もくじ

首都圏~北海道航路の「さんふらわあ」が、発着する北海道・苫小牧港。苫小牧港から北海道最大の繁華街であり観光スポットである札幌までは、車やバイクで最短ルートなら1時間10分ほどです。
札幌と苫小牧港の間には、ちょっと寄り道すれば立ち寄れる滝がいくつか点在しており、「滝めぐり」が気軽に楽しめるエリア。その中から、編集部おすすめの滝5つをご紹介します。いずれも四季を通じて美しい絶景が眺められる癒しスポットです!

 

森林+滝のマイナスイオンでリラックス!散策も楽しめる『有明の滝』

ミズナラ、ナナカマド、ハウチワカエデ、ヤマモミジといった天然の広葉樹林が広がり、秋の紅葉シーズンには多くの人が紅葉狩りに訪れるという「有明の滝 自然探勝の森」。札幌市内にあり、滝野すずらん公園に隣接しています。札幌市清田区の道道341号線(真駒内御料札幌線)沿いに駐車場があり、山道を10分ほど歩くと『有明の滝』が見えてきます。

駐車場は「三滝の沢」バス停そばにあります。
野生の動植物に注意しながら歩きましょう。
途切れることなく落ちる水を全身で受ける滝行が行われる滝つぼ付近。

滝の落差はおよそ13m。露出した垂直な岩肌を滑るように流れ落ちる様は、安らぎを感じさせてくれます。滑りやすい足場に気を付けながら進めば、優美な滝の姿を間近に眺めることができます。実はこの有明の滝、滝行も行われているそうです。

滝の先には展望所「もみじ台」があり、ハイキング・トレッキングが楽しめます。

山の斜面にある森の中には、約7kmのアップダウンのある散策路が設けられており、途中には見晴らしの良い場所や、落差約5mの有明小滝などもあります。

なお、「有明の滝 自然探勝の森」は、熊出没注意エリアです。熊除けの鈴を鳴らすなど、周囲に気を配りながら歩きましょう。また、森林や草地はマダニの生息地でもあります。特に夏場、半袖、短パン、サンダル履きなど肌の露出が多い服装は、マダニに噛まれる危険性が高まりますので、長袖、長ズボン、足全体を覆う靴を着用するなど注意してください。

有明の滝

住所
北海道札幌市清田区有明
駐車場
あり・無料(冬季期間閉鎖)

扇を開いたような姿が美しい『白扇の滝』

札幌から国道453号線を支笏湖へ向かう途中、恵庭(えにわ)方面へ曲がると、恵庭渓谷エリアに入ります。しばらく進むと3つの滝の表示が現れ、最初の滝である『白扇の滝』があります。

滝が始まる滝口付近。
紅葉シーズンや雪の中の白扇の滝も人気。春先は雪解け水で水量が増え、迫力が増します。

駐車場から階段を下りていくと、沢の音が聞こえてきて、すぐに渓流の途中にある滝口(水が落下を始める場所)が目に入ります。白扇の滝は、その名の通り、まるで真っ白な扇を大きく広げたような、高さ15m、幅18mの瀑布です。

「絶景ポイント」が数カ所あります。

優雅な滝の姿を眺めたり、写真や動画を撮ったりしやすいよう、遊歩道にはいくつかの「絶景ポイント」の目印が設けられています。インスタグラムなどでSNS映えする写真・動画の撮影におすすめです。

夏、青々と茂った木々の中にある白扇の滝もきれいですが、紅葉の時期には、白い扇状の滝が赤く色づいた木々と美しいコントラストとなり、人気の観光スポットです。トイレや休憩所も完備されています。

橋から眺める野趣あふれる『ラルマナイの滝』

白扇の滝からおよそ600mのところに、『ラルマナイの滝』の駐車場があります。アイヌ語で「水無沢」と訳される「ラルマナイ」。一説には、沢の両側が切り立ち、急流で滝になっている場所のことを指すという意味もあるそうです。

樹々が色づくと、また違った雰囲気に。

うっそうと茂る樹木に覆われた『ラルマナイの滝』は、橋の上から眺めることができます。残念ながら倒木があり、この日は水量も少なめでしたが、夏場は涼しげな景色に涼を感じられます。また、紅葉シーズンには多くの観光客が訪れる、屈指の人気を誇るスポットだそうです。

奥地には源義経の財宝が…?『三段の滝』

『三段の滝』近くには駐車スペースがないので、ラルマナイの滝駐車場から350mほど、坂道を歩いて下ります。車に注意しながら向かいましょう。「三段の滝橋」を渡る途中の欄干に「絶景ポイント」の表示が出ており、その名の通り三段からなる『三段の滝』が見下ろせます。

橋の上より、葉の間から見える三段の滝。

夏には緑が茂った合間から滝を見ることになるので、橋の下に降りてラルマナイ川から見るのがおすすめ。葉が色づき落ち始める紅葉シーズンには、赤・黄・橙などカラフルな色と滝のコントラストが楽しめます。また、春先には雪解け水で水量が増し、圧巻の姿が見られます。季節によって表情を変える、滝好きに人気の絶景スポットです。

橋を渡り切った先に橋のたもとに下れるところがあり、下からの目線で滝を見られます。一段目は見えなくなりますが、約15mの高さから落ちてくる水の勢いが感じられ、ラルマナイ川の流れも間近に見ることができます。

ラルマナイ川には、白扇の滝・ラルマナイの滝・三段の滝が流れ込みます。

ちなみに、奥地にある熊の沢という場所に、源義経の財宝が眠っているという黄金伝説があるそう。その真偽のほどは…。

恵庭渓谷エリアには3つの滝のほかに、ダム湖であるえにわ湖の堰堤に広がる自由広場や、約千本の桜の木が植えられた桜公園もあります。散策路が整備されているので、水の音を聞き、滝の水しぶきで清涼感を味わい、森林浴をしながらウォーキングを楽しめます。

白扇の滝・ラルマナイの滝・三段の滝(恵庭渓谷)

住所
北海道恵庭市盤尻
電話番号
0123-33-3131(恵庭市経済部花と緑・観光課)
駐車場
あり・無料(白扇の滝・ラルマナイの滝)

恵庭渓谷の滝めぐりでお腹がすいたら、恵庭駅方面に出てグルメスポットへ。全国的にも有名なサッポロビール園(サッポロビール北海道工場内)があります。サッポロビール園のジンギスカンは観光客に大人気です。
建物が印象的な道の駅「花ロードえにわ」のレストランで提供されるスキレットカレーは、地元の方にも評判で、グルメ情報サイトでも高評価。地元恵庭産放牧豚「こな雪とんとん」をベースにした特製カレーがスキレットの器に入っています。ショップでは、地元の特産物やここでしか買えない北海道みやげなども購入可能。周辺には、車中泊専用施設「RVパーク 花ロードえにわ」もあり、ホテル宿泊とは違った楽しみ方ができます。

山歩きに慣れた方なら支笏湖近くの『七条大滝』へ

国内屈指の透明度を誇る支笏湖。支笏湖温泉がある湖の東側、国道276号線と国道453号線が交差するあたりから林道を入った先に『七条大滝』があります。車を停めて、平坦な林道を30分ほど歩きます。山間の遊歩道や林道を歩く際には、ヒグマやシカ、マムシなど野生の生き物には十分注意し、必ずクマ除けの鈴などを携帯しましょう。実際、編集部スタッフは野生のエゾジカに遭遇し、びっくりしました。
林道から沢へ下る経路は、足元が悪いので十分に気を付けて進みます。その先に現れる『七条大滝』。落差約16m、むき出しの岩肌の岸壁がそそり立ち、下から見上げると圧巻。上部の割れ目から勢いよく落水し、滝壺からごうごうと音が聞こえてきます。

うっそうとした森林の奥に空間が現れ、滝が見えてきます。
滝口から勢いよく水が流れ落ちています。

滝の近くに寄ると、水しぶきがひんやりと涼しく、清涼感を味わえます。濡れるのを覚悟すれば、滝の裏側に回ることもできます。暑い季節に、自然が造り出した空間の中で、心身ともにリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

また七条大滝は、極寒の季節には氷瀑となることで有名。自然が創り上げる圧倒的な迫力の氷の芸術作品を、至近距離で見られます。訪れる際には、積雪の中を歩くことになりますし、気温は氷点下になりますので、しっかりと冬登山の装備をした上でお出かけください。氷瀑までガイドが案内してくれるアクティビティを提供している会社もあるので、興味がある方はご検討を。

七条大滝

住所
北海道苫小牧市丸山

ご紹介した5つの滝は、いずれも紅葉シーズンには多くの人でにぎわう人気スポットです。冬には、七条大滝以外の滝も、氷点下の日が続くと氷瀑になることがあるそうです。
春になれば山の雪解け水で水量が増えて豪快に、夏は天然のクーラーのごとく涼しさを提供してくれる北海道の滝。札幌~苫小牧港のエリア、特に支笏湖や樽前山の周辺には、ほかにも日本の滝百選にも選ばれている「インクラの滝」など、滝が数多くあります。「さんふらわあ」乗船前や下船後、ぜひ時間を取って寄り道し、滝めぐりをお楽しみください。

日本国内に、名前がついている滝は2,500~15,000ほどあると言われており、無名の滝も入れるとさらにその何倍も存在します。広大な敷地面積を誇る北海道には多数の滝があり、そのうち「オシンコシンの滝(斜里町)」「アシリベツの滝(札幌市)」「インクラの滝(白老町)」「流星・銀河の滝(上川町)」「羽衣の滝(東川町)」「”飛竜”賀老の滝(島牧村)」(※遊歩道通行止めにつき見学不可)の6つが『日本の滝百選』に選出されています。
そのほか、美しいコバルトブルーの美瑛川に流れ落ちる「白ひげの滝(美瑛町)」や、知床エリアにあり温泉が流れ込んだ川でアクティビティが体験できる「カムイワッカ湯の滝(斜里町)」(※完全予約制)などは人気の滝。絶景でパワースポットといわれる滝も少なくありません。北海道内をドライブしながら滝めぐりする旅行プランを立ててみてはいかがでしょうか。

長い年月をかけて造り出された、
北海道の美しい滝を見にいこう。
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