明治時代に設置された石柱・里程標の真向いにある金剛寺の門前に残る明治33年の立札、大正時代に建てられた洋館「東郷医院」など近代の息吹を感じられる地域です。

廃仏毀釈の嵐を乗り越えて3

大慈寺にたどり着きました。14世紀に建てられ、寺内には16の寺院僧坊があり、100名を超える修行僧が学んだという広大さを誇っていました。

しかしここも廃仏毀釈で1870年にすべて破壊。その10年後に、現在地に再興されました。以後、日露戦争でバルチック艦隊を破った東郷平八郎、洋画家・黒田清輝、総理大臣も務めた近衛文麿など、多くの著名人が訪れた名刹です。

廃仏毀釈の嵐を乗り越えて4

志布志のシンボルとも言える門前の仁王像は江戸元禄の豪商・山下弥三左衛門が航海安全を祈って寄進したもの。大慈寺や志布志の海とのかかわりの深さがうかがえます。

大慈寺

所在地
鹿児島県志布志市志布志町志布志2-1-19
アクセス
志布志港より車で約8分

鉄道の町の名残は公園に

鎖国の廃止による廻船業の衰退で、貿易港の賑わいは急速に失われました。それに代わり大正に鉄道が開通し、昭和に入ると志布志は一大ターミナル駅を持つ「鉄道の町」となります。当時の志布志駅は日南・大隅・志布志線と国鉄3路線のジャンクションとしてSLの機関区も抱えていました。山頭火もここから志布志線で都城に向かっています。

鉄道の町の名残は公園に1

しかし1987年の国鉄分割民営化にともない大隅・志布志線が相次いで廃止。旧駅構内はショッピングセンターや道路となり、駅近くの鉄道記念公園に展示されているSLと客車が昔日の名残をわずかにとどめています。

鉄道の町の名残は公園に2
鉄道の町の名残は公園に3

志布志駅は唯一残された日南線の無人終着駅へと姿を変えました。この風景から、かつての一大ターミナルを想像するのは至難の業ですね。

それでは日南線に乗ってみましょう。

志布志駅

所在地
鹿児島県志布志市志布志町志布志2-28
アクセス
志布志港より車で約7分、徒歩約20分
*志布志鉄道記念公園は志布志駅より徒歩約5分

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ここは広島?カープに染まる駅や商店街

ここは広島?カープに染まる駅や商店街1

約1時間後、右手に日南らしい明るい海岸線が見えてくると、まもなく終点・油津駅に到着です。

ここは広島?カープに染まる駅や商店街2

宮崎県に来たと思ったのですが、ちょっと様子がおかしい。駅舎は真っ赤に塗られ、Carp油津駅と表示。カープ坊やのイラストも壁面に描かれています。ここは広島?

ここは広島?カープに染まる駅や商店街3
ここは広島?カープに染まる駅や商店街4

商店街では「広島東洋カープ 優勝おめでとう」という横断幕がアーケードに掲げられ、リーグ制覇を祝うペナントが隅から隅までひるがえっています。

ここは広島?カープに染まる駅や商店街5

商店街から枝分かれする道は「カープ一本道」と名付けられています。ちょっと寄り道してみましょう。

ここは広島?カープに染まる駅や商店街6

道は天福球場の前で終わります。ここはプロ野球の広島東洋カープが50年以上も春と秋にキャンプを張る球場です。

ここは広島?カープに染まる駅や商店街7

球場の前には、カープの日南キャンプ地記念碑も建てられています。そこにはオーナー、歴代監督、そして往年から現役の選手の肖像が埋め込まれています。

ちなみに西武ライオンズのキャンプ地・南郷スタジアムは油津のすぐお隣りの南郷町にあります。西武ファンとカープファンのカップルはぜひ掛け持ちしてみてはいかがでしょう?

天福球場

所在地
宮崎県日南市天福2-10
アクセス
油津駅より徒歩約10分
ここは広島?カープに染まる駅や商店街8

それでは再び商店街に戻りましょう。油津カープ館という施設があります。入館は無料。「鯉神社」という鳥居をくぐり中へ。

ここは広島?カープに染まる駅や商店街9

館内にはキャンプの際に撮影された選手の写真やサイン入りユニフォームなど、カープ女子はもちろんプロ野球ファンにとっても垂涎のアイテムが満載です!

油津カープ館

所在地
宮崎県日南市岩崎3-10
アクセス
油津駅より徒歩約5分
入場料
無料
営業時間
9:00-18:00
(隣接する油津Yottenは9:00〜21:00)
休み
不定休(月1〜2回)
電話
0987-55-7377(油津応援団)

カープと商店街の再生ドラマ

カープと商店街の再生ドラマ1

Carp油津駅が誕生したのは2018年2月4日。前年の秋、2年連続リーグ優勝を果たしたカープをもっと応援しよう!という声が油津の人たちから上がりました。そして油津駅を真っ赤に塗って日本一のカープ駅にしよう、と決めました。

クラウドファンディングで資金を集め、その夢が実現したのはカープの春季キャンプ直前。カープの緒方孝市監督もそのお披露目セレモニーに出席しました。油津の人々の熱意が通じたのか、この年、カープは3年連続リーグ制覇という偉業を達成しました。

カープと商店街の再生ドラマ2

油津商店街は5年ほど前まで典型的なシャッター通りでした。しかし、2014年から油津再生プロジェクトがスタートし、油津カープ館が隣接する多世代交流コンテナモール「油津Yotten」や、コンテナを利用したショップ「ABURATSU GARDEN」などユニークな施設が次々と誕生。全国から注目を集める商店街へと生まれ変わりました。

カープと商店街の再生ドラマ3

それは、万年Bクラス球団からリーグ最強球団へと変身したカープの歩みにも似ています。
カープと商店街の再生ドラマは、油津で現在進行中なのです。

あぶらつ食堂でフィリピン料理

あぶらつ食堂でフィリピン料理1

油津カープ館のすぐ横に「あぶらつ食堂」があります。こちらも再生プロジェクトで誕生した施設で、日南特産の飫肥(おび)杉を用いた建物に、6つの飲食店が並んでいます。

あぶらつ食堂でフィリピン料理2

地元の食材を生かした和食、中華、ピザバルなどバラエティに富んだラインナップですが、目に留まったのがフィリピン家庭料理のお店「アジアンダイニングSally’s Kitchen(サリーズ・キッチン)」!南国っぽいイメージの内装の店内。地元の方でかなりにぎわっていました。

あぶらつ食堂でフィリピン料理3

チョイスしたのはフィリピン風焼きビーフン「バンシット」。フィリピン風の焼きビーフンです。ヘルシーでリーズナブル(700円)なのがうれしいですね。

あぶらつ食堂でフィリピン料理4
あぶらつ食堂でフィリピン料理5

陽気なフィリピン人女性の店主に、「スープにはハートがいっぱいだよ♡」と言われました。なるほど。ナタデココが入ったデザートもおいしかったです。

アジアンダイニングSally’s Kitchen(サリーズ・キッチン)

所在地
宮崎県日南市岩崎3-10-4-5(あぶらつ食堂内)
アクセス
油津駅より徒歩約5分
営業時間
11:30〜14:00(ランチ)、18:00〜22:00(ディナー)
休み
木曜
電話
080-3968-4538

寅さんもいた運河の町

寅さんもいた運河の町1

商店街を抜け、そのまままっすぐ歩けば、やがて堀川運河が見えてきます。この運河は江戸時代の1686年、飫肥杉の運搬のため造られました。

寅さんもいた運河の町2

運河にかかる堀川橋は、映画『男はつらいよ!』の第45作「寅次郎の青春」の舞台にもなりました。

寅さんもいた運河の町3

それらに関する展示が運河沿いの堀川資料館の眺めの良い2階で行われています。

堀川資料館

所在地
宮崎県日南市油津1-1-3
アクセス
油津駅より徒歩約12分
入場料
無料
営業時間
10:00~16:00
休み
年末年始
寅さんもいた運河の町4

油津は飫肥杉の積み出しと、マグロ漁で栄えた港町。堀川運河のそばには、マグロ漁最盛期の繁栄をしのばせるレトロ建築群が建ち並んでいます。

寅さんもいた運河の町5

なかでも大正時代に建てられたレンガ造りの油津赤レンガ館は、国の登録有形文化財にも指定されています。

寅さんもいた運河の町6

こちらも入館無料で、1階ではお土産も買えます。

油津赤レンガ館

所在地
宮崎県日南市油津1-9-3
アクセス
油津駅より徒歩約13分
営業時間
9:00〜21:00(2019年4月以降は〜18:00の予定)
電話
0987-27-3600

にっぽん丸も入港するクルーズポート

にっぽん丸も入港するクルーズポート1

実は油津に来るのはこれが2度目。前回は「にっぽん丸」のクルーズで海からの訪問でした。油津港はいま、日本有数のクルーズポートとして名をはせています。2018年は10回以上のクルーズ客船の入港が実現しています。

「にっぽん丸」のような日本船はもちろん、10万トンを超す外国の大型客船の寄港も珍しくありません。

「さんふらわあ」が発着する歴史ある志布志、そして近年クルーズ客船が多数寄港し、生まれ変わりつつある油津。いずれも歩けば歩くほど良さがわかる素敵な港町でした。志布志から油津まで行けば、飫肥城や鵜戸神宮へもアクセス良好です。みなさんもぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。

九州の意外と魅力的なスポット巡りは
新造船フェリーさんふらわあで!

フェリーさんふらわあ Webサイト

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