2024年01月26日
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)は、国際資本市場協会(以下「ICMA」)の「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2023」をはじめとする、主要な原則等(註1)に則した包括的なサステナブルファイナンス・フレームワーク(註2)(以下「本フレームワーク」)を策定し、その適格性について国際的第三者認証機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(以下「DNV」)よりセカンド・パーティ・オピニオン(註3)を取得しました。今後は、本フレームワークを活用することで、サステナブルファイナンスによる資金調達を機動的かつ継続的に実施することが可能となります。
また、本フレームワークに基づき、トランジション・ローン(以下「TL」)3件及びトランジション・リンク・ローン(以下「TLL」)1件の融資契約を下記の通り当社グループにて締結を完了し、さらにTLL1件についても締結を予定しております(註4)。
なお、下記ローンのうち(1)及び(2)は、経済産業省による2023年度トランジション・ファイナンス補助金事業(註5)として採択されています。
【各ローンの概要】
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | |
---|---|---|---|---|---|
借入 銀行 |
株式会社 三井住友銀行 |
三井住友信託銀行 株式会社 |
株式会社 横浜銀行 |
株式会社 横浜銀行 |
株式会社 SBI新生銀行 |
契約 形態 |
TL | TL | TL | TLL※ | TLL※ |
契約 締結日 |
2023年12月20日 | 2023年12月26日 | 2023年12月26日 | 2023年12月26日 | 2024年1月下旬~ 2月(締結予定) |
資金 使途 |
LNG二元燃料 フェリー2隻建造資金 |
ウインドチャレンジャー搭載バルカー船建造資金 | LNG二元燃料 自動車船建造資金 |
LNG二元燃料 VLCC船建造資金 |
LPG二元燃料 VLGC船建造資金 |
※トランジション・リンク・ローンは、当社が予め設定した(または今後設定する)GHG削減目標の達成状況によりローン特性(金利等)の変動を考慮するファイナンス方式。
当社グループは、昨年策定したグループ経営計画「BLUE ACTION 2035」において、環境戦略を主要戦略の一つと位置付け、『海洋・地球環境の保全』をサステナビリティ課題(マテリアリティ)の一つに掲げています。「2050年ネット・ゼロエミッション」の達成を目指し、ステークホルダーとの共創を通して環境課題の解決に取り組みます。資金調達においても、本フレームワークを活用した、サステナブルファイナンスを継続的に実施してまいります。
【サステナブルファイナンス・フレームワーク】
https://www.mol.co.jp/sustainability/management/finance/pdf/sustainable_finance_framework.pdf
【セカンド・パーティ・オピニオン】
DNVサステナブルファイナンス・フレームワーク評価
(註1) 適用又は参照される各種原則等
原則及びガイドライン | 発行者 |
---|---|
クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック2023 | 国際資本市場協会(ICMA) |
クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針2021年5月版 | 金融庁、経済産業省、環境省 |
グリーンボンド原則2021 | 国際資本市場協会(ICMA) |
グリーンローン原則2023 | 国際ローン市場協会(LMA)等 |
グリーンボンドガイドライン2022年版 | 環境省 |
グリーンローンガイドライン2022年版 | 環境省 |
サステナビリティ・リンク・ボンド原則2023 | 国際資本市場協会(ICMA) |
サステナビリティ・リンク・ローン原則2023 | 国際ローン市場協会(LMA)等 |
サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版 | 環境省 |
サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版 | 環境省 |
(註2) 本フレームワークは、資金調達に先立ち調達主体が定める方針のことを指し、調達資金の使途、プロジェクトの評価および選定のプロセス、調達資金の管理、レポーティング等の主要な原則等(上記「註1」)が定める事項について記載しております。
(註3) フレームワークの適格性と透明性の確保および投資家への訴求力向上のため、DNVより2023年12月22日付で本フレームワークの適格性について、上記の原則等に適合している旨のセカンド・パーティ・オピニオンを取得済みです。
(註4) 各ローンの資金使途(船舶完成イメージ図)
(1) LNG二元燃料フェリー
(2) ウインドチャレンジャー搭載バルカー船
(3) LNG二元燃料自動車船
(4) LNG二元燃料VLCC船
(註5) 経済産業省「トランジション・ファイナンスモデル事業・補助金事業」の詳細は下記をご覧ください。
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/transition_finance.html
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」にあたる取り組みです。