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商船三井グループが提供するダイナミック ポジショニング訓練センターで初の海外組織からの受講生を受入
~台湾の洋上風力発電産業の発展に貢献~

2023年06月13日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)およびMOLマリン&エンジニアリング株式会社 (社長:中島孝、本社:東京都港区、以下「MOLMEC」) が保有するダイナミック ポジショニング(自動船位保持、以下「DP」)シミュレータを用いてMOLMECが提供しているDP操船(註1)訓練を、台湾の国営系洋上風力関連のトレーニングプロバイダーであるTaiwan International Windpower Training Corporation Ltd.(以下「TIWTC」、註2) が派遣する航海士5名が受講開始しました。今後も引き続きTIWTCが派遣する航海士 計約20名が2023年度から2024年度にかけてDP操船訓練を受講する予定です。海外組織からの受講は今回が初となり、今後も国内外・グループ内外問わず洋上風力発電を含むオフショア事業に貢献できる場・訓練の提供を進めていきます。

DP操船技術は、洋上風力発電所の設置、設置後のメンテナンス、ならびにオフショア支援船などで広く必要とされる重要な技術です。台湾を含むアジア太平洋地域で急速に成長している洋上風力発電により、安全かつ効率的にDP操船を行える海技者や作業者の需要が増えています。商船三井とMOLMECは台湾からの航海士に訓練を行うことでその需要に応えます。

今回の協業について、MOLMECの社長 中島孝は 「台湾の洋上風力発電産業の発展につながる今回のTIWTCとの協業を大変光栄に思います。商船三井グループは経営計画「BLUE ACTION 2035」にて、洋上風力発電分野における具体的なアクションプランとして、台湾での洋上風力発電への参画実績を積み上げ、かつ周辺事業への参画につなげることを掲げています。今回の協業はそれが具現化した一例となります。商船三井グループは今後も、国内外・グループ内外、また船員資格の有無を問わず、今後増加が見込まれる洋上風力発電や海洋開発の特殊船運航要員による安全運航や工事作業の安全性確保、技術の高いDP操船要員の確保・育成に寄与していきます。」と述べています。

また、TIWTCのヴィンセント・ツァイゼネラルマネージャーは「商船三井およびMOLMECと協力できることを嬉しく思います。また、台湾の航海士がMOLMECによってThe Nautical Institute(本部:イギリス、以下「NI」)の認証を受けた(註3)DPトレーニングコースで訓練されることを嬉しく思います。このコースは、台湾の航海士が能力を向上させ、洗練されたNI認定DPオペレーターとなって世界の洋上風力市場で働くために不可欠です。」 と述べています。

商船三井グループは、再生可能エネルギーの切り札として期待される洋上風力発電事業のバリューチェーンに広く携わり、自社グループのみならず、社会の低・脱炭素化に貢献していきます。

訓練提供に関する覚書締結式 (左から MOLMEC 社長 中島孝、商船三井 専務執行役員 エネルギー営業本部長 鍬田博文、TIWTC ヴィンセント・ツァイ ゼネラルマネージャー)
DP操船訓練を受講するTIWTCの航海士
受講生受け入れ時の集合写真

(註1) DP操船は、風潮流などの外力を自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点に留まり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、ならびに海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものです。
DP操船訓練およびそれに用いるDPシミュレータに関しては、過去の以下プレスリリースをご参照下さい。

(註2) Taiwan International Windpower Training Corporation Ltd.(臺灣風能訓練股份有限公司)は、洋上風力発電作業の訓練を提供する台湾初のGWO(Global Wind Organisation)認定のトレーニングプロバイダーです。2018年に台湾港務股份有限公司、台湾電力股份有限公司、Cwind Taiwan Co., Ltd、中国鋼鉄股份有限公司、台湾国際造船股份有限公司、およびSynera Renewable Energy Co., Ltd.の合弁会社として設立されました。
ウェブサイト: https://tiwtc.com/   Email: tiwtcservice@tiwtc.com

(註3) 商船三井およびMOLMECが保有するDPトレーニングセンターはNIの認証を得た日本初のトレーニングセンターです。NIはDPオペレーター資格を発行する一つの機関であり、NIが発行する資格は国際的に認められています。


商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題として特定した「サステナビリティ課題」への対応を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献します。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Safety & Value -安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」、「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。

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