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みずほ銀行とポジティブ・インパクトファイナンス契約を締結
~資金調達基盤を拡充しサステナビリティ課題への取り組みを推進~

2023年04月27日

株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、当社初の「ポジティブ・インパクトファイナンス」(註1)によるコミットメントライン契約 (註2)(以下「本ローン」)を株式会社みずほ銀行(頭取:加藤勝彦、本社:東京都千代田区、以下「みずほ銀行」)と締結しました。

「ポジティブ・インパクトファイナンス」は、ポジティブ・インパクト金融原則(註3)に則したESGファイナンスの一種です。当社がみずほ銀行と締結した「Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンス」は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が独自に開発したインパクト評価フレームワークを活用して企業の社会的インパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的かつ定量的に評価し、その評価において「ポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの」と確認された場合、取り組みの継続的な支援を目的として融資を行うものです。

当社グループは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として5つの「サステナビリティ課題」を特定し、経営計画「BLUE ACTION 2035」の一部として、それらの課題に対する具体的な行動計画「MOL Sustainability Plan(MSP)」を策定しています。

本ローンは、当社のサステナビリティ課題を中心に設定した以下各テーマのKPIについて、みずほ銀行より、SDGsの目標達成に対してインパクトを与える内容であり、融資対象に該当すると評価され、契約締結に至りました。

テーマ KPI 目標・方針 SDGs
雇用、水(質)、生物多様性と生態系サービス 4ゼロの達成(当社および当社国内外の連結子会社)
  • 重大海難事故件数
  • 重大貨物事故件数
  • 油濁による海洋汚染発生件数
  • 労災死亡事故件数
毎年:0件の達成
生物多様性と生態系サービス バラスト水処理装置搭載船隻数(当社保有船) 2023年度:260隻
気候、資源効率・安全性 輸送におけるGHG排出原単位(当社及び主要な国内外の外航船運航会社) 2035年:45%削減(2019年比)
環境投資額(当社及び国内外の連結子会社) 2023~2025年度:6,500億円
クリーン代替燃料船の竣工隻数(当社グループ)
  • 2020年代中:ネットゼロ・エミッション外航船の運航開始
  • 2030年:LNG燃料・メタノール燃料船90隻
  • 2035年:ネットゼロ・エミッション外航船130隻
大気 トンマイル当たりのSOx排出量(当社及び主要な国内外の連結子会社) 2030年:14%削減(2020年比)
包括的で健全な経済・雇用 外国人人材の養成(当社グループ)
  • 毎年:フィリピンに設立した商船大学における人材育成
  • 2023年末:フィリピンにおける風力発電分野で活躍する外国人人材の養成事業立ち上げ
女性管理職比率(単体陸上職) 2025年度:15%
MOL Group Key Positions(MGKP、註4)在任者構成率(女性、本社外出身者、40代以下) 2025年度:
女性 8%
本社外出身者 30%
40代以下 15%
エネルギー 洋上風力発電関連事業の推進(当社グループ) 毎年:洋上風力発電プロジェクト参画等取り組みの実施

これらの取り組みの進捗・成果は、当社が発行する統合報告書などで開示します。なお、本ローンの締結にあたり、株式会社日本格付研究所より本件評価にかかるポジティブ・インパクト金融原則への適合性、および環境省のESG金融ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースが纏めた「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合性についての第三者意見書を取得しています。

【本ローンの概要】

契約締結日 2023年4月27日
期間 7年
形式 コミットメントライン方式
極度額 600百万米ドル
資金使途 事業資金

(註1) 企業がSDGsを達成するための活動支援を目的とした融資で、企業活動が環境・社会・経済に与えるインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価をした上で、インパクトの向上・改善に向けた企業活動を支援する資金使途不特定型のファイナンススキーム。(ローン、ESGファイナンスの一種)

(註2) 銀行と企業が予め設定した期間・融資枠の範囲内で、顧客の請求に基づき、銀行が融資を実行することをコミットする契約。

(註3) 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の銀行および投資メンバーであるポジティブ・インパクト・ワーキンググループが2017年に発表したSDGs達成に向けた金融の共通枠組みであり、持続可能な開発の3側面(環境・社会・経済)について、ポジティブ・ネガティブの両面からインパクト評価を行う包括的内容となっています。また、UNEP FIはインパクト特定のツールとして、気候、水、エネルギー、生物多様性、文化・伝統等22のカテゴリーからなるインパクトレーダーを提示しています。

(註4) 本社部長級ポスト及び当社グループ会社において本社部長級相当職と指定されたポスト(国内外を問わない)。


商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。