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サステナビリティ課題(マテリアリティ)


当社グループのサステナビリティ課題(マテリアリティ)

商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて、社会と共に持続的な発展を目指すための当社グループの重要課題を「サステナビリティ課題」(マテリアリティ)として特定しています。経営基盤となる「Governance」の強化を基本とし、「Innovation」と「Human & Community」が相互に作用しながら、「Safety & Value」と「Environment」の課題を解決していきます。
これらの取り組みを推進することで当社グループの企業価値向上を図るとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

サステナビリティ課題の概念図
5つの課題

サステナビリティ課題の特定プロセス・見直し

特定プロセス

2019年度、サステナビリティ課題を初めて特定した際は、社内横断的なメンバーで構成されるサステナビリティ推進プロジェクトチームを組織し、当社の事業活動が社会に与えるネガティブ・インパクトとポジティブ・インパクトを検討した上で、社会課題との関連性を整理しました。そして、ステークホルダーと当社グループにおける重要性の2軸から絞りこみを行い、5つの課題にまとめました。
また、特定時には、環境や社会が当社グループに与える影響だけでなく、当社グループが環境や社会に与える影響の2側面(ダブルマテリアリティ)を意識して特定しています。

STEP 1
サステナビリティ課題候補の洗い出し
STEP 2
バリューチェーンにおけるリスク(ネガティブ・インパクト)と機会(ポジティブ・インパクト)の検討
STEP 3
ステークホルダー及び当社グループの2軸からの重要性評価
STEP 4
サステナビリティ課題の特定

2021年度の見直し

サステナビリティ課題を特定してから2年が経過し、気候変動や人権問題等の社会環境の変化に加え、当社グループの事業環境にも大きな変化が起きていること等を踏まえ、外部ステークホルダー(外部有識者、投資家、NGO等)からの意見を参考にしながら、2021年度にサステナビリティ課題の見直しを実施しました。
本件は、2021年9月の取締役会で承認されています。

見直し前
輸送を通じた付加価値の提供
見直し後

Safety & Value

安全輸送・社会インフラ事業を通じた
付加価値の提供

  • 「安全」に対する取り組み姿勢を明確化
  • 対象範囲を輸送だけでなく海洋事業等の社会インフラ事業に拡大
見直し前
地域社会の発展と人材育成
見直し後

Human & Community

人の活躍と地域社会の発展

当社グループの役職員だけでなく事業で関わるすべての人々の活躍・すべての人々との共生を目指す意図に変更


サステナビリティ計画「MOL Sustainability Plan」

サステナビリティ課題の解決に向けた取り組みを加速すべく、各課題にかかる目標・KPI・アクションプランを設定し、サステナビリティ計画"MOL Sustainability Plan"を策定しました。本件は、2022年3月の取締役会で承認されています。
また、2023年度からは経営計画「BLUE ACTION 2035」の策定にあたって"MOL Sustainability Plan"の位置づけを見直し、サステナビリティ課題の解決によりグループビジョンを実現するための行動計画として「BLUE ACTION 2035」の一部に組み込むことで、さらなる経営との統合を図りました。それに伴い、取組テーマ・目標・KPIを一部見直し、アクションプランも経営計画のフェーズ1(2023~2025年度)に合わせて変更しております。
"MOL Sustainability Plan"を着実に遂行することで、サステナビリティ課題の解決に向けた取り組みを強化し、その効果測定と改善活動を適切に実施してまいります。


Safety & Value 安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供

海運を中心とした社会インフラ事業を展開する中で、さまざまな物資やエネルギーを安全・安定的、経済的に輸送またはサービスを提供することで、世界中の人々の豊かな暮らしと産業を持続的に発展させていくことを目指します。

当社グループの「安全」に関する考え方・戦略:商船三井グループ 安全ビジョン

取組テーマ 目標・KPI ※[]内は目標値 2024~2025年度アクションプラン
本業を通じた価値 海上輸送・社会インフラ事業を通じた持続的な価値の提供
  • 経営計画で掲げる各戦略の遂行
輸送量(トンマイル)
安全品質 貴重な人々・財産・環境を守り、信頼され続ける
  • 安全を支える人材活躍の促進
  • テクノロジーを軸とした安全インフラの整備
  • リスク・危機の先制的な管理
  • 相互啓発を通じた安全意識改革
  • あるべき組織体制・業務プロセスの追求
商船三井グループ共通
  • 労災死亡事故件数 [0件]
  • 重大事故件数*1 [0件]
  • LTIF(Lost Time Injury Frequency)*1
安全運航
  • 4ゼロ
    重大海難事故 [0件]
    油濁による海洋汚染 [0件]
    労災死亡事故 [0件]
    重大貨物事故 [0件]
  • SPI(Safety Performance Indicator)
    LTIF(Lost Time Injury Frequency)*2
    [0.50以下(2025年度)]
    [0.40以下(2030年度)]
    [0.30以下(2035年度)]

    運航停止平均時間(時間/隻・年)*3
    [24.00以下(2025年度)]
    [22.00以下(2030年度)]
    [20.00以下(2035年度)]

    運航停止発生率(件/隻・年)*4
    [1.00以下(2025年度)]
    [0.80以下(2030年度)]
    [0.60以下(2035年度)]

さらなる付加価値 社会ニーズに対応したサービスの創出
  • 既存プロジェクトの推進及び新サービスの模索
    • 外国人人材事業、ブルーカーボン事業、(株)MOL PLUSの事業等
  • 新規事業提案制度の継続的な実施
サステナビリティ起点の新サービスに関する実績
新規事業提案制度の事業化数
  • *1 当社グループにおける事業セグメント毎に定義、設定する。
  • *2 100万人・時間あたりの労災事故発生件数(当社は乗船時間を分母として計算している) 。
  • *3 機器故障や事故による船舶の年間運航停止時間を1隻あたりで表したもの。
  • *4 船舶の運航停止に至る機器故障や事故の年間発生件数を1隻あたりで表したもの。

Environment 海洋・地球環境の保全

事業を通じて与える海洋および地球環境への負のインパクト(海洋環境汚染、大気汚染、生物多様性の阻害、気候変動等)を最小化し、世界中の人々が暮らす地球を持続可能なものとすることを目指します。

当社グループの「環境」に関する考え方・戦略:商船三井グループ 環境ビジョン2.2

取組テーマ 目標・KPI ※[]内は目標値 2024~2025年度アクションプラン
気候変動対策 2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッションの達成
  • 環境ビジョン2.2における各戦略の実行
    • アクション1:クリーンエネルギーの導入
    • アクション2:さらなる省エネ技術の導入
    • アクション3:効率オペレーション
    • アクション4:ネットゼロを可能にするビジネスモデルの構築
    • アクション5:グループ総力を挙げた低・脱炭素事業拡大
  • TCFD提言への対応強化
  • グループ会社との連携強化
GHG排出総量*1
[23%削減(2030年、2019年比)]
GHG排出原単位*2
[1.4%/年削減(2030年までの平均、2019年比)]
[45%削減(2035年)]
LNG燃料・メタノール燃料外航船隻数
[90隻(2030年)]
Scope2電力 再エネ割合
[100%(2030年)]
燃費効率(トンマイル当たりのエネルギー消費量)
[5%改善(2025年)]
吸収・除去系カーボンクレジットの使用量
[220万t-CO2e(2030年、累計)]
環境投資額
[6,500億円(2023~2025年度、累計)]
海洋環境保全
生物多様性保護
海洋環境及び生物多様性への悪影響の軽減
  • 自然関連リスク及び機会の把握と分析の実施
  • KPI及び目標の検討
※今後、国際ガイドライン等に基づきKPI設定予定
大気汚染防止 船舶から排出される大気汚染物質の軽減
SOx排出量
SOx排出原単位 [14%削減(2030年、2020年比)]
NOx排出量
NOx排出原単位
  • *1 当社グループ全体(連結範囲)における、スコープ1及びスコープ2が対象。
  • *2 当社グループの外航自社運航船における、スコープ1及びスコープ3の一部が対象。

Human & Community 人の活躍と地域社会の発展

多様な個性と価値観を尊重し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮し活躍できる企業グループとして、その事業活動を通じ、当社グループに関わる全ての人々との共生、地域社会の持続可能な発展・振興を目指します。

当社グループの「人的資本」に関する考え方・戦略:商船三井グループ Human Capital (HC) ビジョン

取組テーマ 目標・KPI ※[]内は目標値 2024~2025年度アクションプラン
多様性(DE&I) 多様な人財が活躍できる就業環境の実現
  • 人的資本獲得・配分の実行
  • 適所適材の実現に向けた施策の実施
  • テクノロジーを活用したタレントマネジメントの実施
  • 自律的なキャリア形成支援
  • エンゲージメント向上に向けた施策の実施
  • 人財部門の機能強化
  • 海技者を惹きつける「魅力」の強化
単体陸上職 女性管理職比率 [15%(2025年度)]
MOL Group Key Positions(MGKP)*1 在任者の構成比率
  • 女性 [8%(2025年度)]
  • 本社外出身者 [30%(2025年度)]
  • 40代以下 [15%(2025年度)]
共走・共創 個人の能力とグループ全体での組織能力が最大限発揮されるよう、共走・共創のための環境の構築
MVVの実現・実践に向けた対話機会の実施率
[100%(2025年度)]
公募による異動件数
[50件以上(2025年度)*2]
働き甲斐 働いている意義や安心感を日々実感できるグループの実現
エンゲージメントサーベイ(ES)回答率
[90%以上(2025年度)]
ES結果のうち「エンゲージメント」のKPIスコアが向上した組織の割合
[70%以上(2025年度)]
地域との共生 働いている意義や安心感を日々実感できるグループの実現
  • 企業市民活動
    • 重点分野に関連した活動の充実化
    • グループ会社との連携強化
    • グループ役職員の社会課題解決意識を高める取組拡充
  • モーリシャス地域貢献活動
    • 2つの基金を通じたNGO・NPO、学術機関等への継続支援
    • 助成団体間のネットワーク構築支援
    • 社会的インパクトを意識した活動成果の公表
企業市民活動の実績
モーリシャス地域貢献活動の進捗状況
  • *1 本社部長級ポスト及び当社グループ会社において本社部長級相当職と指定されたポスト(国内外を問わない)。
  • *2 2023年度~2025年度の累計。

Innovation 海の技術を進化させるイノベーション

クリーンエネルギーやICTを活用する技術を高めることで、当社事業にイノベーションを起こし、「安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」「海洋・地球環境の保全」にも通じる様々な社会課題の解決に貢献することを目指します。

当社グループの「DX」に関する考え方・戦略:商船三井グループ DXビジョン

取組テーマ 目標・KPI ※[]内は目標値 2024~2025年度アクションプラン
クリーンエネルギーの導入・普及 船舶のクリーン代替燃料の導入と利用拡大
  • クリーン代替燃料の戦略的調達及び、確実な供給体制構築の推進
  • 関連技術開発の推進
    • アンモニア燃料船、メタノール燃料船、水素利用船、燃料電池・バッテリー利用等
ネットゼロ・エミッション外航船の隻数
[運航開始(2020年代中)]
[ 130隻(2035年)]
ゼロエミッション燃料の使用割合
[5%(2030年)]
社会でのクリーンエネルギーの普及に寄与する技術の開発
  • 次世代クリーンエネルギー運搬・供給船の開発推進
    • 大型アンモニア運搬船・バンカリング船、液化水素運搬船、CO2運搬船等
  • ウインドハンタープロジェクトの研究開発推進
次世代クリーンエネルギー運搬・供給船の開発状況
船舶の省エネルギー化 自然エネルギーの活用及び推進性能向上に寄与する省エネ技術の確立・普及
  • ウインドチャレンジャーの軽量化及び量産化(量産化規模の検討も含む)
  • ローターセイル実装に向けた検討*1
  • その他省エネ技術の導入の促進
    • PBCF*2、最適トリムシステム*3
ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載隻数
[25隻(2030年)]
[80隻(2035年)]
その他省エネ技術の採用隻数
ICTを活用した安全運航・効率運航 船舶のビッグデータ活用プラットフォームの構築・拡充(FOCUSプロジェクト等)
  • FOCUSのバージョンアップ
    • 効率運航にかかるデータ項目の拡充・精査、LNG燃料船、代替燃料船への対応等
  • Fleet Guardianの開発・実証・実装
FOCUSプロジェクトの進捗状況
Fleet Guardianプロジェクトの進捗状況*4
船舶の自律化技術の構築
  • 実証実験を踏まえた開発計画の策定
  • 協業先の選定及び実装化に向けた検証の実施
自律化技術の開発状況
DX デジタルを活用した、会社の生産性の改善及び組織・業務の最適化
  • 機能別標準業務の新設計・導入等の陸上向けDX案件の推進
  • 船上書類作業のデジタル活用最大化等の海上向けDX案件の推進
  • チェンジリーダー育成施策の実行
  • グループ・グローバルでのICTインフラ整備による全体最適業務環境改善
価値創造業務への転換率(陸上業務)*5
[15%(2025年度、累計)]
[25%(2030年度、累計)]
[30%(2035年度、累計)]
安全業務への転換率(船上業務)*6
[10%(2025年度、累計)]
[20%(2030年度、累計)]
[30%(2035年度、累計)]
チェンジリーダーの数 *7
  • *1 風力を活用した推進補助装置。
  • *2 プロペラ装着型効率改善装置。船のプロペラ後方に発生するハブ渦を削減することで効率改善に貢献する。
  • *3 当社船長の経験に基づいた船舶の航行姿勢の知見を水槽試験・実船試験を通じて定量的に評価し、乗組員が容易に活用できるようグラフに表したもの。
  • *4 本船上の主機関等に取り付けた各種センサー情報をもとに、主機関のトラブルや故障を未然に防止する為の予兆診断を行うシステム。
  • *5 従業員が定型作業に掛けている工数を、デジタル活用、業務・組織の最適化により、新しい価値創造への工数に転換した比率。
  • *6 従業員が定型作業に掛けている工数を、デジタル活用、業務・組織の最適化により、安全業務への工数に転換した比率。
  • *7 チェンジリーダーを「ビジネスモデル・業務プロセス・企業風土などの変革を担う存在」、「ビジネスやプロセスの課題を把握し、ありたい姿を描き、変革をリードする存在」と定義し、従業員をトレーニングによってチェンジリーダーへと育成した数。

Governance 事業を支えるガバナンス・コンプライアンス

コーポレート・ガバナンスの充実およびコンプライアンスの徹底を通じ、当社グループ経営における透明性を確保し、事業活動を通じた社会課題への取り組みの基盤の構築、また、人権や安全・環境に配慮した持続可能なバリューチェーンの構築を目指します。

当社グループの「ガバナンス」に関する考え方:商船三井グループ コーポレート・ガバナンス基本原則3か条

取組テーマ 目標・KPI ※[]内は目標値 2024~2025年度アクションプラン
経営の透明性
  • グループ総合力を発揮し、グローバルな成長に向けた経営の実現
  • 実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制の構築
  • ステークホルダーとの対話を促す開示内容の充実
  • コーポレート・ガバナンス基本原則3か条に基づく各種施策の実行
    • 取締役会の実効性評価に基づく改善措置の継続的な実施
    • スキルマトリックスに基づく取締役会構成の実現に向けたロードマップの策定
    • 全社重要リスクに関する議論の充実
    • コーポレート組織、営業組織及び地域組織の権限強化と相互牽制機能の充実
取締役会の実効性評価の結果
コーポレート・ガバナンス審議会の審議状況
情報セキュリティ 重大ICTインシデント発生件数ゼロ
  • セキュリティインシデント運用体制・プロセスの拡充
  • 情報資産の管理強化及び運用状況の可視化
  • ICTセキュリティ・ゼロトラストセキュリティ強化ロードマップ策定
  • ICTセキュリティ対策状況調査及び改善措置の実施
重大ICTインシデント発生件数*1 [0件]
責任ある調達
人権尊重
バリューチェーン全体における環境・安全・人権等に関わるリスクの把握・低減
  • 関連する方針類のグループ内及び取引先への周知・理解浸透
  • 取引先向けのESG調査の継続的な実施及び対象先の拡大
  • 人権デューデリジェンスの継続的な実施
  • 人権教育プログラムの拡充
バリューチェーンマネジメントの実施状況 
人権関連の研修の実績
公正取引
贈収賄防止
コンプライアンス違反件数ゼロ
  • 内部監査の体制強化及び監査結果に基づく改善措置の実施
  • コンプライアンス関連の教育・啓もう活動の継続的な実施
コンプライアンス違反件数*2 [0件]
コンプライアンス窓口相談件数
コンプライアンス関連の研修・e-learningの実績
  • *1 影響範囲に応じて定めた4つのインシデントレベルの内、レベル4(最も重大)に該当するもの。
  • *2 公正取引及び贈収賄に関連する重大なもの。

「MOL Sustainability Plan」 2022年度実績

「MOL Sustainability Plan」2022年度実績[1.12MB]