大洗ターミナル株式会社 港運部

もくじ

茨城県の大洗港と北海道の苫小牧港を、夕方便と深夜便の毎日2便往復で結ぶ「さんふらわあ」。首都圏と北海道の旅客輸送と貨物輸送において、重要な役割を果たしています。
今回は、日々、貨物車両や一般車両の安全な誘導を行っている大洗ターミナル株式会社港運部の小林さんと石田さんにお話を伺いました。

貨物の積み込み図面に従いつつ、出港ギリギリまで調整

大洗港では、陸上9名、車両甲板13~14名で対応されているそうで、小林さんと石田さんは、陸上での車両誘導を担当されています。

「陸上では車両の誘導やドライバーさんへの説明・案内、一般車両のボーディングチェックなどを担っています。船内の車両甲板のスタッフは、車両や貨物の誘導とラッシング(航海中に貨物や車両が移動したり、荷崩れしたりすることを防ぐためにワイヤーなどで固定すること)を行っています」

多くのドライバーさんと顔なじみ
多くのドライバーさんと顔なじみ。

苫小牧からのフェリーが入港して、再び出港するまでには、具体的にどのような仕事をされているのでしょうか?

「船が港に入る前に、その船に載せる貨物のブッキング台帳を受け取り、積み込む貨物のチェックをします」
「船が入港し、貨物と車両がすべて下船したら、積み込みが始まります。船の車両甲板図面が描かれた『プランニング』と呼んでいる図面には、どこにどの長さの貨物を積むかなどが記されています。その図面と、ターミナルに到着している貨物とを照合しながら、陸上と車両甲板でトランシーバーを使って連携を取りながら、車両を誘導して積み込みを行います」

ランプウェイに誘導。

急な変更などはないのでしょうか?

「深夜便に予定していた貨物が夕方便に変更になったり、出港間際になっても貨物が到着していなかったり、いろんなハプニングが起こります。貨物の配置をギリギリまで調整しなければならないこともありますが、こまめにコミュニケーションを取り合って対応しています」

仕事に集中しつつ、周囲の安全確認も怠らない

夕方便と比べると深夜便のほうが貨物が多くて忙しいのでしょうか?

「深夜便のほうが早めに貨物が揃っているのでスムーズですね。夕方便は、ギリギリまで調整があり、忙しくなり始めるのは16時半くらいからで、18時あたりからピークを迎えます」

トレーラーヘッドのドライバーさんには、積み込む貨物(トレーラーシャーシ)の順番などの連絡も行います。
トレーラーヘッドのドライバーさんには、積み込む貨物(トレーラーシャーシ)の順番などの連絡も行います。
常にプランニング図面を確認し、的確に車両を誘導。
常にプランニング図面を確認し、的確に車両を誘導。

忙しい時間帯は、緊張感がありそうですね。

「トレーラーがひんぱんに行き交う中で車両誘導を行いながら、車両甲板との連絡と調整を繰り返します。図面を見て集中して仕事をしなければいけませんが、周りも確認しなければいけません。車両も移動しますし、私たちも歩き回りますから、ドライバーさんと自分の安全にも気を配って作業にあたっています」

集中力と周囲を見る判断力を短時間で切り替える必要があるわけですね。

お子さんたちの「ただいまー!」「行ってきまーす!」の声に癒される

幼なじみの2人

屋外でのお仕事ですから、真夏や荒天時には身体への負担もあると思います。加えて、コロナ禍で業務中のマスク着用が必要となり、特に夏場の業務は大変そうですね。

「ヘルメットにマスク、雨が降ればレインスーツも着ますから、夏場は結構大変ですね。そんな中でも、北海道から帰ってこられたお車に乗った子どものお客さまが、車のウインドウを下げて「ただいまー!」と大きな声をかけてくださることがあります。お客さまの声には元気付けられますね」

コロナ禍によって現在は中止になっていますが、水戸市の中学校では自然教室の一環として「さんふらわあ」に乗船して北海道へ行く行事が行われています。大洗港を出発する生徒さんたちからは「行ってきまーす!」の大合唱が聞かれていたそうです。少しでも早い事態の収束を願ってやみません。

幼稚園からの同級生。チームワークは抜群

小林さん
小林さん。石田さんとの息はピッタリ。
石田さん
石田さん。小林さんとの仲の良さが伝わってきました。

小林さんと石田さんは同い年で、実は幼稚園からの幼なじみ。その付き合いは40年以上に及ぶそうです。

「入社も一緒で、この仕事に就いて30年。ずっと一緒に仕事をしてきました。子どもの頃からの付き合いだし、お互い相手が考えていることがわかります。2人の間では会話がなくても通じ合うから、トランシーバーがいらないくらい(笑)。2人だけでなく、車両誘導のスタッフみんなも普段からコミュニケーションをしっかり取り合っているため、チームワークには自信があります。急な変更や調整が難しい場合でも、チーム全員で連携を取り合って、安全な誘導、適切なラッシングを行い、定刻出航に間に合わせています」

胸元のトランシーバーで緊密にコミュニケーション。
胸元のトランシーバーで緊密にコミュニケーション。

「初めてお車で乗船されるお客さまにも、丁寧かつ安全にしっかり誘導することを心がけています。不安なことがあれば遠慮なく聞いてください」

お二人からの心強いメッセージを最後にいただきました。安心して「さんふらわあ」での船旅にお出かけください。

お客さまに、気持ちよくご乗船いただくために。
さまざまなスタッフが港で働いています。
首都圏~北海道航路「さんふらわあ」はこちら
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