〔現在の仕事内容〕
現在はLNG事業開発第一チームで、LNG船の顧客営業を担当しています。お客さまは主に国内のガス会社や電力会社です。LNG船は船価が高く、傭船期間が長いので、顧客ごとに求めるニーズが異なります。そのため、双方にとって最適な契約内容を設計することが求められます。
船主側として提示する傭船料には、建造費や金利に相当するCAPEX(キャペックス)、運航に必要な船員費やメンテナンス費などのOPEX(オペックス)が含まれます。一方で燃料費や港費は顧客負担となるため、環境規制や燃費性能なども踏まえたうえでどのようなスペックの船を提示するかが重要です。技術部門と連携し、顧客との会話を繰り返し、最適な提案を組み立てることが私の主な役割です。
市場や技術・コストを踏まえ、
最適な傭船条件を導く面白さ。

LNG船の傭船業務は、まず顧客が希望する使用期間や求める柔軟性を丁寧に把握し、それに合った契約形態を構築することから始まります。近年は環境規制が強化され、GHG排出に対するペナルティも無視できない要素になっています。そのため、建造・運航コストだけでなく、燃費性能や環境対応設備が将来どれほどコスト削減につながるかを示す必要があります。
技術部と連携しながら船のスペックを精査し、提案内容に落とし込む点では高い専門性が求められます。
マーケット環境の読み解きも簡単ではありません。現在は供給過多で傭船市況が厳しい一方、「2030年前後には船が不足する」という見方もあります。但し、新規のLNG生産プロジェクトの立ち上がりが遅延すれば、予定どおり建造された船が市場に余る可能性があります。こうした変動を踏まえて、契約成立のタイミングと条件について慎重に判断する必要があります。この複雑さこそ、仕事の面白さでもあります。
顧客は「安く、柔軟に船を使いたい」と考えますが、船主側には採算性の確保が不可欠です。この利害のズレを埋めつつ、双方が納得できる契約条件を探るプロセスは、知的なゲームにも似ています。数字感覚、為替・金利の動向、技術的理解など、多面的な視点が求められる点もこの仕事の特徴です。
商船三井は若手に主体的な役割を任せる文化があり、担当案件を自ら背負う責任は大きいものの、その分重要な意思決定に関わり、経験値を確実に積み上げられる点がやりがいにつながっています。
財務から営業へ。
二つの視点で築いたキャリア基盤。

大学では政治・国際政治・国際経済・公共政策などを横断的に学ぶ国際総合学類に所属し、国際を軸に幅広い領域を学びました。海運業界に興味を持った背景には、幼少期に暮らしていた離島での経験があります。台風で船が来ないと島から生活物資が消えるという状況を通じて、「船と人々の生活が密接に関わりあっている」ことを実感しました。
就職活動で業界研究を進めるうちに、原体験が「物資を運び、人々の生活基盤を支える」という海運の役割と結びつき、海運業界を志望する大きな動機になりました。商船三井を選んだ理由は、グローバルに活躍できる環境と、多様なバックグラウンドを持つ社員が多いことに魅力を感じたためです。
入社後は財務部の船舶金融チームで3年間、船舶設備資金の借入金管理、新規投資案件の金利計算、新規借入などを担当しました。業務を通じて金利・為替の感覚、採算表の見方・作り方を身につけたことは、現在の業務にも大きく活きています。
4年目に現在のLNG・エタン事業群へ異動し、LNG船の新規営業を担当。LNG船は他の船種と比べても財務の知識が求められる部署のため、財務部での経験が大いに役立っています。
エネルギー転換期の海運で、
専門性と視野をさらに広げていきたい。

現在の部署に異動して1年半。まずは現職で経験を積み、多様な案件を任されるレベルまで専門性を高めることが当面の目標です。LNGの需給は世界情勢と密接に連動し、長期・短期契約の潮流、地政学リスク、環境規制の変化など、多くの変数を読み解く力が求められます。
最適解を導くためには、金融・技術・市場の3つを横断的に理解できる総合力が必要であり、その基盤を強化していきたいと考えています。
中長期的には、どの領域を軸に専門性を深めるかを見極めながら、キャリアの幅を広げることを視野に入れています。財務部での経験と事業開発の経験を組み合わせることで、より複雑なプロジェクトや大型案件に携わる可能性も広がります。さらに、エネルギー分野の変化、GHG規制への対応など、事業横断的な課題に関わることができれば、将来的なキャリアとして大きな成長につながると考えています。
現時点で「最終的なキャリア像」を明確に決めているわけではありませんが、海運というグローバル産業の変化を肌で感じ、その中で自分が付加価値を発揮できる領域を探し続けたいと考えています。
