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WAKASHIO事故における当社のモーリシャス環境回復・社会貢献活動について


1. WAKASHIO事故に対する当社認識と対応について

当社がチャーターしていたばら積み貨物船がモーリシャス共和国で座礁による油濁を起こし、現場水域と地域の自然環境や、地域社会とその産業にも大きな影響を及ぼしています。

当社は、船主との間における用船契約において本船を利用していた関係者として、人員の派遣や流出油回収用の資材提供など、現地のニーズに沿った具体的な支援を通じ、油濁の早期除去と今後の環境回復や地域社会への貢献に注力して取り組んでまいります。

あわせて、本件に関する当社の対応や取り組みについて、この特設ページを通じて情報公開に努めてまいります。


2. 当社の行っている活動

(1)現地に派遣した社員の活動

(2021年4月8日更新)
【食料支援パックの配布】

モーリシャスでは新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の再流行により、政府は2021年3月10日から2回目のロックダウン措置を実施しており、2021年4月30日までの延長が決定されました。この地域の家族の多くは、2020年3月に実施された1回目のロックダウンにより、経済的・社会的に困難な状況に置かれており、油濁の影響をすでに受けている漁業従事者(登録・非登録漁師)や船頭業を営む人々も含まれています。

3月30日(火)、MOL (Mauritius) Ltd.は、Caritas Mauritius(*1)およびCelero社(*2)と共同で、マエブール地区の60世帯以上を対象に食糧支援プロジェクトの展開を決定しました。

(*1) Caritas Mauritius:モーリシャスを拠点とする国際的な非政府組織 (NGO)で、社会的弱者へサービスを提供し、貧困層の生活の改善に努めています。

(*2) Celero社:モーリシャスに拠点を置く独立系ロジスティクスグループで、事故後は、現地代理店として商船三井をサポートしてきました。

各家庭には、米、レンズ豆、油、缶詰、牛乳、シリアル、ビスケットなど、2週間分の必要物資と、歯磨き粉、石鹸、ティッシュペーパー、生理用ナプキンなどの衛生用品が入った支援パックが提供されました。

MOL (Mauritius)は、3名のチームメンバーの協力に加えて輸送面の支援してくれるCelero社と共に、マエブール周辺の貧しい村々(バンブー・ヴィリュー、グランド・セイブル、セント・ヒューバート、セント・イレール)を訪問し、支援パックの配布を実施しました。また、支援パックの半分は、シテ・ラ・ショー、シテ・トール、タイタニックといった特に困窮する地域に納めました。

MOL(Mauritius)、Caritas Mauritius、Celero社と共同で、マエブールのノートルダム・デ・アンジュ教会で支援パックの準備を行いました。
食品や衛生用品を詰めた支援パック。
バンブー・ヴィリューでの配布
グランド・セイブルでの支援パックの配布

昨年8月に油濁事故が起きたのもまた、新型コロナウイルス感染症の影響下でした。商船三井はこのことを受け止め、今後も様々な制約を受ける地元の方の生活を支える活動を続けていきます。

(2021年2月19日更新)
【現地NGOへのコンテナハウス寄贈式】

2021年1月26日(火)、当社から寄贈した40フィート型コンテナを改造したコンテナハウスがNGOのPrecious Plastic Mauritius(創設者:バレリー・ドゥ・ファルベア氏) へ引き渡されオープンすることを記念し、寄贈式典が開催されました。

Precious Plastic Mauritiusはマエブール地域のポワントデスニー地区を拠点として2019年に設立されたNGOで、ゴミを回収し再生する過程で海岸やマングローブ生息地の清掃を行っています。週に一度トレーラーを引いた自転車で地元家庭への巡回を行うことでプラスチックを回収し、それらをカラフルなコースターとアクセサリーに生まれ変わらせます。昨年までは、住宅街にある小さな工房でプラスチックの再生と小物の試作を行っていましたが、今年1月にマエブール地域のポワントジェローム地区にある公営の土地に建設される青少年用訓練施設に、大型装備を備えた新しい工房を設置することになりました。

設置作業後のコンテナハウス前での記念撮影(1月19日)
MOL (Mauritius) Ltd(※)メンバーとPrecious Plasticの創設者ファルベア氏(中央)
※MOL (Mauritius) Ltdはモーリシャスにおける当社現地法人で、2020年10月29日に設立されました。

当社が寄贈、設置したコンテナハウスはその作業場として、マエブール地域の漁師達にプラスチックの製造や販売技術を教えるための職業訓練や子供たちにどのようにプラスチックを様々な装飾品に再生するかを学ぶ場として提供されます。

寄贈式典はPrecious Plastic Mauritius とモーリシャス青少年スポーツ省(Ministry of Youth Empowerment, Sports and Recreation)とMOL(Mauritius)共同で施設の開館に合わせて開催されました。

式典当日のコンテナハウス

寄贈式典には、ステファン・トロサン青少年スポーツ省長官(Minister of Youth Empowerment, Sports and Recreation)、川口周一郎駐モーリシャス日本国特命全権大使、増田是人同参事官、Precious Plastic Mauritius創設者のファルベア氏、MOL (Mauritius)代表の山下、並びに当社の現地パートナーであるCELEROグループのマーク・ダレイ会長とパトリス・マウレイCEO、また、各省庁からの代表者やNGO団体から著名なゲストが参加しました。

式典は、Precious Plastic Mauritiusのファルベア氏による開会のスピーチで始まり、青少年スポーツ省とMOL (Mauritius)による式開催の為の多大なる支援について強調しました。続いてMOL (Mauritius)の山下が、南部の住民を支援し、この地域に長期的な持続可能性と発展をもたらすための活動に専念するという当社の意欲について話した後、トロサン長官はこの援助がモーリシャスにおける日本政府の支持と連帯の表れだと強調しました。川口大使は、廃棄物管理を見直すことの重要性を強調し、防災の観点からモーリシャスと協力する日本の意欲を再確認してスピーチを締めくりました。

当社は今後も環境回復や現地の方のための活動に対して支援を続けます。

MOL (Mauritius)代表 山下によるスピーチの様子
式典の最後を飾ったコンテナハウス工房開館を記念するテープカット(川口周一郎駐モーリシャス日本国特命全権大使(左)とステファン・トロサン青少年スポーツ省長官(右))
(2020年12月28日更新)
【NGOと共に地元家庭へのクリスマスプレゼント配布】

12月22日(火)、当社派遣団はNGOのPrecious Plastic Mauritius (*) (創設者:Mr. Valery de Falbaire)とともに、モーリシャス南東部のマエブールの貧困地域に暮らす9世帯にクリスマスプレゼントを贈りました。同NGOは、主な活動であるプラスチックのリサイクリングに加え、この地域の他の住民と協力してこれらの家族の支援も行っています。当社派遣団も参加し、当社オリジナルのTシャツとマスクを手渡したほか、子どもや家族には、おもちゃやクッキーもプレゼントされました。当社は今後もこのNGOと協力し、この地域の貧困家庭を支援していきます。

(*) Precious Plastic Mauritiusはマエブールに拠点を置くNGOで、主にプラスチック廃棄物を回収して新たな製品を作るというリサイクル活動を行っています。海岸清掃や、週に一度トレーラーを引いた自転車で地元家庭への巡回を行うことでプラスチックを回収し、それらをカラフルなコースターとアクセサリーに生まれ変わらせます。現在は、住宅街にある小さな工房で試作を行っており、2021年1月には、公営の土地に建設される青少年用訓練施設に、大型装備を備えた新しい工房を設置し、再生プラスチックでテーブルや椅子などの製作を開始する計画です。当社は、その工房として使用して貰うためのコンテナハウスを寄贈しました。この工房では、施設のあるマエブール地域の漁師達にプラスチックの製造や販売技術を教えるための研修も行います。

プレゼントを届けたあとの記念撮影
(オリジナルTシャツを着用しているメンバーの左からValery de Falbaire氏と当社派遣団)
用意された当社からのプレゼント
【モーリシャス政府と日本国大使館とクリスマスパーティーを共催】

12月23日(水)、当社はモーリシャスの漁業担当省(the Ministry of Blue Economy Marine Resources, Fisheries and Shipping of Mauritius)と在モーリシャス日本国大使館との共催で、マエブールの近隣で同じく油濁事故の影響を受けたバンブー・ヴィリュー地区にある小学校において、クリスマスパーティーを催しました。パーティーへは、約250名の地元の小学生とその保護者が招待されて参加しました。

クリスマスのスピーチとして、川口周一郎駐モーリシャス日本国特命全権大使、スーディア・マウドゥ漁業省大臣(Minister of Blue Economy Marine Resources, Fisheries & Shipping)、マヘン・シーラトゥン大臣(Minister of Financial Services)、ナヴィエナ・エアミャド氏(Government Chief Whip)、リーナ・ユットン氏(Permanent Parliamentary Secretary)、当社の山下、 並びに当社の現地パートナーであるCELEROグループのパトリス・マウレイCEOから行われました。

パーティーでは、モーリシャスで大変人気のマジシャンであるウスタッド・ラハ(Ustad RAJA)によるマジックショー、続いて民族音楽と、セガダンス(Sega)という有名な民族舞踊が披露され、場を盛り上げました。
サンタクロースから子供たち全員におもちゃなどがプレゼントされ、当社からは現地で製作したオリジナルTシャツとマスクを贈りました。最後に、地元で有名なホテルのシェフによるおいしい昼食とデザートもふるまわれました。

官民のパートナーシップによって実現した本イベントは子供たちの笑顔をもたらし、日本とモーリシャスの協力関係強化にも繋がるものとなりました。
当社は今後もモーリシャスの方たちと共に、現地コミュニティへの貢献活動を続けます。

パーティーの開始を待つ子供たち
シェフから食事を受け取る子供たち
サンタクロースからのプレゼントを配布される子供たち
(2020年12月25日更新)
【NGOによる保育施設新設プロジェクトへの支援】

12月10日(木)、当社派遣団は当社から資金援助を行うことが決定した、マエブール・エスポワール(Mahebourg Espoir)を訪ねました。マエブール・エスポワールは油濁エリアからほど近い地域であるマエブール(*)で経済的に恵まれない住民を支援する地元のNGOで、家庭の経済事情などを理由に学校に通えなくなった子ども達のための教育施設、マエブール・エスポワール教育センター(Mahebourg Espoir Education Centre、以下「MEEC」)を運営しています。
(*) 地域では海や漁業に頼る生活を送る方が多く居住しています。

MEECでは整備された中古コンテナを繋げた教室のほか、体育館や様々な作業室、音楽やパソコンなど、さまざまな技能を学べる施設も備え、現在約50名の生徒が学んでいます。また団体では経済的に貧しい地区の中にある保育施設の支援も行っており、現在2歳から5歳までの子ども約25名が通っていますが、この施設では現在小さなアパートの一室で一人の保育者がすべての子供の世話をしており、法定基準に満たない施設の状況により、閉鎖の危機に瀕しています。この状況に対してマエブール・エスポワールがMEEC内により多くの子供を受け入れられる新しい保育施設を設置する計画を立ち上げたことを知り、当社では地域と子供のための意義あるプロジェクトとして資金援助を決定しました。

派遣団メンバーは覚書の締結と共にMEECの生徒たちの前でスピーチを行い、持参したTシャツなどの配布を行いました。当社は今後もモーリシャスの方たちと共に、現地コミュニティへの貢献活動を続けて参ります。

MEECの生徒たちの前でスピーチを行う派遣団メンバー
覚書締結の様子
(左端がマエブール・エスポワール副代表のAnnick女史)
生徒たちに地元で制作したオリジナルTシャツとマスクを手渡す派遣団メンバー
(2020年11月27日更新)
【NGOへのコンテナ寄贈】

11月13日(金)、ならびに20日(金)の2日間をかけて、モーリシャスを拠点に環境保護活動を行うNGO、EcoMode Society(*)へコンテナ4本の寄贈を行い、引渡し式に当社派遣団が参加しました。
寄贈したコンテナは同団体と当社派遣団が行った面談を通じて10月に要望を受けたもので、中古のドライコンテナの確保、現地で外装・内装工事のほか、設置場所の搬入経路や土台工事を含めて当社で手配を行ってきました。今回の寄贈を経て、コンテナは団体が手掛けるサンゴの移植・再生プロジェクト用にサンゴモニタリング資材倉庫、ワークショップやカンファレンスセンターとして活用される予定です。
当社ではモーリシャスの環境回復への貢献の一端として、EcoMode Societyを含む各種団体への息の長い支援を続けます。

土台工事~最初のコンテナ2本の搬入の様子(11月13日)
(写真左)設置工事完了後、寄贈したコンテナ前で関係者の記念撮影(中央がEcoMode Society代表Nadeem Nazurally氏)
(写真右)コンテナ全4本が設置された敷地

(*) EcoMode Societyは2012年にボランティアの集まりとして発足したモーリシャスを拠点とする団体で、2016年からはNGOとして本格的に活動を開始。主に海岸清掃やCoral Farmingなど海洋環境保護に力を入れている。

【現地派遣団の引き継ぎ】
9月から現地で活動を行ってきた当社第三次派遣団のうち3名が11月21日(土)までに現地活動任務を終え帰国しました。今後は派遣団長の下、一層現地に根差した活動に注力していきます。
(2020年11月13日更新)
【油吸着資材の引き渡し式典】

11月5日(木)、モーリシャス港湾当局(Mauritius Port Authority、以下「MPA」)に日本の各社から寄付された油吸着材などを引き渡す式典が開催され、資材の輸送を担った立場として、当社派遣団も出席しました。資材の引き渡しは8月下旬から実施してきましたが、今回の式典においてはMPAのラマリンガム長官より事故以来当社派遣団が支援活動を行っていることにも触れ、また油吸着資材の寄付を通じてMPAの運営を助ける日本企業(*)に対して丁寧な感謝の言葉をいただきました。式典では当社派遣団長からも輸送者の立場で寄付に立ち会えることへの思いを述べ、資材の引き渡しと署名を行いました。
今後も現地派遣団を通じた活動はもちろん、輸送を担う立場で国内外からの支援を現地に届ける形での貢献も続けて参ります。

(*) 今回は昭和電工マテリアルズ株式会社様、帝人フロンティア株式会社様、株式会社ネオス様の3社から提供いただいた油吸着資材を引き渡しました。これまでに石油資源開発株式会社様からも資材の提供をいただき、現地関係者への引き渡しを完了しています。
現地ニーズに沿って輸送する資材を決めているものの、その他多くの企業の皆様より資材提供の申し出を頂いております。

各社ロゴステッカーの貼られた寄付資材
握手をするMPAラマリンガム長官と当社派遣団長
署名を行う当社派遣団長
贈呈後の関係者記念撮影
(2020年10月30日更新)
【オリジナルTシャツとマスクの配布】

10月16日(金)と26日(月)、現地の油濁清掃現場にて当社が手配したオリジナルTシャツとマスクの配布を行いました。Tシャツの配布は当社派遣団が様々な面談や意見交換を行う中、現地の方からいただいた提案を基に手配を決めたもので、地元の漁民など清掃作業に従事する皆さんに防護服(PPE)のインナーとして着用して頂くことを目的としています。

9月に当社社内公募を経てデザインが決定し、モーリシャス国内の制作会社に発注したものが納品されたことを受け、現地派遣団総出で清掃現場へ赴き配布を行いました。
当日は派遣団長より当社の紹介や配布の趣旨を説明したのち、当社オリジナルTシャツと布製マスクの配布を行い、多くの方に受け取ってもらうことができました。現地の業者へモーリシャスの方が好きな色を相談した上で決定した青と白のデザインは現地の清掃関係者からも大変好評をいただき、その場で新しいシャツに着替える作業員や家族の分も求める声などで現場は一時賑わいました。
小さな取り組みではあるものの、地元の方に直接届く活動を通じて当社の思いを伝えるべく、今後も現地派遣団と共に力を尽くしていきます。

Tシャツとマスクを配布する当社派遣団と受け取りに集まった作業関係者の皆さん(10月16日)
Tシャツを受け取ってくれた皆さんと当社派遣団メンバー(10月26日)
当社社内公募デザインを基に制作した当社ロゴ入りオリジナルTシャツとマスク
胸の「We love Mauritius」の「M」にはモーリシャスの国旗の色が使用されており、横ストライプ4色のうち「青」はインド洋を象徴しているとされる
今後は当社内での販売も行い、モーリシャスの環境回復と社会のための寄付に繋げる予定
(2020年10月23日更新)
【第二次派遣団の帰任と第四次派遣団着任】
10月16日(金)、8月末からモーリシャスで活動していた当社の第二次派遣団6名が離任し、10月22日(木)には新たに2名が第四次派遣団として現地へ到着しました。第四次隊は今後、モーリシャス政府指定の隔離期間とPCR検査結果の確認を経て正式に現地での活動に加わる予定です。
(2020年10月16日更新)
【現地学校訪問】

10月9日(金)、当社現地派遣団はボア・デ・ザムレット(Bois Des Amourettes)の公立学校1校を訪問しました。
同校では油濁の異臭によって4日間の休校を余儀なくされたこともあり、派遣団からは少しでも今後の勉強に役立ててもらいたいとの気持ちを込め、全校生徒に文房具のセットと折り紙の鶴や手裏剣をプレゼントしました。

教職員の皆様と当社派遣団
寄贈した派遣団手作りの折り紙の額縁
【派遣団長交代とこれからの環境・地域貢献へ】

同10月9日(金)、当社の第一次派遣団長・副団長が現地を正式に離任しました。これをもって8月12日から現地で活動してきた一次隊の総員が任務を終えて帰国したことになります。
第一次派遣団(遅れて現地入りした1名を含む)7名は、油濁発生直後の混乱時期に活動を開始し、現場の状況把握や当社対策本部との連絡をはじめ、清掃資材・支援物資の提供に際した現地ニーズの把握や引渡し、日モ両政府や油濁対応諸団体、NPO、現地日本人会などとの情報共有と関係構築において当社活動の先陣を務めました。当社第一陣の入国と滞在に際して力を貸して下さったすべての関係者の皆様に感謝を申し上げます。

派遣団では各官民関係団体へ団長引継ぎの挨拶を行い、近日中に開設を予定する当社モーリシャス内事務所の稼働開始に向け、現地関係者との関係強化のため面談・協議を続けています。
今後は後続派遣団が中心となり、モーリシャスの環境・地域への一層の貢献に努めます。

(2020年10月9日更新)
【現地学校での折り紙教室を開催】

10月6日(火)、当社現地派遣団は現地の学校2校を訪問しました。午前中に訪問した養護学校(Special Education Needs School)では子ども達と一緒に紙飛行機を作り、屋外で飛行大会を催したほか、派遣団長手製の鶴や手裏剣、今後も遊べる折り紙をプレゼントしました。
続いて同日午後に訪問したマエブール(Mahebourg)の小学校では、5年生と6年生の児童を対象に3回の折り紙教室を開催。当社派遣団からは総勢9名が折り紙先生とそのサポーターとして参加し、児童全員に鶴を完成させてもらうことができました。その他、油濁によって一時は外で遊ぶことを制限されていた現地の子ども達への思いを込め、両校には他にも図書数冊ずつの寄贈を行いました。
当社派遣団は、今後も現地の方の声を聞ける活動を続けていきます。

養護学校教職員との記念撮影
子ども達からプレゼントされたメッセージカードを持つ当社派遣団団長(中央)と当社で社内公募されたデザインのTシャツを身に着けた派遣団メンバーと関係者
プレゼントした鶴と手裏剣
小学校での折り紙教室の様子(左)書籍と共に寄贈された派遣団手製の額縁(右)
【派遣団第3次隊の隔離期間終了】
同10月6日で第3次隊4名の新型コロナ指定隔離期間が終了し、PCR検査結果が全員陰性であったことから、同日より現地での本格的な活動を開始しました。
(2020年10月2日更新)
【リーファーコンテナ設置候補場所が決定】

9月18日(金)に当社現地派遣団は現地漁業担当省(Ministry of Blue Economy, Marine Resources, Fisheries and Shipping)及び現地農業市場委員会(Agricultural Marketing Board、以下「AMB」)関係者と面談をもち、9月11日(金)に引き渡したリーファーコンテナに関し、AMBの敷地を設置場所の第一候補として検討を開始しました。

このコンテナは、同国漁業省大臣との面談における要請に基づき、現地漁民の生活支援とコールドサプライチェーンの整備支援のため、当社自動車船を利用してシンガポールからポートルイスまで輸送、及び寄贈したものです。
今後、複数の漁業組合のために内部を均等分割する内装工事のほか、電源供給や鍵、閉じ込め防止装置(パニックボタン)の設置などさまざまな準備を進めつつ、早期に現地の方に使って頂けるよう調整を進めます。

リーファーコンテナ設置予定地の様子
(2020年9月25日更新)
【第三次派遣団現地到着】

当社からの第三次派遣団4名は9月21日(月)に現地に到着しました。今後は先陣と同じく新型コロナウイルスの感染拡大防止を考慮したモーリシャス政府指示に基づき、所定の場所で14日間の隔離期間を過ごす予定です。

また、隔離期間を経て活動を開始している第一陣、第二陣では油除去・清掃班、ロジスティクス・資材提供班など複数の担当班に分かれて活動を行っています。連日、現地の団体/企業との面談をはじめ、日モ両国政府関係者との情報交換に努めていますので、今後も進展をお知らせしていきます。

(2020年9月17日更新)
【モーリシャス首相への表敬訪問】
当社派遣団表敬訪問時の写真(右から3番目がPravind Jugnauth首相)

当社現地派遣団は9月10日(木)午前、ポートルイスの首相官邸(New Treasury Building)にてモーリシャス共和国のジャグナット首相を表敬訪問しました。

当日は第一次派遣団長から事故の顛末や当社立場をはじめ、当社の今後の取り組みについて説明を行い、首相からは同国としての受け止め方や日本政府派遣の専門家チームへの期待、今後同国が当社に求める支援などについて好意的なコメントをいただきました。また、10月にモーリシャス国内に設立予定の当社事務所に関して、駐在員着任後の面談、ならびに今後の相互協力について快諾されました。

【官民合同 清掃資材引き渡し式】
当社資材贈呈の様子
(左からMoheenee NATHOO環境省事務次官、加藤義治在モーリシャス日本国大使、Kavydass RAMANO環境大臣、当社第二次派遣団長)

また同日、ブルーベイ・マリンパークセンターにおいて開催されたモ日両国関係者による官民合同の清掃資材引き渡し式が開催され、当社第二次派遣団が出席しました。

引き渡し式にはモーリシャス政府よりラマノ環境大臣、日本側より加藤義治在モーリシャス日本国大使も出席し、開会の辞においてラマノ環境相から日本の資材・技術両面の継続的な援助に対して感謝の意が示されました。清掃資材の贈呈に際し、当社第二次派遣団長からは「資材提供ははじまりの一歩であり、今後もモーリシャスに対して中長期的な支援を継続していく」ことを伝えました。

【リーファーコンテナ引き渡し式】
引き渡し式の様子

続いて9月11日(金)、寄贈するリーファーコンテナ(*1)や清掃資材を積んだ当社自動車船PROMINENT ACEが到着したことを受け、現地関係者を交えた引き渡し式がポートルイスの埠頭で開催されました。
今回の寄贈は8月19日に当社派遣団が現地漁業担当省(Ministry of Blue Economy, Marine Resources, Fisheries and Shipping、以下「漁業省」)大臣との面談時要請に基づき、現地漁民の生活支援とコールドサプライチェーンの整備(*2)支援のための寄贈を決定し、現地へ寄港を予定していた当社自動車船を利用してシンガポールからポートルイスまで輸送したものです。

引き渡し式では漁業省局長(Director of Fisheries)から感謝の意とともに今後漁民の経済支援に繋げていきたい旨の声明があり、また当社派遣団長からは今後もモーリシャスの支援を継続していくことを伝えました。

今後は寄贈したリーファーコンテナの最適な設置場所の検討を含め、漁業従事者をはじめとする現地の方への最適な支援を目指し、引き続き現地のすべての関係者とともに取り組んでいきます。

(*1) 冷凍/冷蔵の温度設定が可能なコンテナ。今回は40フィート(約12メートル)型1本の寄贈を行った。

(*2) 油濁による漁業の制限により通常より遠い海上に出て漁業を行っている漁民のため、水揚げした水産物をできるだけ早く冷凍して出荷することを想定しています。

(2020年9月10日更新)

14日間の隔離期間を終了した当社第一次派遣団は8月26日(水)より本格的な現地活動を開始しています。 これまでに、現地対策会議への定例的な出席の他に、モーリシャス・日本両政府関係、NGOなどの諸団体、現地日本人会など、これまで合計で約30組織の50人以上の関係者とヒアリングや協議を持ち(註)、当社が行える、また行うべき活動や貢献を調査・立案・実行しています。現地企業である船舶代理店を起用することで、地域の状況や情報の多角的な把握を目指し、派遣団の現地での円滑な活動のためのサポートを得るなどしています。

(註)9月7日(月)現在

また8月30日(日)までに現地へ到着した当社第二次派遣団6名は9月5日(土)に到着後2回のPCR検査受検などを終えています。モーリシャス政府指定の隔離期間が終了する9月13日(日)以降の活動開始に備え、引き続き指定隔離場所(現地宿泊施設)で情報収集や各相手先との協議等にあたっています。

(2020年8月28日更新)

当社社員6名が、現地や関連する当局との連携、情報収集、油濁拡大防止・流出油回収の支援を目的として8月12日(水)に現地に到着しました。 現地では、モーリシャス政府の新型コロナ感染拡大防止策に基づき入国後14日間は外出が制限されていましたが、その間も各相手先との情報収集・折衝と制限解除後の行動計画立案に注力しました。6名のうち一部の社員は、例外としてコロナ対策の外出制限を解かれ、各組織との折衝や、各種会議に出席して発言するなどにも取り組んでいましたが、8月27日(木)からは、全員の外出が可能となり、現地対策会議や、関係当局との協議などを行っています。

また、油濁除去等の現地での活動に必要な物資の保管管理と配送を行うべく、在庫物流管理に長けた専門家を物流子会社である商船三井ロジスティクス株式会社より派遣しました。8月21日(金)に日本を出発し、翌22日(土)に現地に到着しています。

続いて社員複数名が8月中に日本を出発予定です。12日(水)に到着した第一陣と同様にコロナ対策として入国後14日間の外出制限が課される可能性がありますが、受け入れ態勢及び入国後の制限や活動範囲を踏まえつつ、現地のニーズに合った活動を行うよう尽力いたします。


(2)自然環境保護・回復プロジェクトと社会貢献活動

当社は、本年9月11日に発表した「自然環境保護・回復プロジェクト」の下、「マングローブ保護・育成」、「サンゴ礁回復」、「野鳥の保護・希少種保護に関する研究支援」をはじめ、漁業、水産業や観光業などを含む産業や地域社会へ貢献する活動を中長期にわたって進めるべく取り組んでいます。プロジェクトの発表以来、各分野の専門家や研究機関などに協力を頂き、事故の影響に関するアセスメントを実施していますが、以下ではそれらを含めた活動状況をお知らせしていきます。

(2021年2月26日更新)
【漁師支援活動における地元NGOとの連携】

モーリシャスに拠点をおく国際NGO、Caritas Mauritiusは、1965年に設立され、「慈善と献身性と専門性を主眼に置いた支援」を活動の信念としています。当社は油流出事故により活動を制限された漁業従事者やその家族を支援する同団体のプロジェクトに協力することを決定しました。

支援内容について合意し握手を交わす両者

油流出事故の後、モーリシャス政府はブルーベイからトロウ・ド・ドースまでを制限区域に指定し、漁業を含む海へのアクセスが全面的に禁止されました。これを受けたCaritas Mauritiusの活動は当初緊急救援サービスに焦点が当てられ、その後影響を受けた漁業従事者やその家族への影響と必要性を特定するための詳細な調査を通じ、社会的弱者のための職業訓練や住宅支援など、彼らを短期的に支援するための革新的なプロジェクトへと発展しました。
当社は、水産専門家の東条斉興氏(*)に依頼し、モーリシャスで水産セクターを支援する方法、ならびにCaritas Mauritiusが展開するトロウ・ド・ドースの漁業従事者のためのプロジェクトの有効性について調査を行いました。東条氏の調査による慎重な検証の結果、当社はCaritas Mauritiusの構想に賛同し、プロジェクトの活動に貢献することを決定しました。当社が支援する本プロジェクトを通じて、漁業従事者は新しい漁具を入手できるほか、代替の生計手段につながる園芸、農業や養鶏の訓練を受けることができます。

(*)2021年2月現在、東条斉興氏は北海道大学大学院水産化学研究院で助教を勤める。

東条氏とトロウ・ド・ドース地域の漁業従事者による意見交換後の記念撮影

地元漁業従事者との交流は、当社活動に対する地域の受け止め方を知る機会にもつながり、再認識した意義を原動力として、当社は沖合漁業分野の高度訓練や、漁獲物の質と流通を維持するためのバリューチェーン強化など、地元漁業従事者へのさらなる実践的な支援を模索したい考えです。 当社は、Caritas Mauritiusとの連携を通じて、モーリシャスの漁業従事者に有効な支援を提供していきます。

(2021年1月18日更新)
【マングローブの調査・保全活動における現地NGOとの協力】

モーリシャスに拠点を置くNGO、Reef Conservation(註)は、調査、研究、教育を通して、モーリシャス沿岸の環境保全活動に取り組むNGOです。当社は、油流出事故による環境への影響を踏まえ、マングローブの調査・保全活動において、同団体のプロジェクトを支援することを決定しました。
当社は、事故直後に政府の国際緊急援助隊の一員としても活躍したマングローブの専門家・宮城豊彦氏に、現地での調査および同プロジェクトの監修を依頼しました。今後は宮城氏の協力の元、日本の最先端技術を現地マングローブのモニタリングにおける活用に繋げていく考えです。事故による汚染地域のみならず、モーリシャス全土のマングローブの生態調査を行うことで、事故発生前以上に健全な環境の回復を目指し、Reef Conservationと共に歩んでいきます。

Reef Conservationのプロジェクトコーディネーター、F.バゲット氏 マングローブ生態系における事故の影響を把握する為、国際緊急援助隊やJICA調査団とも共に活動した
マングローブの地形を調査する宮城氏
モーリシャスの調査チームも指導する
マングローブ保護意識向上の為、Reef Conservationによる地元の子供たちへの教育イベントで展示されたマングローブ

(註)Reef Conservationホームページ

(2020年12月18日更新)

自然環境保護・回復プロジェクトとして、当社では山階鳥類研究所およびバードライフ・インターナショナル東京の協力を得て、鳥類への影響調査を行っています。以下では10月25日より現地へ渡航して調査活動を行って頂いているバードライフ・インターナショナル東京・上沖正欣特別研究員*より寄せて頂いたコラムを紹介します。当社は、モーリシャス本来の美しい自然や生態系を取り戻すために、環境回復支援への貢献を続けていきます。

【鳥類への影響調査】

バードライフ・インターナショナル東京
特別研究員 上沖正欣

モーリシャスで一番有名な鳥は「不思議の国アリス」や「ポケモン」に登場するドードーです。土産物店にはドードー柄のTシャツや置物がずらりと並んでいます。しかし、ドードーは入植者による乱獲や森林伐採などにより300年ほど前に絶滅してしまいました。

木彫りのドードー
島内全域に見られる広大なサトウキビ畑

現在もリゾート地開発、島の大部分を覆うサトウキビ畑、外来種の侵入によって本来の自然は失われたままとなっています。かつてモーリシャス全土を覆っていた森林は今や20%弱(天然林に至っては僅か約2%)しか残されていません(註1)。その僅かに残された森に、モモイロバト、モーリシャスチョウゲンボウ、モーリシャスベニノジコなどの希少な固有種が生息しており、National Parks and Conservation Service(註2)やThe Mauritian Wildlife Foundation(註3)による手厚い保全活動がおこなわれています。

モモイロバト
モーリシャスベニノジコ
油濁清掃が完了した地点で休息するチュウシャクシギ
座礁地点近くを飛ぶシラオネッタイチョウ

油濁発生当初はこれらの希少種や、沿岸部に生息する水鳥について、油が付着し飛べなくなったり、死んでしまったりするなどの直接的被害が懸念されました。実際に、油漂着直後の8月には、1羽の死んだササゴイが見つかっています(註4)。しかし幸いにも、希少種が生息する森林への油の流入はなく、沿岸部においても、地元の方々や清掃業者による迅速な油回収作業がおこなわれたため、その他の直接的被害を受けた鳥は、12月現在まで確認されていません。
一方で、間接的・中長期的な影響については未知数です。汚染地域だけでなく非汚染地域も含め、油濁の清掃・回収が完了した後も継続的なモニタリングをおこなっていく必要があります。絶滅したドードーはもう戻ってきませんが、モーリシャス本来の美しい自然や生態系を取り戻すためには、油の漂着した沿岸部だけでなく、内陸を含めた島全体の環境回復が不可欠であると感じています。

(註1) 参考資料:
* Norder et al. (2017) Assessing temporal couplings in social–ecological island systems: historical deforestation and soil loss on Mauritius (Indian Ocean). Ecology and Society22: 29.

(註2) National Parks and Conservation Service:国立公園の管理、希少種保全などをおこなう政府組織。

(註3) The Mauritian Wildlife Foundation:モーリシャスに生息する希少種保全に取り組むNGO

(註4) J.H. Garadenne & L. Kihumba (August 13, 2020), Mauritius oil spill: environmental crisis unfolds, BirdLife International.
上記文章内の”wader”がササゴイ(Striated Heron)であることを確認済み。

* バードライフ・インターナショナルは1922年に英国で発足した、世界で最も古い歴史を持つ国際環境NGOの一つで、自然資源の持続可能な使用に向けて協力しながら、鳥類とその生息地、世界の生物多様性の保全のため活動しています。(活動紹介動画はこちら

同団体日本法人の特別研究員である上沖正欣氏は、当社自然環境保護・回復プロジェクトの下で現地入りし、山階鳥類研究所の水田拓氏や地元団体と連携して鳥類への影響調査を行っています。(バードライフ・インターナショナル東京


(3)資機材の調達・現地への輸送

当社は、漏れた油の回収や除去作業に有用な資材(以下註)を手配し、緊急輸送を行っています。第一便は8月23日(日)に現地に到着しました。必要な箇所で有効に活用されるよう、現地の関係組織と協議しています。事故対策会議の場において同国副首相ら首脳から謝意もいただきました。第二便は8月28日(金)頃に到着予定です。これら以降も、現地で油濁清掃に必要な資材などを提供していくよう、計画中です。

また、油の回収の他、現地の漁業従事者の要望に沿って、長さ40フィート(約12メートル)の海上輸送用冷凍用コンテナを現地に提供する手配を行っています。また、この冷凍用コンテナの他にも、物資を海上コンテナに詰めて現地に送る予定です。その他物資輸送には、当社の自動車専用船も活用します。

(註) 油吸着材、防護服、ヘルメット、手袋、防塵眼鏡、フェイスマスク等

今後の活動もこの欄でお知らせしていきます。当社は引続き、モーリシャス及び日本の関係当局と連携して、船主と共に早期の事態解決に向けて全力で取り組みます。


(4)組織対応

9月1日(火)付で当社経営企画部内に「モーリシャス環境・社会貢献チーム」を設置しました。担当業務は以下表のとおりであり、専任者3名が着任して活動を開始しています。さらに10名程度が兼任で担当するよう、体制を拡充予定です。

和文チーム名 英文チーム名 担当
モーリシャス環境・
社会貢献チーム
Mauritius Environmental and Social Contribution Team モーリシャスの環境回復に向けた取り組み、地域社会・産業への支援、モーリシャスの環境・社会貢献に関する渉外(政府、環境団体・NGO、地域社会)

(5)環境NGO、有識者との対話

9月15日、国際的な活動を展開する環境NGOや、環境問題に詳しい有識者の方々にお集まり頂き、当社のモーリシャスへの支援貢献策についての意見交換を行うラウンドテーブルを開催しました(Web開催)。計10社・団体の代表の方より、当社が9月11日に発表した環境回復・地域貢献策に関する非常に幅広いご意見を頂きました。
当社ではこうした貴重なアドバイスを活かしながら、また今後も広く専門家の方々にご助言を求めながら、モーリシャスへの支援貢献策を実行してまいります。

ラウンドテーブル席上では当社現地派遣団が視察した清掃エリアの油濁状況についても説明を実施
(左:9月7日時点の区画4-B クレオール川の南側 ファレス・ルージュ周辺、右:9月8日時点の区画9 ポワント・デュ・ディエーブル周辺)*
* 清掃区画名は現地の各団体で共通に使用されている区分に基づく。

(6)その他

当社ではその他様々な活動を行っており、複数の分野にまたがる活動をはじめ、上記項目に当てはまらない取り組みについてはこちらでご紹介します。

(2021年4月2日更新)
【モーリシャスで制作された一冊の絵本について】

昨年11月、モーリシャスのWAKASHIO油濁事故の影響を受けた海岸前に住んでいる方が「WAKASHIO~OIL SPILL IN PARADISE~(訳:わかしお~楽園の油濁~)」という絵本を制作されました。現地ではホテルや学校などに展示・陳列されており、売上の一部は現地NGO経由、事故の影響を受けた人々の支援に当てられます。
この絵本は英語とフランス語の2か国語で書かれており、分かりやすい文章と絵で、住民の方の気持ちや問いかけが直に伝わってきます。また事故の経緯や現地住民への影響が時系列に説明されています。

絵本の表紙(左)と裏表紙(右)

当社は、この絵本を通して現地における一つの事故の受け止め方を知ることができること、そしてこのような事故を二度と起こさせないとの意識の共有のために100冊を購入し、当社グループ内各社に配布・展示を行っています。
以下では絵本の作者であるスニヴァ・ボニュ氏にインタビューを行い、絵本を制作するに至った経緯や事故とその後の影響を見て感じた思いなどを語ってもらいました。

-  私は誰?(自己紹介)
絵本の著者、スニヴァ・ボニュ氏

私はスニヴァです。ノルウェー出身で、モーリシャスに9年近く住んでいます。

私はモーリシャス人と結婚し、2人の男の子がいます。
私たち家族はWAKASHIOが座礁した隣の村、ポワント・デスニーに住んでいます。
普段、ビーチとラグーンを我が家の裏庭として利用していますが、事故以来毎日WAKASHIOを見てきました。

事故の夜、友人からサンゴ礁にボートがあると聞き、夫はボートで、何が起こっているのかを近くまで見に行きました。
彼はボランティアで、油流出の初日からブーム(*)の設置を手伝っていました。 彼の仕事と海での長い日々を通して、私は絵本を書くのに必要な情報はほとんど手に入れました。

(*) 流出油が広がることを防止するための防除資材。別名オイルフェンス。

-  そして、これはあなたの最初の本ですか?
はい、私にとってこの絵本はまったく新しい方向性になります。
-  なぜ、このストーリーを紙に書き、若い世代を対象とすることが重要だったのでしょうか?
座礁に続くさまざまな出来事を時系列で追っていくことが良い考えだと思いました。
子供はたくさんの疑問を持っていると思うので、何が起こったのか、なぜそうなったのかを説明できるといいなと思いますし、イラスト付きの本が最適な方法だと思います。
-  座礁した船を知った時、あなたはそれについてどう感じましたか?
衝撃的でとても悲しかったです。
まず、この巨大な船が、美しくて健康なサンゴ礁を押しつぶしていることを知りました。
さらに、この船が4,000トンの燃料油を積んでいたことを知ったときは、流出が地域に与える影響が非常に心配になりました。
日が経っても、私が見たところでは、船からの油の除去作業はあまり行われていませんでした。
流出するのではないかと心配していましたが、実際に流出すると悪夢が現実になったような気がしました。
-  この本の内容についてもっと教えてください。
先に述べたように、この絵本はWAKASHIOが座礁した後の出来事を、事実に基づいて年表にしたものです。
各ページには、文章の隣にその内容に関連したイラストが描かれています。
このイラストは、私の友人でもある地元のアーティスト、ヴァレンタイン・モントッキオ氏による水彩画です。
文章は英語とフランス語両方で載せてあります。
-  本を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

ポワント・ディズニーに住んでいる私たちは、WAKASHIO油濁事故の真っ只中にいました。
私たちは、この辺りに住む誰もがそうであるように、直接事故の影響を受けているので、救出作業の成り行きを終始見守ってきました。

WAKASHIOに多くの注目が集まり、残骸が残った後に起こった一連の不幸な出来事。
これらすべてをまとめた本があれば、きっとみんなが欲しがるだろうなと思いました。
300メートル級の船がサンゴ礁に衝突し、油の流出が始まるなんて、そうそうあることではありません。

-  この本に込められたメッセージは何ですか?
この本で伝えたいメッセージは、油流出事故直後にモーリシャスの人々が見せた素晴らしい結束力です。
しかし同時に、政府関係者からの説明がほとんどない中で、出来事を追っていたときの無力感や苛立ちも感じています。
モーリシャスの人々はこの大惨事に深く心を動かされ、何がどのように起こったのかを忘れるつもりはありません。
この本を通して、読者の皆さんが出来事の全体像をより理解してくださることを願っています。
-  支援に乗り出したモーリシャス人の印象は?
みんなが一丸となって助けてくれたことに驚きました。
必要とあらば、躊躇なく油の中に飛び込んでいくし、みんながうまく連携して物事を進めていきました。
-  今後、二度とこのような災害が起こさないためには、何をすべきだとお考えですか?
まず第一に、あの船は絶対に座礁すべきではありませんでした。
レーダーに映るはずだからです。
ですから、私たちに迫る脅威を認識し、それを防ぐために行動できる、より優れた資格や訓練を受けた沿岸警備隊を持つことが優先されるべきだと思います。
-  ばら積み船の傭船社である商船三井について、どのようにお知りになりましたか?
正直なところ、私は商船三井のような海運会社についてはあまり詳しくありません。WAKASHIOが座礁するまでは、まったく知らなかったのです。山下悟郎さんとの出会いは、ポワン・ジェロムのコミュニティ・マーケットでした。
そこで自分の本を売っていましたところ、山下さんが声をかけてくれて、自己紹介と会社「MOL (商船三井)」を紹介してくれました。

事故は、モーリシャスの美しい自然環境と人々の暮らしに重大な影響をもたらしました。
当社は、グループ従業員全体で認識を共有し、今後もグループ一丸となってモーリシャスの人々に寄り添い、中長期的な自然環境回復及び社会貢献活動に邁進します。


3. 9月11日 メディア向け説明会


4. 本件に関する当社プレスリリース一覧


【参考】
事故後の経緯(現地時間)

  • 07月25日(土)中国からブラジル方面に向かう途中にモーリシャス島で座礁(日本時間26日(日)未明)
    船主が同日のうちにサルベージ(救助)を要請。
  • 07月31日(金)サルベージ会社の先発隊が飛行機で現地に到着。PCR検査により、通常の出動より時間を要した。
  • 08月04日(火)サルベージ会社の後発隊が救助船で現地に到着。船主手配の救助作業が開始されるも、悪天候による作業への影響あり。
  • 08月06日(木)救助作業を続けていた最中に本船の燃料油等約1,000トンが流出。
  • 08月12日(水)船外に流出した油以外の、本船に残っていた燃料油のほぼ全量を回収。
  • 08月15日(土)船体が完全に2つに分断。
  • 08月19日(水)船体前部分の離礁作業完了。
  • 08月24日(月)船体前方部分をモーリシャス領海内に沈下。

本船概要
船名: WAKASHIO(ばら積み貨物船)
全長・全幅:299.5メートル・50メートル
乗組員:20名(インド人、スリランカ人、フィリピン人)
船籍:パナマ
竣工年:2007年
船主: OKIYO MARITIME(長鋪汽船株式会社の子会社)※商船三井が用船していた。

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