第4回 開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」:旅の達人、船に乗るアイキャッチ

旅行が趣味、旅行が仕事、という方でも、船に乗って目的地に向かう機会はなかなかないそうです。そこでそんな旅の達人たちを「さんふらわあ」にお誘いして「カジュアルクルーズ」の魅力に触れていただくことにしました。
今回の旅人は10代の頃からバックパッカーとして世界を回った後、旅行雑誌の編集者、ライターとして働きつつも、古神道、修験道の修行や、古今東西の様々なセラピーを研究。それが高じて現在は気功や美容整体などの施術師として活躍する磯部さんです。現在、開運旅行作家としても活躍中の磯部さんが「さんふらわあ」で苫小牧に着いたあと目指したのは風水都市・札幌でした。
※最新の営業状況については、各店舗・施設HP等にてご確認ください。

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札幌は「京都をモデルに作られた都市」と言われている。

代表的な共通点としては、札幌も京都も、街の中心部は碁盤の目状に整備され、南北を示す基準になっているのが、「条」である。京都の地図を逆さにして、札幌に当てはめてみると札幌の円山周辺の山並みが東山の位置にある。

この京都をモデルにするアイデアは、江戸の街を作るときにも使われている。北海道開拓の父、島義勇(しまよしたけ)が恐らく風水、陰陽道的な視点で作ったのだろう。

江戸の霊的なグランドデザインを描いたのは僧の天海。天海は、多くの謎に満ちた人物で、出自は不明、比叡山延暦寺や多くの寺で様々な学を修めた。武田信玄など有力者に招かれた後、関東の天台宗の実力者となる。家康の信頼を得、参謀として江戸の町づくりを担った。108歳で三代将軍家光に仕えたという。明智光秀の後身ではないか、との説もある。

関ヶ原を勝利した家康は、天海に関東の地を調べさせた。天海は、天台密教に遁甲、方術、天文など陰陽道も駆使し、伊豆から千葉までくまなく調査した結果、江戸が幕府を置くに最もふさわしいと結論づけた。

その判断基準は京都と同じく、江戸が四神相応の地ということ。四神相応とは、風水の基本概念で、東西南北の四方位が理想的な地形となっていることだ。

江戸は、東に平川、西に東海道、北に富士山、南に江戸湾。正確には富士山は北ではないが、ここが面白いところで北と「見立て」た。風水の技法、気功の技法もそうだが、この「見立て」というのは重要な技術。日本の文化によく見られる。

さらに、中国の風水にはない、日本オリジナルな陰陽道の考え方に「鬼門(裏鬼門)」というものがある。その方角から邪気が入ってくると思われている。平安京では、鬼門の位置に比叡山延暦寺が建てられ都を守護した。江戸は、同じく鬼門の方角、上野に天海は寛永寺を建立。寛永寺の寺号は「東叡山」、つまり東の比叡山の意味だ。

そして、琵琶湖に見立てて「不忍池」が設けられ、琵琶湖の竹生島と同じく中之島に弁天様を祀っている。ほかにも京の都にならった様々な仕掛けを天海は江戸の町に埋め込み、江戸の繁栄を策した。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」1
円山、北海道神宮、円山動物園は近接している

千年の都、京の町を反映させるというのは、日本の町づくりの技法。そして、この考えは、日本統治下の台北の町づくりにも引き継がれている。京都、札幌、台北にある「円山」という地名。統治下時代の台北の地図を右90度に傾けると、札幌の町が浮かび上がってくる。

北の辺境である北海道と南の辺境であった台湾に「京都」を作り、結ぶという壮大な構図。なかなか興味深い。北海道神宮に祀られている大国魂命(国土の神)、大那牟遅神(開拓の神)、少彦名神(=開拓三神)を分祠して台北神社は作られた。

ちなみに、「さんふらわあ」の発着港である大洗(茨城)の大洗磯前神社には、この内の大那牟遅神と少彦名神が祀られている。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」2
広大な北海道神宮の境内は、神木を始めとする木々がエネルギーを発散させている。神宮内には北海道開拓に携わった多くの方々が祀られている
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」3
札幌の町中にもかかわらず円山(225m)はほぼ原始林。古代から現在につながる聖地。1年中登れるが、冬は雪山なので、注意
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」4
正確には原始林ではなく、原生林だと思うが、町のすぐ横に深い自然がある
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」5
円山は意外と急なので、麓にステッキが用意されている

北海道神宮のある円山エリアは原始林が残り、和人とアイヌの聖地が隣接する神聖なエリア。ちなみに、「原始林」とは、太古から人の手の全く入らない、自然のままの森林。それに対して「原生林」は、自然のままの森林を維持するため、人手の入った「擬似・原始林」。
藻岩山は、アイヌ語では「モ・イワ」、「小さな山」のことで、先祖の斎場を意味する。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」6
円山の麓は、八十八箇所巡りのスタート地点。日本の聖なる魔法陣の一つ、真言密教のパワーがここに取り入れられている

そして、四国からの入植者の多かった北海道。円山の山腹に八十八箇所巡礼が作られている。これも四国八十八箇所の「見立て」、「写し霊場」だ。大正4(1915)年に作られた当初は88体だった石像も今では寄進などにより200体を超えている。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」7
円山の山腹には、お地蔵さんや阿修羅などさまざまな石碑が立ち並ぶ。ひとつひとつを眺めると実に多彩で、さまざまな表情をしている

北海道神宮

所在地
北海道札幌市中央区宮ケ丘474
営業時間
7:00~16:00(11月1日~2月末日)、7:00~17:00(3月1日~3月31日)、6:00~17:00(4月1日~10月31日) 

余談だが、札幌は京都をモチーフにした町だが、北海道の他の町はどうだろうか。北海道の開拓は世界の様々な町を参考にしたと言われている。

旭川は、ニューヨーク。石狩川と忠別川に挟まれた市街地はマンハッタンのよう。セントラルパークにメトロンポリタン美術館があるように、常磐公園内に道立美術館がある。地名が道路に準じているのもニューヨーク仕様。

放射状に道路が伸びる帯広の街並み。そのルーツは、ワシントンを設計したピエール・ランファンの故郷であるフランスの首都・パリにあるのではないか。

函館は、明治11年の函館大火後の街区改正で、役所はロシア・ウラジオストックの街並みを模倣するように指導した。坂の途中に建つ建物は、下から見ると2階部分のみが重なるように見えるので、そこが目立つように洋風で鮮やかなペンキ塗りにした。

旭川といえば、島義勇を引き継いで札幌を開拓した岩村通俊(いわむらみちとし)は、対ロシアを踏まえて大胆な提案をした。それは、西京=京都、南都=奈良、東都=東京などと同様に、上川郡(旭川)に「北京」を建設するという構想だ。残念ながら、上川離宮を作る案とともに、政敵に破れ実現できなかった。完成していたらどんな町になっていたことだろう。

二条市場の起原は明治時代にできた「二条魚町」。石狩浜で農業を営んでいた人たちが魚介を販売したのが始まり。1903年に現在の形の魚市場になってきたという

話を札幌に戻す。

もともと「サッポロ」は豊平川にアイヌの人々がつけた名称。由来はアイヌ語の「サッ・ポロ」(乾いた大きい)とする説(「かつての豊平川が乾季に極端に水量が少なくなる川だったため」、「一帯が乾燥した広大な土地だったため」)などがある。

日本最北の政令指定都市で、全国の市の中では、横浜、大阪、名古屋に次ぐ4番目の人口(190万人を越える)。しかも、現在も増え続けている。北の京はますます栄えていくのだろう。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」9
市場内は、カニを始め、海産物が所狭しと並んでいる

巨大な北都・札幌には北海道中の美味いものが集まってくる。かつて、北海道は、素材は最高級なのにそれをいかす腕がないといわれてきた。つまり、料理技術が低いと。

ただ最近は、北海道に限らず、日本各地で起きている現象だが、首都圏や海外で修行し、腕やセンスを磨いた料理人たちが地元の極上素材を使ったお店を続々と出店している。

土地のものを食べるということは、その土地のエネルギーをいただくということ。これは、旅の重要な効用だ。

古くからの友人で、北海道の食事情に詳しいグルメライターのKさんに連絡を取り、おすすめをいくつか教えていただいた。

気さくな良い雰囲気の入りやすいお店

まず、向かったのは、古くは札幌の台所、二条市場。といっても市場の店ではなく、ちょっと外れた場所にある『魚や がんねん』さんへ。

ここは、観光客はもちろん、地元の方が気軽にうまい魚介を味わいに来る。目利きのご主人がその日一番の素材を使って定食や丼を提供してくれる。

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一番人気という「釧路産極上イクラ丼」。素材がいいのはもちろんイクラの処理が重要だとか。たしかに、イクラの皮が固くなくてプリッとしている

がんねん

所在地
北海道札幌市中央区南3条東1丁目
営業時間
8:00〜16:00
休み
不定休
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」12
巨大なゴボウが印象的。見た目美しく、味わいも最高。それにしてもスープカレーって時々無性に食べたくなる

札幌といえば、スープカレー。名店は多くあるが、こちらも大人気の『soup curry SOUL STORE(ソウルストア)』。スープの味わい、具の野菜、肉、ご飯…。とにかくバランスが最高にいい。もちろん、辛さも調節できる。

スープカレー ソウルストア

所在地
北海道札幌市中央区南3条西7-3-2 F-DRESS 7 BLD 2F
営業時間
11:30~15:00(L.O)、17:30~20:30(L.O)
休み
不定休

イタリアで修行した男性シェフが北海道の食材を駆使して作るイタリアン。こちら『CANTINETTA SALUS(カンティネッタ サリュ)』。

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カウンターに座ってさくっとワインと食事というスタイルもカッコいい。女性一人でも気軽に食べに飲みにいける

食堂の気安さと、リストランテを上回る味わい。こういう店が一番近所に欲しい。黒板にはその日食べるべき北海の幸を用いた料理の数々。ワインも充実しているので、ペアリングも楽しい。

開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」14
壁の黒板には今日のおすすめがずらり。まずは、サッポロクラシックラガーから始めるのも北海道らしくていいかも
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」15
ある日のおすすめメニュー。どれも間違いなし
開運旅の達人が案内する「神秘の風水都市・札幌の謎」16
釧路産真ダチのフリット カレー塩で
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根室産サンマと栗山産長ナスとアンチョビの自家製パスタタリオリーニ

CANTINETTA SALUS(カンティネッタサリュ)

所在地
北海道札幌市中央区南3条西3丁目2-2 G DINING SAPPORO 1F
営業時間
16:00~翌24:00(L.O)
休み
日曜

大自然と神秘と人々のさまざまな思いで開拓されてきた大都市・札幌。ほとんど人が住んでなかった原野に150年で190万人以上が豊かに住む町が作られ繁栄が続いている。
もしかしたらこの地に仕掛けられた様々な魔法?が効いているのかもしれない。

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