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世界最高水準の安全運航を目指して

安全運航体制の確立を最優先課題として取り組んだ前中期経営計画を礎とし、今中期経営計画「GEAR UP! MOL」においては、安全運航プロセスの「見える化」を図るとともに、「世界最高水準の安全運航」を目指しています。

安全運航実現プロセスの「見える化」

顧客に安心して選んで頂き、お預かりした貨物を安全に運ぶために、安全運航プロセスの「見える化」を進めています。具体的には、安全性を測るための客観的な指標を導入した上で数値目標を設定し、その達成に向けて取り組んでいます。

  • 4ZEROESのポスター4ゼロ(重大海難事故・油濁による海洋汚染・重大貨物事故・労災死亡事故のゼロ)
  • LTIF(*1)(Lost Time Injury Frequency):0.25以下
  • 運航停止時間(*2):24時間/隻
  • 運航停止事故率(*3):1.0件/隻以下
  • (*1)100万人・時間当たりの労災事故発生件数。全業種平均(2009年)1.62、水運業1.38、船舶製造・修理業1.27(出典:厚生労働省「平成21年労働災害動向調査結果の概要」)
  • (*2)事故による船舶の運航停止時間を1年間/1隻当たりで表したもの。
  • (*3)船舶の運航停止に至る事故発生件数を1年間/1隻当たりで表したもの。

2010年における各項目の結果は以下の通りでした。

  • 1: 未達成。2010年5月、鉄鉱石運搬船の中国山東半島東方沖における衝突・沈没事故が発生。また、傭船において労災死亡事故が2件発生。
  • 2~4:下表の通り達成。

LTIF推移

運航停止事故 平均時間・発生率 推移

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エラー連鎖(*)を断ち切る

ソフト(乗組員)とハード(船舶設備)の両面での改善を継続的に図ることにより、小さな要因(トラブル)が連なって最終的に重大な海難事故へ繋がるエラー連鎖を断ち切ります。ソフトについては、当社運航船で十分な経験を積んだベテラン船長・機関長が各船に一定期間便乗し、現場での安全教育や技術指導を実施する「OJT(On the Job Training)インストラクター(便乗技術指導員)制度」の強化と、陸上での教育研修内容・体制の充実により、エラー連鎖を断ち切るための乗組員の危険予知能力の向上を図ります。また、ヒヤリハット(ヒヤリとしたり、ハッとする等、事故寸前の危険な事例のこと)情報を各運航船から収集し、理解し易い写真やイラスト等を付けて各運航船に周知することで、乗組員の安全に対する意識向上に努めています。ハードについては、竣工前後の不具合や改善点を造船所や機器メーカーへフィードバックしてフェイルセーフ(システム上、誤操作による障害が発生した場合でも、常に安全側に制御すること)の設計思想を推進し、エラーが起こり難い本船設備の導入に取り組んでいます。

(*)事故発生に至るまでに様々な要因が鎖の輪のように繋がっていること。

船舶管理のIT化推進

船舶管理会社と各船において一層のIT化を進めるとともに、グループ内の船舶管理システムの統一化を図ります。これにより、各船・船舶管理会社間での安全運航管理業務の効率化、グループ内での安全運航に関わる情報の共有を図ります。

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海賊・テロ対策の強化

海賊は決して映画の世界だけの話ではありません。インド洋から紅海・スエズ運河を抜けて地中海に進む入口という海上交通路の要衝に位置するアデン湾、及びその周辺海域(ソマリア沖)では2010年だけでも219件の海賊事件が発生し、48隻の船がシージャックされました。2009年3月からわが国の護衛艦2隻と哨戒機等によるアデン湾での護衛活動が開始され、湾内での事件数は前年に比べてほぼ半減しています。しかしソマリア沖では、海賊が乗っ取った商船・漁船を母船として使用し、アラビア海やインド洋に至る広い範囲で活動を活発化しており、襲撃のリスクが増加傾向にあります。

当社は、こうした海賊やテロの危険に対する船のセキュリティー強化と陸上の危機管理能力の向上を図っています。極力危険海域の航行を回避することが第一ですが、海賊の出没する海域では当直員の増員体制を敷き、24時間の目視とレーダーによる監視を強化しています。海賊を早期に発見・探知し、的確な予測・評価を行い、回避動作の早期開始、当社の安全運航支援センター(Safety Operation Supporting Center:SOSC)他、関係機関への救援要請を行うことにより、危機を回避することに努めています。しかし、2011年3月、シージャックは免れたものの、実際に当社が運航する原油タンカーがインド洋で海賊の襲撃を受けています。当社ではこれを受けて、海賊の乗り込みを防止するための設備や通信機器等のハード面における対策や乗組員に対する教育訓練を行い、危機管理体制を強化しています。「GEAR UP! MOL」では、この他にも、安全運航を通じた環境保全対策や、エラー連鎖を断ち切るセンスと能力を涵養するための人材の確保・育成に積極的に取り組んでいます。


海賊発生地域(左側赤線枠がアデン湾及びソマリア沖。赤点は一般船。)

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新たな取り組み - 重大海難事故の発生を受けて

重大海難事故の発生を受け、事故原因調査を基にしたDVDを作成して関係部署に配布するとともに、Safety Conference等の場で船員教育を行う等の再発防止策を実施しました。また、2010年11月から本社内で「安全運航がわかる会」を開催し、安全運航強化策、事故事例とそれに基づく対策について、社内における情報共有に努めました。この会は、継続的に四半期ごとに開催していきます。2011年6月には当社の安全運航強化策を紹介したDVD「世界最高水準の安全運航をめざす」を作成。社内・運航船のみならず顧客等の外部の関係者にも配布し、社内の意識向上と安全運航の「見える化」に努めています。


DVD「世界最高水準の安全運航をめざす」


「安全運航がわかる会」

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