船好き船長さん大感激

船好きで知られた漫画家柳原良平さんの第二船の本出版記念会が、11月26日夜、東京パレスホテルで開かれた。
柳原さんには、3年前わが社から一等航海士のユニホームを差し上げた経緯があり、この機会に、多年海事思想の普及に尽くされた抜群の功績を認め、わが社社長名で、青山専務から名誉船長の称号と船長帽を贈った。
制服制帽姿の思いがけない柳原名誉船長の誕生に、百人余りの参会者は拍手かっさい。つづいて河毛海上保安庁長官、有吉日本郵船社長、作家でこれまた乗り物好きの阿川弘之さんらからユーモアとウイットあふれたお祝いのことばが述べられた。
こどもたちに絵を描きながら海と船の話をする名誉船長(2002年6月)
こどもたちに絵を描きながら海と船の話をする名誉船長(2002年6月)
とくに、有吉郵船社長の、「今夜は商船三井に先を越されたので、次はひとつ日本郵船名誉社長に..」のことばに爆笑と拍手を呼んだ。“第一船の本”が出版されたのが昨年春。せいぜい5,000部も出れば「御の字」という当初の予想がみごとはずれて約20,000部6版を重ね、こんどの“第二船の本”もすでに10,000部。返信用はがきで、著者にお好みの漫画が注文できるが、希望の最も多いのが日本丸、次いで、あるぜんちな丸といった順。毎日せっせと30枚ぐらい書き送っているが、一番手のかかる日本丸だけは、ついついあと回しになり、まことに申しわけない由。 この日、少年ファンを代表して目黒区に住む本間君(10歳)が招待されたが、77歳のおじいさんから1歳6カ月の坊や(ただしお母さんの代筆)まで、すこぶる幅広い読者層に感激の筆者、ますます船好き精神を高揚して、海と船のprに努めたいとのことである。

(昭和44年12月号 商船三井社内報「うなばら」より)