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船舶維新

中期経営計画「GEAR UP! MOL」のもう一つの全体戦略である「環境戦略」では、低環境負荷輸送ソリューションで 時代の要請に応える企業グループへの進化を目指しています。それを実現するための大きな柱が、実現可能な技術を用いてCO2の排出量削減等を図る次世代船構想「船舶維新」プロジェクトです。ここでは、「船舶維新」の3つのシリーズにおける中核的な要素技術の開発・進捗状況について紹介します。

ISHIN-I

自然エネルギーを利用したハイブリッド自動車船

特徴

  • 港内航行・荷役中:ゼロエミッション(排ガスゼロ)を実現
  • 大洋航行中:CO2排出量を50%削減

港内ゼロエミッションの実現に向けて

当社はCO2削減技術開発の一環として、三菱重工業(株)・三洋電機(株)と共同で、太陽光発電システムを利用したハイブリッド自動車船の研究開発を進めています。太陽光発電システムは、2005年11月竣工のEUPHONY ACE」及び2008年5月竣工の「SWIFT ACE」に導入されていますが、2011年度中にはこれを大型化した上でリチウムイオン電池と組み合わせたハイブリッド電力供給システムの開発を完了し、2012年6月竣工予定の自動車船に搭載します。これにより、大洋航海中に太陽光発電システムにより発電された電気をリチウムイオン電池に蓄え、停泊中はこれを消費することによりディーゼル発電機を停止し、ゼロエミッションを実現します。

2012年竣工予定ハイブリッド自動車船

完成予想図:太陽光パネル(約160kW) 
既存船に太陽光パネルをCG処理したもの

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ISHIN-II

LNG燃料を使用したフェリー

特長

  • 燃料はLNG:航行中、LNG燃料による排ガスのクリーン化とCO2排出大幅削減
  • 陸上電力プラグイン:港内航行・停泊中は陸上電力と蓄電池利用によるゼロエミッションを実現
  • 快適性の重視
  • CO2排出量削減効果:50%

LNG燃料の使用の実現に向けて

LNG(液化天然ガス)は、現在船舶で使用している重油と比べてCO2の排出量が約20%少なく、また酸性雨や大気汚染の原因といわれているNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)の排出が70~90%以上も少ないため、クリーンなエネルギーとして知られています。このため、船舶の燃料を重油からLNGに替えることで、船舶がこれまで以上に地球環境にやさしい輸送機関となります。技術的には既に確立されていますが、日本では船舶や港湾の規則が整備されていないため、まだ実例がありません。これらの課題を一つひとつ解決していくために、当社は、行政・船社・造船所・ガス会社等が参加する委員会に積極的に出席し、LNG燃料の早期実用化に向けて取り組んでいます。

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ISHIN-III

高効率排熱エネルギー回収システムを利用した大型鉄鉱石専用船

特長

  • 排熱エネルギー回収:推進力を最大限にアシスト
  • 通常航海中に加え、低速航海中もCO2排出量を削減する技術を採用
  • CO2排出量削減効果:30%

省エネ技術と大型化の追求

様々なエンジンの中でも、船舶が使用しているディーゼルタイプのエンジンは、最も環境性能が優れています。それでも、実際に船がエンジンでプロペラを回転させて航行する際には、燃料として投入した熱エネルギーのおよそ1/4を排気ガスとともに捨てています。近年では、これまで捨てられていた排気ガス中の熱エネルギーを有効活用する技術が進歩しつつあり、当社でも、排気ガス中の熱エネルギーを電気に換える技術や、排気ガスで得られた電気でプロペラの回転をアシストする技術の検証を進めています。2~3年後には、造船所・エンジンメーカーと協力し、従来の特長を更に進化させた排熱回収技術を実船搭載することを目指しています。

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維新への道のり~開発ロードマップ~
ISHIN-I/II/IIIは、ここに紹介した要素技術以外にも多くの技術を採用しています。これら全ての要素技術に関して研究・開発・実証実験のロードマップを作成し、その進捗状況を定期的にモニターしながら、実船への早期導入を目指しています。また、ロードマップでは、実用段階に入った要素技術についてはコストと効果を明示し、各船種の担当部門に採用を促しています。

ISHINシリーズ 要素技術 開発ロードマップ(一部)

その他の要素技術の例~燃料油添加剤の開発~
当社技術研究所が(株)タイホーコーザイと共同で開発した燃料油添加剤「タイクラッシュHD」も、「船舶維新」の重要技術です。着火・燃焼性能を向上させる等の効果により、約1.5%の燃費向上効果が見込まれます。この添加剤は当社運航船に順次導入されており、CO2排出量削減に効果を発揮しています。

船舶維新-未来への鍵は歴史に-要素技術の詳細については、当社ホームページの特設サイトをご参照ください。

船舶維新-未来への鍵は歴史に-

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