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コーポレートガバナンス

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コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、グループ企業理念と長期ビジョン、経営計画に基づき、持続的な成長と中長期的なグループ企業価値の最大化を図るため、①複数名の社外取締役を選任する、②取締役会の諮問機関として、それらの社外取締役が過半数を占める任意の組織である指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置する、③2017年度から東京証券取引所が定める独立役員の要件に加え、当社独自の独立性判断基準を新たに策定するなど、コーポレートガバナンスの充実に積極的かつ継続的に取り組んでいます。
海運事業の事業環境やリスクの態様は目まぐるしく変化するため、当社の経営にあたっては事業環境を正しく把握し、常にリスクに向き合い、攻守のバランスをとりながら経営資源を有効に活用するという高度な舵取りが求められます。多様なステークホルダーの意見やその他各種社会的要請も認識しながら、経営の透明性・公正性を確保しつつ、適切なリスク管理の下、迅速・果断に意思決定を行うことにより、持続的な成長を継続し、企業価値を高めていくことがコーポレートガバナンスの要諦であると考えています。

コーポレート・ガバナンスに関する報告書PDF  PDF (4.3KB/15ページ)

コーポレート・ガバナンスへの取り組み

当社は、2002年に至る5年間に経営体制を大きく改革し、社外取締役の招聘、執行役員制度の導入など、当時の日本企業としては先進的でかつ透明性の高いコーポレートガバナンス体制を整えました。2015年には取締役会の更なる監督機能強化を図り、2017年には取締役会実効性評価の充実化、当社独自の独立性判断基準を新たに策定するなど、コーポレートガバナンスのさらなる充実に向けた取組みを行っています。

1997年
  • 監査役4名中、社外監査役を1名から2名に
1998年
  • 平成9年度定時株主総会を東京で開催
  • ジョージ・ハヤシ氏(元APL CEO、社長、会長を歴任)を役員待遇として招聘
1999年
  • 船舶法改正を得てジョージ・ハヤシ氏が取締役副社長に就任
2000年
  • 経営組織の改革(第1段階):
    • 執行役員制度導入
    • 常務会廃止・経営会議新設(出席メンバーは21名→10名)
    • 取締役会改革(最高意思決定機関・業務執行の監督機関としての位置付け)と取締役の削減(28名→12名)
    • 社外取締役2名を招聘
    • 経営ビジョン会議を設置
  • 日本アイ・ビー・エム(株)最高顧問椎名武雄氏、元日本銀行副総裁福井俊彦氏を社外取締役として招聘
  • IR室を設置
  • 集中日を避けた株主総会開催の開始
2001年
  • グループ企業理念を制定
  • 元通商産業省事務次官児玉幸治氏を3人目の社外取締役として招聘
  • コンプライアンス規程・行動基準を制定、コンプライアンス委員会を設置
2002年
  • 経営組織の改革(第2段階):
    取締役会の基本戦略制定機能、リスクマネジメント・モニタリング機能を一層強化する一方、業務執行段階での意思決定をさらに迅速化
    • 取締役会を3部構成に([1]決議事項の審議、[2]業務執行上の報告、[3]戦略・ビジョン討議)
    • 取締役会への付議事項の絞り込みと見直し
    • 業務執行に関する経営会議への授権範囲の拡大
  • 内部監査室を設置(当社内のみならず、グループ会社を含めた会計/業務監査の強化)
2003年
  • 日本証券金融(株)社長(現顧問)小島邦夫氏を社外取締役として招聘(福井俊彦氏は日本銀行総裁就任に伴い、当社社外取締役を退任)
  • モルガン・スタンレー証券会社会長 堀田健介氏を社外監査役として招聘
  • コンプライアンス社内相談窓口を開設、行動基準を改訂
2004年
  • 経営会議の下部機構である環境対策委員会をCSR・環境対策委員会と改称(グループのCSRに係わる事項を検討・審議対象に拡大)し、同委員会の事務局として経営企画部内にCSR・環境室を設置
2005年
  • 個人情報保護方針を策定
  • 取締役の職位を「取締役会長」のみとする定款変更を実施(業務執行を意味する役付は執行役員の職位とすることで、取締役と執行役員の役割を明確化)
2006年
  • 椎名武雄氏退任に伴い、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 石倉洋子氏を社外取締役として招聘
  • 佐藤恭一氏退任に伴い、弁護士飯島澄夫氏を社外監査役として招聘
  • 新会社法施行を受け、内部統制システム構築の基本方針を策定
  • 金融商品取引法施行を受け、経営企画部内に「内部統制推進室」を設置
2008年
  • 児玉幸治氏退任に伴い、東京海上日動火災保険株式会社顧問 小村武氏を社外取締役として招聘
2010年
  • 石倉洋子氏退任に伴い、東レ株式会社代表取締役会長 榊原定征氏を社外取締役として招聘
2011年
  • 小島邦夫氏退任に伴い、ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー 松島正之氏を社外取締役として招聘
  • 堀田健介氏退任に伴い、東京理科大学イノベーション研究科教授・同研究科長 伊丹敬之氏を社外監査役として招聘
  • コンプライアンス規程・行動基準を改訂(コンプライアンス社外相談窓口を開設)
  • 業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)構築の基本方針を改訂
    (コンプライアンス委員会によるコンプライアンス体制整備の定期的モニタリングを追加)
2014年
  • 榊原定征氏退任に伴い、株式会社東芝 取締役会長 西田厚聰氏を社外取締役として招聘
  • 飯島澄雄氏退任に伴い、弁護士 山下英樹氏を社外監査役として招聘
  • コンプライアンス規程・行動基準を改訂(チーフコンプライアンスオフィサーを設置)
2015年
  • 社外取締役西田厚聰氏退任
  • 経営組織の改革(第3段階):
    • 指名諮問委員会・報酬諮問委員会を設置
    • 取締役会の更なる活性化(取締役会への付議事項の絞り込みと見直し、業務執行に関する経営会議への授権範囲の更なる拡大)
    • 社長選任プロセスを刷新(取締役でない執行役員からも選定できるよう定款変更を2016年定時株主総会に付議)
    • 経営幹部の就任・組織改編時期を事業開始日の4月1日に変更
2016年
  • 小村武氏退任に伴い、住友商事株式会社顧問 藤井秀人氏ならびに明治大学政治経済学部教授 勝悦子氏を社外取締役として招聘
2017年
  • 自己アンケート、及び取締役会での討議による取締役会実効性評価を実施(評価項目を大幅に追加し、評価の充実を図る)
  • 社外役員について、当社独自の独立性判断基準を策定
2018年
  • 取締役会の実効性評価の客観性を高めることを企図し、外部機関による第三者の視点での評価を実施

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当社のコーポレート・ガバナンス体制(2018年06月26日現在)

当社は、取締役会から独立した監査役会による監査機能を確保しつつ、それに加え、業務執行を行う社内取締役(執行役員を兼務しています)相互の監督・牽制はもちろん、取締役会を業務執行を行う社内取締役と業務執行を行わず監督機能に特化した役割を果たす社外取締役とからなる構成とし、取締役会での実効的な監督体制を確保することにより、業務執行の適法性・妥当性・効率性を実現することが当社の機関設計として適切であると考えています。このような考え方の下、当社は会社法が定める監査役会設置会社としています。

取締役会は、その決議により、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)構築の基本方針(2018年4月27日に改定しています)を定めています。社長を経営の最高責任者とする当社グループの役職員は、取締役会の監督と監査役会の監査に服しつつ、取締役会が定めた経営方針と上記基本方針に従い、業務執行を行っています(業務執行体制については、後述する内容をご参照ください)。

また、コーポレートガバナンスの真価は、上記のように構築された枠組み・組織の存在そのものによってもたらされるものではなく、係る枠組みが実際に以下のような形で適正かつ効率的に機能しているかによって問われるものと当社は考えます。

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

取締役会は、当社の中枢的な意思決定機関として、当社グループの経営に係る基本方針と最重要案件の審議・決議を行っています。
取締役会は、社内取締役6名と当社と利害関係のない社外取締役3名より構成されています。社外取締役は、各々の経験と知見から経営判断の妥当性並びに業務執行の状況について当社と利害関係のない独立した立場でのチェックを行うと同時に、経営全般にわたって有益な意見を表することで、取締役会の活性化に大きな役割を果たしています。社外取締役に対しては、取締役会議案を事前に説明するとともに、重要な業務執行について都度報告を行うなどサポート体制を整えています。また、経営戦略や長期ビジョン、あるいは経営全般に関わるテーマについて社外取締役、社外監査役を交えて自由な意見交換を行う「戦略・ビジョン討議」を行っています。

指名諮問委員会・報酬諮問委員会

取締役会の下に任意の組織として指名諮問委員会と報酬諮問委員会を設置しています。社外取締役による業務執行取締役への監督をより実効性あるものとすべく、いずれも社外取締役を委員長として、社外取締役全員・会長・社長が委員となり、社外取締役が過半数を占める形で委員会を構成しています。 指名諮問委員会は取締役・執行役員の選任について、報酬諮問委員会は長期的な企業価値の向上に対するインセンティブを含む役員報酬の在り方について、それぞれ「ステークホルダーの視点」を重視した客観的な立場から検討を行っています。取締役会は諮問委員会の答申内容を尊重し、必要な決議を行うこととしています。

実効性評価

取締役会は、コーポレートガバナンス・コードに基づき、自己アンケート、及びアンケート結果に基づく取締役会での討議により、その実効性評価についての評価・分析を毎年実施し、評価・分析の結果を以後の取締役会運営の改善につなげています。 当社は、実効性評価をより有益なものとするため、毎年度、当該年度の実態に即した項目の検討など評価項目の見直しを行い、充実を図っています。2017年度においても、評価項目を大幅に追加し、内容をより充実したものにしています。
また、評価の客観性を高めることを企図して外部機関による第三者での視点での評価を実施し、当社取締役会の実効性に関する自己評価は概ね合理的であるとの見解を得ております。

業務執行体制

業務執行については、当社は2000年より執行役員制度を導入しています。取締役会で選任され代表取締役から権限の委譲を受けた執行役員は、取締役会で決定された経営の基本方針に従い業務執行を行うことで経営のスピードアップを図っています。業務執行レベルの最高意思決定機関としての経営会議(議長:社長)は、取締役会が決定した基本方針に基づき、経営の基本計画及び業務の執行に関する重要案件を決裁するための審議機関として機能しています。経営会議の下部機構として、6つの委員会を設置しており、それぞれの委員会のメンバーに加え、案件毎に関係する役員・部室長が出席し、経営会議に付議される重要案件や部門を跨る案件などの検討・審議を行っています。

監査体制

監査役会は、常勤監査役2名と当社と利害関係のない社外監査役2名より構成されています。監査役は、定期的に監査役会を開催し、監査計画の策定、監査結果の報告・共有等を行っており、また、全監査役は取締役会に、常勤監査役は取締役会を含め経営会議及び各委員会に出席し、審議・意思決定過程における監査を実施しています。会計監査は、当社と監査契約を締結しているあずさ監査法人が監査を実施しています。さらに、監査役及び会計監査人に加え、経営会議からのみ指示を受け、他のいかなる職制からも独立した経営監査部を設置しており、監査役及び会計監査人がそれぞれ行う法定監査と連携してグループ会社を含めた業務執行の監査を行っています。

コンプライアンス体制

当社は、コンプライアンスを幅広く企業の社会的責任を果たすものと位置付けていますが、法令順守がその基本にあることは言うまでもありません。
その徹底を図る目的で、コンプライアンス規程を定め、コンプライアンス担当執行役員(チーフコンプライアンスオフィサー)を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置しています。各部長は担当部のコンプライアンスオフィサーとして任命され、統括責任者としてその徹底を図るとともに、違反行為があった場合には、コンプライアンス委員会事務局に報告する任を負います。また、これら部から独立した組織である「経営監査部」は、コンプライアンスに関する社内相談窓口の任に当たるとともに、違反行為について調査を実施し、結果をコンプライアンス委員会に報告します。なお、社内相談窓口に加え、弁護士による社外相談窓口も設置し、匿名での相談を受け付けています。
また当社は、会計監査人と健全な関係を維持するように努めています。

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社外役員対談

社外取締役 松島 正之 社外監査役 山下 英樹

“自由闊達な議論が、当社のコーポレート・ガバナンスの実効性を高めています”

テーマ: 商船三井のコーポレート・ガバナンスと取締役会の運営、また独自の取り組みとしての 「戦略・ビジョン討議」への評価

松島:コーポレート・ガバナンスにおいて一番肝心なのは、形式的に体制を整えるということではなく、実質的に機能するものにしていくということだと思います。当社に照らし、まず評価できるのは、自由闊達に議論を交わせる企業風土がある点です。これにより、実効性が高まっていると感じます。
山下:ものを言いやすい雰囲気であるというのは、同意見です。取締役会において監査役が、いわゆる「守り」のガバナンスにとどまらず「攻め」のガバナンスに関わる発言をしても、違和感なく受け入れられていると感じています。また、取締役会については実効性評価を実施しており、取締役と監査役の双方が課題について意見を出し合うことにより、より良い運営を目指しています。
松島:取締役会に付随して行われる「戦略・ビジョン討議」に関しては、社内で結論が固まる前に社外取締役・監査役を交えて議論が展開されており、極めて有意義な取り組みだと評価しています。ただし、ややもすると、各担当セグメントの戦略ビジョンにとどまってしまっている点が否めません。全社を俯瞰する視点でリスク管理や資本の活用などについての議論を行うことで、この取り組みはさらに効果的なものになるのではないでしょうか。
山下:確かに、これまでのところ、個別の分野の域を出ないようなビジョンも散見されます。また時宜を得た内容を取り上げるという観点からも、今後は社外取締役・監査役からテーマを提案することも必要かもしれませんね。一方、最大の経営課題であったコンテナ船事業の立て直しに関しては「戦略・ビジョン討議」がうまく機能したと考えています。改善に向けた様々な分析を過去に行っていたことで、「何らかの抜本的対策が必要である」という問題意識が社外取締役・監査役にも共有されており、統合という大きな経営判断に至りました。先ほど話にもあったように、形式を整えるばかりでなく、こうした重要な経営課題に直面した場面こそ、コーポレート・ガバナンスの真価が問われると思います。

“「ローリングプラン」では、10年後の将来からさかのぼり、現在取り組むべきことを抽出。理念にとどまらぬよう、具体的なプランの肉付けが課題です”

テーマ: 経営計画「ローリングプラン」に対する評価

山下:商船三井が10年後の将来、どういう企業でありたいかを目標設定して、そのビジョンと現状とのギャップを埋めるという形で現在取り組むべきことを抽出したものがローリングプランです。ただし、10年という長期展望ですから、ある程度理念的なものにならざるを得ません。従って、いかに具体的なプランの肉付けを行っていくかが重要であり、課題でもあると思います。
松島:私はローリングプランの提唱者の一人ですが、「ローリングプラン2018」の策定過程においては、将来の成長分野や当社の競争力強化について相当な分析と議論を行いました。長期的な視点に立って考えることにより、成長に向けた道筋について様々な選択肢を見出すことができます。ローリングプランの形での経営計画がスタートして2年目となりましたが、こうした取り組みの効果は表れてきていると思います。

“コンプライアンス強化において重要 なのは、社員一人ひとりの意識に浸透させることです”

テーマ: 当社のコンプライアンスに対する評価

山下:コンプライアンス強化への継続的取り組みは、あらゆる企業にとっての重要課題です。それでも、様々な不祥事が世間で後を絶たないのは、社員一人ひとりの意識への浸透度がかかわっていると思います。コンプライアンスが単にBGMのように聞こえる状況は良くありません。 肝心なのは、経営のトップが折に触れ社内に向けて「事業を営む上での大前提である」と発信していくことです。商船三井ではそうした点が実践されており、心強く思っています。ただし、事業をグローバルに展開している中で、コンプライアンスをどう強化していくかは難しい課題なので、社外監査役として引き続きしっかりと役割を果たしたいと考えています。
松島:私が社外取締役に就任後、当社では自動車輸送に関連する独占禁止法違反の問題がありました。問題発生後、「どこが悪かったのか」「どうしたら良いのか」という議論を社長を含む全社で徹底的に行ったことで、コンプライアンスに対する意識が数段上がったと認識しています。ただし、人間の記憶は風化していくものですから、これからもその議論を繰り返していくことが必要です。また、教科書に書かれていることを機械的に覚えるような取り組みに意味はありません。根幹にあるコンプライアンス精神を忘れぬよう、ルールができた所以や背景にある考え方を学びながら、全社でコンプライアンスに対する感覚を磨くことを目指したいと思います。

商船三井の「戦略・ビジョン討議」

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