「さんふらわあ」の船内を清潔に保つスタッフ

もくじ

従来から「さんふらわあ」の船内清掃は、専門の清掃会社スタッフが高いレベルで行っています。そこに新型コロナウイルス感染拡大防止対策として除菌や消毒などの、さらに高度で繊細な作業が加わりました。 関西~九州航路を走る「さんふらわあ」。関西側に着岸した船の清掃は、株式会社ユニオンマリンサービスに委託しています。 “清掃のプロ”であるユニオンマリンサービスの日朝社長と浦次常務に、船内清掃・消毒についての極意やこだわりなどを伺いました。

港に停泊中の短時間に、手際よく船内全域の掃除・消毒を完了

船内くまなく掃除機がけ。
船内くまなく掃除機がけ。
人が触れる箇所は念入りに消毒作業。
人が触れる箇所は念入りに消毒作業。

取材を行った「さんふらわあ さつま」の船内。赤いTシャツを着たスタッフが、気忙しく動き回って清掃を行っています。この赤いTシャツはユニオンマリンサービスのユニフォーム。

「赤色は、元気になる色。目立ちますし、近所では“赤い集団”として有名なんですわ」と語る、社長の日朝さん。「朝、フェリーが入港してお客さまが下船されたら、赤い集団の私たちが船内に入ります。基本的にお客さまと顔を合わせることはありません。出港時刻の3~4時間前には船内すべての清掃・消毒作業を終えて、船から下りなければならないんです」と、常務の浦次さんが教えてくださりました。

浦次常務。
日朝社長。御年86才(取材当時)、お若い!
日朝社長、御年86才(取材当時)。今も現場に足を運びます。

客室はもちろん、プロムナードや大浴場、廊下、ソファ、手すりなどのパブリックスペースも含めた船内全体の清掃作業となると、かなり大変そうですね。

若手の男性スタッフも在籍しています。
男性スタッフも多く在籍しています。

「停泊中の限られた時間なので、丁寧な作業をいかに効率よく手際よく行うかがポイントです。スタッフそれぞれ、自分が担当する作業が決まっています。客室の場合は、ベッドメイク、浴室清掃、アメニティ類のセット、床の掃除機がけ、拭き上げと消毒などに分かれていて、作業の順番も決まっているんです。特に『さんふらわあ さつま・きりしま』は個室が多いので、時間内に完了させるには、スピーディーに確実な作業をやらないといけません」

シーツ交換などのベッドメイクは男性2名がかり。
シーツ交換などのベッドメイクは男性2名がかり。

実際、スタッフの皆さんがテキパキと行動しつつ、細かなところにまで気を配る様子が、船内のあちらこちらで見受けられました。

スタッフ全員が除菌作業の研修を修了。感染拡大防止対策を実践

拭き掃除には和手ぬぐいが適しているとのこと。消毒液を手ぬぐいに吹きかけて使います。

新型コロナウイルスの発生によって、従来よりも除菌や消毒作業が重要視されることになり、フェリーさんふらわあの船内清掃を担当するすべての会社で研修を実施したそうです。

「客船『ダイヤモンド・プリンセス号』の除菌消毒作業を実施した実績がある『株式会社UNISons』※に新型コロナウイルスに対する最高レベルの除菌消毒作業の研修を行っていただきました。ドアノブや手すりなどのわかりやすいところだけでなく、例えばイスの座面両サイドや裏側など、人が行動するうえで思わず触れがちなところにも注意を払って除菌する必要があります。菌の拡散を抑えるために、拭き作業は一方向のみで行うなど、お客さまに安心して乗船していただける作業を実践しています」

研修で学んだ清掃方法を実践しています。

乗船前の検温や体調確認が行われているとはいえ、多くのお客さまが乗船していたフェリー船内の清掃にあたるスタッフの方々も、不安やご苦労があるのではないでしょうか?

「もし、私たちスタッフの誰かが新型コロナウイルスに感染してしまったら、『さんふらわあ』の運航にも影響します。従来以上に、スタッフの体調管理には細心の注意を払っています」

テレビのリモコンも、細部まで消毒作業。
テレビのリモコンも、細部まで消毒作業。

「スタッフは、清掃作業に取りかかる前に、作業箇所の除菌・消毒を行います。自分たちにも感染リスクがありますから、そのリスクを減らしてから作業を始める。そして作業が完了したら、お客さまのために除菌・消毒をして仕上げる。手間は増えますが、安心・安全のためには欠かせない業務ですね」

※株式会社UNISons…公的3機関(アメリカ疾病センター、世界保健機構、厚生労働省)が認定した新型コロナウイルス対処方法を軸にダイヤモンド・プリンセス号の除菌消毒作業を実施した実績があり、新型コロナウイルスに対する最高レベルの除菌消毒作業を提供しています。

乗船客が激減したことで、仕事の“ありがたさ”を実感

新型コロナウイルスの影響で、一時期は「さんふらわあ」に乗船されるお客さまが大幅に減りました。現在では、日によっては満船に近い状態になることも出てきましたが、消毒作業の追加のほかに、お仕事にはどのような変化があったのでしょうか?

「これまでは一隻につき約30人で清掃作業を行っていたのですが、現在は2班に分けて15人ほどで行っています。少ない人数で船内全体を対応するので大変ですが、作業スタッフが船内で密になることも避けなければなりません」
「お客さまの数が減少したことで、作業にかかる時間が短くなる場合もありました。コロナ前は、船内レストランの食器洗浄も私たちの仕事でしたが、現在(取材日時点※)は食器を使った食事の提供が休止中なので、その仕事はなくなっています。仕事があるだけでもありがたい、そう感じるようになりましたね。その想いを込めてより一生懸命、清掃に取り組むようになりました。スタッフは皆、『さんふらわあ』で仕事ができることに誇りを持っていますから」

※2020年11月17日より、関西~九州を結ぶ全航路の船内レストランで、バイキングの提供ならびに食器を使った食事提供を再開しています。

「さんふらわあ」清掃のプロフェッショナルとして、さらなるレベル向上を目指す

請負清掃を主な事業とされているユニオンマリンサービスですが、船の清掃は「さんふらわあ」しか行っていないそうですね。

「他からも声がかかることがありますが、『さんふらわあ』以外は請けないようにしています。というのも、『さんふらわあ』での清掃レベルをもっと上げたいと思っていますし、もっと清掃技術を極めたいと考えているからです」

清掃・除菌が完了したことを示すメッセージカード。裏にお客さまからのコメントが書かれていることも。
清掃・除菌が完了したことを示すメッセージカード。裏にお客さまからのコメントが書かれていることも。
個室のバスルーム清掃・消毒も丁寧に、確実に行います。
個室のバスルーム清掃・消毒も丁寧に、確実に行います。

「お客さまやトラックドライバーの皆さまに、気持ちよくくつろいで、快適な船旅のひとときを過ごしていただきたい。アンケートやメッセージカードに、“きれいな部屋で快適でした。ありがとう”などと書かれていると、本当にうれしくて“こちらこそ、乗船してくださってありがとう”と感謝しますね。同時に、さらなる清掃クオリティ向上を目指さなきゃ、と思います」

幅広い年齢層のスタッフがいらっしゃいますが、全員が「さんふらわあ」清掃のプロ。適材適所の役割を、迅速かつ的確に作業して仕上げていく様は、まさにプロのなせる業でした。
今後、新型コロナウイルスの対策がどのように変化するのか、変わらないのか、それはわかりません。しかし、「さんふらわあ」に安心して乗船できるのは、いつもきれいな清掃、感染リスクを抑える消毒作業を徹底してくださる方々がいらっしゃるからこそです。
次回「さんふらわあ」に乗った際には、ぜひそのことを思い出してみましょう。そして、密になることや大勢の人との接触が少ない「さんふらわあ」での船旅を、安心してお楽しみください。

お客さまに、気持ちよくご乗船いただくために。
さまざまなスタッフが港で働いています。

関西~九州航路 「フェリーさんふらわあ」はこちら

※「フェリーさんふらわあ」のWEBサイトへリンクします。

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