もくじ
北海道観光の中心であり、道内各地へのアクセス拠点となる札幌は、海鮮モノがおいしく、回転寿司の激戦区なのです。最近では東京に進出するお店が出てくるほど、そのレベルの高さは折り紙つき。そんな札幌でも特に人気の回転寿司店を地元ライターが巡って食べ比べに挑戦しました!
※最新の営業状況(休業・営業時間など)については、各店舗・施設HP等にてご確認ください。
<編集部コメント>
北海道は、グルメの宝庫として知られている地域。ラーメン、ジンギスカン、スープカレーなど、数々のおいしい料理を堪能するべく、他都府県から多くの人が訪れます。
寿司も、北海道における人気グルメの1つです。海に囲まれた土地ならではの魚介を使った寿司は鮮度抜群。新鮮なだけではなく、他では食べられない海の幸を味わうこともできます。
札幌には、TwitterなどのSNSや口コミで人気を集める回転寿司店が多数あり、ランチで気軽に食べられる店からちょっと贅沢にディナーを味わえる店まで、お店ごとのこだわりや雰囲気はさまざま。実際に札幌の回転寿司食べ比べした感想を記事にまとめました。札幌旅行を計画していて、回転寿司に行きたいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
「回転寿し 和楽」札幌を代表する回転寿司店で、職人が握る「本物の味」を
「北海道の回転寿司はレベルが高い」と言われていますが、その一角を担っているのが「回転寿し 和楽」です。2002年に札幌市東区に1号店となる本店をオープンさせ、現在札幌市内に3店舗、小樽に1店舗を構えています。
<編集部コメント>
4店舗の和楽のうち、札幌市東区の本店と、西区の市場店、中央区の山鼻店では宅配サービスを実施しています。宅配エリア内の指定した住所まで、握り寿司や海鮮丼を届けてくれます。店頭と変わらず、職人が握ったおいしい寿司を味わえます。
「本物の味」にこだわり、創業から一貫して職人の手で寿司が握られています。今回訪れた「和楽 本店」の店内は落ち着いた作りとなっており、静かに寿司を楽しみたいお客様に支持されています。
寿司は、シャリの上にネタが乗っているとてもシンプルな食べ物であるが故に、少しの違いが味を大きく左右します。和楽では、北海道中の食材が集まる札幌市場から仕入れた新鮮な魚を店内で仕込んでいます。
まず注文した人気のマグロの握りは、ばちマグロを使用。食べやすいように筋が切られています。
一皿で3種類の寿司がセットになった「三楽」も人気です。サーモン三楽、活貝三楽、えび三楽がありますが、おすすめはホッキ・アワビ・ツブの3種が楽しめる「活貝三楽」です。口の中に広がる磯の香りがたまりません。
「たらの塩昆布握り」は、和楽本店だけのオリジナル。あえて昆布締めにせず、生を握ることで、本来の旨味を味わうことができます。
寿司全体の調和を保つ役割が大きいシャリには、厳選したササニシキを使用しています。サーモンチーズロールは和楽のオリジナル。クリームチーズが、こだわりのシャリによくマッチしています。
海苔にもこだわり、香り、風味、鮮度、厚み、歯切れの良さが特徴的な有明海産が使われています。夏が旬のウニですが、他の時期でも仕入れによって塩水ウニが使われ、雑味のない本来の味覚を楽しむことができます。
サイドメニューでおすすめは、大きな殻まで入っていて見た目にもインパクトがあるホッキの味噌汁です。ダシが程よく寿司のうまみを引き立ててくれます。後味をさっぱりさせたいのなら、特製のソフトクリームをご賞味ください。濃厚でもちもちとした食感の虜になりますよ。
<編集部コメント>
和楽で寿司をいただくと、美味しく食べることを最優先にした、細かな職人技やこだわりがよくわかります。適度な粘りとほどけやすさを兼ね備えたササニシキをシャリに使い、炊きためすることなく提供。シャリに欠かせない寿司酢は、甘さ控えめの本物志向の味付けです。
鮮度の高い魚を厳選して寿司ネタに使い、職人がこだわって手で寿司を握っている和楽。北海道で「本物」の海鮮食材を味わいたい方におすすめの回転寿司店です。ぜひ一度、ご堪能ください。
回転寿し 和楽(本店)
- 所在地
- 札幌市東区北42条東1丁目2-24 他にも市内に2店、小樽に1店あり
- アクセス
- 地下鉄南北線「麻生駅」3番出口より徒歩10分
- 営業時間
- 11:00〜22:00(L.O 21:30)
- 休み
- 1/1
- 電話
- 011-733-1111
「回転寿司 なごやか亭」 こぼれいくらが有名な釧路生まれの新鮮な味覚を届けるお店
北海道は美味しい食材の宝庫です。日本有数の水揚げ量を誇る釧路市で生まれた「なごやか亭」は、道内はもとより、関西にも新鮮な味覚を届けています。
1991年に釧路市に1号店となる釧路春採店をオープン。1997年に札幌エリアに進出しています。現在は釧路エリアに4店舗、札幌エリアに9店舗、帯広エリアに3店舗を展開するほか、関西エリアにも店舗があります。
なごやか亭と言えば、「こぼれいくら」が有名。美しいオレンジの粒が、厳選した道産米を使用したシャリを覆い尽くしています。
こぼれいくらを注文すると、希望に応じてベルや太鼓を鳴らして歓迎してくれます。「いくら新鮮な寿司を提供しても、店に活気がなければおいしく感じない」というポリシーから、店内には店員さんたちの元気な声が飛び交っています。
手ごろな価格の天然まぐろは、真っ先に注文したい一皿です。あっさりとした日本人好みの味なので、年齢や性別を問わず人気です。
佐賀県在住の島内啓次さんと仲間たちが昔ながらの製法で作り上げた有明産の海苔を使用。とろたく細巻きのおいしさを際立たせます。
道東生まれの回転寿司らしく、根室の花咲港で水揚げされた「花咲ガニの軍艦」など、産地にこだわった寿司を多く提供しています。
北海道のみならず、全国から選りすぐりの素材を直送で仕入れています。その代表格といえるのが、鹿児島県東町から直送されている「翼乃鯖(つばさのさば)」です。上質な脂が舌の上でとろけていきます。数量限定なのでお早めにどうぞ。
釧路発祥の回転寿司らしく、名物のザンタレを用意しています。甘辛いタレが絡み、カリカリに揚げたザンギとは異なる食感です。寿司と一緒にちょっとボリュームのある料理を食べたい時におすすめ。
全道・全国各地から新鮮なネタを直送する「なごやか亭」。140種類もの豊富なメニューがあるので、自分の好みの一品が見つかるはずですよ。
※「なごやか亭」は地域によって価格が異なります。
<編集部コメント>
「こぼれいくら」と同様に、えび好きにはたまらない「こぼれ甘えび」も用意されています。なごやか亭に行くなら、どちらも食べておくのがおすすめ。
また、天然まぐろはリーズナブルながら、まず驚くのはネタの大きさ。シャリを覆うように切り身が乗っていて、見るだけでも満足感があります。もちろん、味も言うことなし。
毎週水曜日だけ提供される曜日限定のお持ち帰り専用「水曜寿司」も気になるところです。
日程が合う方は、夜食として購入してホテルでゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。事前に予約しておき、店頭で支払い・受け取りするテイクアウトスタイル。HPから会員登録後に予約が行えます。
回転寿司 なごやか亭(北野店)
- 所在地
- 札幌市清田区北野5条5丁目20 道内では他にも市内に8店舗、釧路エリアに4店舗、帯広エリアに3店舗あり
- アクセス
- 道央道札幌南ICより車で約5分
- 営業時間
- 11:00〜22:00(L.O 店舗により異なります)
- 休み
- 1/1、1/2
- 電話
- 011-886-7575
「回転寿司くっちゃうぞ」 地元で愛されて約30年の老舗寿司屋
札幌市厚別区にある「回転寿司くっちゃうぞ」は、チェーン展開していない地元の穴場的な回転寿司です。地元民はもちろん、本州からの観光客や外国からのお客様も訪れる人気店です。
ユニークな店名の「回転寿司くっちゃうぞ」は、今から約30年前に厚別通りにオープンしました。マグロ、ホタテ、甘えびなどの人気メニューが一皿120円(税抜)で食べられるほか、イクラ、ウニ、アワビなどの高級なネタが220円(税抜)の安さで食べられるため、価格以上のクオリティが評判を呼んでいます。
安くておいしい秘密は、仕入れにあります。「回転寿司くっちゃうぞ」は、吟味した新鮮な魚を市場で買い付けています。
シャリはあきたこまちを使用。巻物や軍艦巻きなどに使う海苔も付き合いの長い業者から購入することで、誰もが来店しやすいリーズナブルな価格を維持しています。
人気のマグロは肉厚で120円とは思えないおいしさで満足感があります。粒の大きなイクラは口の中ではじけ、コリコリとした食感のアワビは、噛むほどに磯の香りが広がっていきます。山わさびの鉄火巻きはピリリと辛く、海苔との相性も最高です。
お寿司と一緒に頼みたいのが汁物です。タラバガニを使った「カニ汁」や、しっかりとダシが効いている「アラ汁」が120円で味わえます。飲み放題のドリンクバーも120円で利用できるなど、お客さんから「こんなに安くていいの?」と心配されることが多いそうです。
代表取締役の上野 久さんは「ネタの切り方や、シャリの炊き方一つで寿司の味が変わる。品質を落とさないためにも店舗を増やすことなく、これまで通りの営業を続けていきたい」と語ります。地域密着型「回転寿司くっちゃうぞ」。これまでも、これからも変わらぬ味を楽しむことができるでしょう。
<編集部コメント>
記憶に残る店名の「回転寿司くっちゃうぞ」。口コミサイトやSNSには、コスパの良さを絶賛するコメントがあふれています。金額からは想像できないほど質の高い食材で、どれもおいしいのです!
料金設定が魅力的で地元の人に愛される、北海道の海の幸を思う存分食べられる回転寿司店です。
回転寿司くっちゃうぞ
- 所在地
- 札幌市厚別区厚別西4条4丁目8-7
- アクセス
- 道央道札幌南ICより車で約12分
- 営業時間
- 11:00〜22:00(月曜は21:45)(L.O 21:30)
- 休み
- 不定休
- 電話
- 011-895-6222
「回転寿司 根室花まる」 ネタも店内も根室の味にこだわり、産地直送で食通も唸る!
「回転寿司 根室花まる」は、根室が発祥の回転寿司です。根室市はもちろんのこと、札幌市内に5店舗、中標津町、函館市に1店舗あるほか、東京にも進出しています。根室直送で市場にあまり出回らないネタも多く、食通を唸らせています。
回転寿司の中には、ファミリーレストランのように、創作寿司に力を入れているお店もありますが、「根室花まる」が求めているのは、「寿司の本流」です。オリジナリティーを求めながらも、随所に寿司店らしいこだわりを感じます。
店に一歩踏み込むと、そこは港町「根室」。漁網やガラスの浮き球がディスプレイされ、気分が高揚します。他の店では目にすることが少ない根室の味覚が提供されています。
「明太子巻」は脱水の工程にこだわり、余計な塩分を飛ばしてタラコ本来の味を残しています。
珍しい筋子の握りです。これだけ多くの筋子を使うとしょっぱさが際立ってしまいますが、希少な紅サケを使っているため、過度にしょっぱくなく、一粒に旨味が凝縮されています。
花咲ガニの味噌汁は、「根室花まる」らしいメニューと言えるでしょう。大量のカニを炊き出すことで、豊潤なカニの風味が広がります。器から飛び出す足がとてもダイナミック。季節によっては花咲ガニを使った寿司も提供されています。
真ダチは、北海道の冬の味覚です。寒さが厳しくなるごとに、濃厚な旨味がどんどん増していきます。12月から3月までのわずかな期間の提供となります。
ほとんど市場に出回らない「ぼうず銀宝」は、水深24〜801メートルに棲む珍しい魚です。淡白な味ながら、後から旨さが追いかけてきます。
野付産のホタテは、日本一味が強いと言われています。食感を生かすためにホタテの割れ目に沿って手で割いているため、口いっぱいにおいしさが広がります。
根室にこだわり、根室を握る。時間的に道東方面に行くことが困難でも、「根室花まる」なら旬の味を楽しむことができますよ。
<編集部コメント>
寿司の本流から離れず、本物に近づく努力を重ねているという「回転寿司 根室花まる」。店内に入ると、漁具がモチーフのインテリアが目を引きます。魚を捌く場面なども目にすることができるオープンキッチンで、明るく活気に満ちた店内です。
「回転寿司 根室花まる」は、札幌駅付近のステラプレイスやmiredoなど、札幌市内の商業施設にも店舗があるので、大通公園やさっぽろテレビ塔などの観光と合わせて、気軽に立ち寄れます。
さらに、「花まる」の別店舗として、いわゆる回らない寿司を提供しているお店もあります。ちょっとリッチな気分で北海道の海産物を楽しみたいなら、すすきの駅付近や時計台ビルにある「町のすし家」を訪れてみてください。回転寿司の気楽さと立ち寿司のくつろぎを、両方味わうことができます。
回転寿司 根室花まる(南郷店)
- 所在地
- 札幌市白石区南郷通19丁目南8-2
- アクセス
- 地下鉄東西線3番出口から徒歩2分
- 営業時間
- 11:00〜21:00
- 休み
- 不定休
- 電話
- 011-868-0870
今回取材で訪れた4つのお店、いずれも「おいしい寿司を食べてもらいたい」という気持ちが伝わってきました。それぞれ雰囲気や価格が異なりますが、満足いくことはどの店も共通です。気分に合わせてお好みの店を選んでみてはいかがでしょう。
「さんふらわあ」が就航する苫小牧から札幌までは直通の高速バスで110分。みなさんも「さんふらわあ」に乗って、本場・札幌の回転寿司をお楽しみください。
*本記事は2019年冬に取材・撮影して掲載した内容を、2022年2月に情報をアップデートしたものです。季節によってネタや価格などが変わることがありますので、ご留意ください。
吉田匡和(よしだ まさかず)
札幌在住の文筆家・写真家。日本のすべての年金制度(厚生年金・国民年金・国家公務共済・地方公務員共済・私学共済)に加入したことがあるという、自慢にもならない経歴を持っています。苦労しなくて済む程度のアウトドアが趣味で、夕日を見ながらビールを飲むのが大好きです。北海道ファンマガジンでも執筆中。
北海道ファンマガジンは、北の大地・北海道から、北海道の魅力を発信する、北海道ファン・北海道マニアのための老舗ウェブマガジンです。地元北海道の自然の美しさ、全国に誇る美味しい食材、全国的に珍しい独特の文化と風習、道民の熱心な取り組み、いま旬のローカル情報、道民すら知らない「へぇ~」なローカル情報を道内各地から集め、インターネットを通じて道民や北海道好きな人々に広めています。
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