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大量輸送による経済性の追求と商船三井の戦略

海運の歴史は船の大型化の歴史でもあります。大量輸送により重量・距離当たりの運航コストが下がることは、海運会社・顧客双方にとってメリットとなるからです。経済性から言えば、船は大きければ大きいほど良いと言えるでしょう。元来海上輸送は重量・距離当たりの燃料消費とCO2 排出に鑑み最も経済的かつ環境に優しい輸送モードですが、大型化はこのメリットを更に大きくします。パナマ運河やスエズ運河などを通航し船の全長や深さに制限を受ける輸送ルートではその制限一杯まで、それ以外の場合は更に大幅に、ほぼ全ての種類の貨物船で大型化が進展しました。

商船三井は、20フィートコンテナを2万個積載できる、世界最大級のコンテナ船6隻を2017年にアジア/欧州航路に就航させる決定をしましたが、これも大型化によりコンテナ1個当たりの輸送コスト低減を目指したものです。近年同航路には1万8,000個積以上の 超大型コンテナ船が多数投入されていますが、当社の新造コンテナ船は、これを更に上回る積載量と効率的なエンジンを持つ競争力の高い船です。コンテナ船の大型化については、スエズ運河の通峡制限によりこれで一段落すると考えます。

20,000TEU型コンテナ船

(参考:当社8,000TEU型、14,000TEU型とのサイズ比較)

一方、大型化が常に合理的な選択であるかと言えば、必ずしもそうではありません。いち早く大型化が進展した原油タンカーではかつてULCCと呼ばれる40-50万重量トンの船が出現しましたが、現在では30万重量トンクラス(VLCC)が最大船型となり、ULCCは姿を消しました。理由は「汎用性」にあります。他の船種も同様ですが、寄港が想定される港の大きさや、海峡を常時通航できるかどうかといった観点から、大型化によるメリットと汎用性確保のメリットを慎重に比較して船型を決定する必要があります。自動車船においても、一般には大型化が進展していますが、当社は積台数を6,800台に増やしながらも、外形としては従来の汎用船型である6,400台積と同じサイズでの新造船整備を決定しました。自動車メーカーの世界最適地生産の潮流を踏まえ、同一サイズで船隊を組むことによる柔軟性の確保を優先したのです。


次世代型自動車船「FLEXIE」

顧客の利便性を考えて大型化を選択しない場合もあります。当社は、顧客立地港ごとにカスタマイズされた鉄鋼原料船を開発し、積載量と利便性の最適解を志向しています。船舶大型化による経済性と汎用性・利便性のバランス。ここにも、顧客ニーズと時代の要請を先取りする当社の企業理念が反映されています。

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