〔現在の仕事内容〕
三等機関士として、主に居住区に関連する設備の運用・保守を担当しています。空調、造水、冷蔵・冷凍設備、エレベーターなど、乗組員が生活を行う上で欠かすことのできない機器の点検や整備を行うほか、トラブル発生時には原因を特定し、迅速に対応します。船は様々な機器が集合した一つの大規模プラントのような存在であり、これらの設備を確実に維持することは、安全運航に欠かせません。多国籍のクルーと協働する場面も多く、英語を使いながら作業を進めています。専門的な知識や技術力に加え、高度な判断力や安全意識が求められる仕事です。
世界の物流を支える
“海上の現場”で、技術を磨きたい。

大学では航空宇宙工学を専攻し、船舶へのドローン着陸をテーマに研究していました。もともと海や宇宙のようなスケールの大きい領域に惹かれており、それを踏まえて商船三井の海上職を選んだ理由のひとつは、海上勤務と陸上勤務のどちらでもキャリアを築ける柔軟性に魅力を感じたためです。海上勤務では「4か月船上で勤務して、下船後2か月間休暇」というオンオフが明確な働き方も、自分に合っていると感じました。
また商船三井には「自社養成コース」という制度があり、理系・文系を問わず海上職として働くことができるコースがあります。入社後の2年間、国家資格である海技士資格取得のための教育を受けられる点も大きな後押しになりました。機関士の資格試験は難関ですが、合格した際は大きな達成感がありました。
実際にプロの機関士として現場に出てみると、日々の整備が船舶の運航に直結し、それがアジアからヨーロッパまで続く物流を支えているという実感があります。巨大な船の一部を任され、安全運航や船内生活の基盤を守る技術者として責任を果たしていることに、大きなやりがいを感じています。
これまでLNG船とコンテナ船に乗船してきましたが、今後は自動車船やタンカー、バルカーなど、別の船種にも挑戦したいと考えています。経験する船種によって見える景色も学べる知識も大きく変わるため、若手の内は幅広く経験を積み、今後より高い専門性を身につけたいと思っています。
多様な船に乗り、
技術力と判断力を高めていく。

乗船する船は固定ではなく、下船のたびに次の配船が通知されます。船種や航路、乗組員もその都度変わるため、毎回新しい環境に適応する必要があります。外航船の運航パターンは多様で、日本にほとんど寄港しない船もあれば、月に一度寄港する船もあります。こうした環境で働くことで、状況判断力や柔軟性が自然と高まっていることを実感しています。
直近では、アジアとヨーロッパを往復する大型コンテナ船に乗船し、5月から9月まで勤務しました。約2万個のコンテナを積む巨大船で、自分が整えてきた設備の上で膨大な物流が動いていることを実感し、仕事の責任と意義を改めて感じました。
初めての乗船では、経験不足から部品を破損してしまう失敗もありました。この経験をきっかけに、作業前のリスク洗い出しや上司・先輩社員への相談を徹底する姿勢が身につきました。日々の積み重ねの中で、技術力と判断力が確実に成長していることを実感しています。
三等機関士として担当している居住区関連設備の運用・保守作業は一見地味な領域に思えるかもしれませんが、乗組員の生活環境を整えることは、船全体の安全運航に大きく貢献しています。「生活を支える技術」は航海の裏側で確実に機能している必要があり、その維持を任されていることに誇りを感じています。現在は次の配船を待ちながら、次の現場で何を学び、どう成長できるのか楽しみにしています。
海と陸を往復しながら、
技術者として成長していきたい。

後輩の三等機関士も増え、育成に携わる機会も多くなりました。自分が現場で学んだ知識や安全への姿勢を丁寧に伝えることは、組織全体の質を維持するうえでも欠かせない役割だと感じています。商船三井には経験豊富な上司・先輩方が多く、技術面でも精神面でも支えてもらえる環境があります。
今後のキャリアとしては、エネルギー分野やデジタル領域にも関心を広げ、陸上勤務で新たな知見を得たうえで再び海上に戻った際にそれを活かす働き方も視野に入れています。まずは二等機関士になるべく上級資格取得を目指し、より信頼される技術者になることが目標です。
最後に、これから海上職を目指す皆さんへ。商船三井の海上職には文系出身の社員も多く、入社後の研修で機械や設備の基礎をしっかり学べるため、専攻に関わらず挑戦できる環境が整っています。海運は世界とつながる仕事であり、努力を続ければ活躍の場は大きく広がります。海や船に興味がある方には、ぜひ躊躇わずに最初の一歩を踏み出してほしいと思います。
