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ダイナミック ポジショニング(自動船位保持)シミュレーターを商船三井本社に導入
~海底ケーブル敷設船や洋上風力発電事業をはじめ様々な海洋開発関係特殊船の訓練に対応~

2022年03月14日

株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)およびMOLマリン&エンジニアリング株式会社(社長:中島孝、本社:東京都港区、以下「MOLMEC」)は、2022年6月に自動船位保持装置(Dynamic Positioning System、以下「DPS」)を有するダイナミック ポジショニング(以下「DP」)シミュレーターを商船三井本社ロビー階に設置します。MOLMECが既に運営している操船シミュレーターに加え、今回のDPシミュレーターの導入はグループ初となります。

ダイナミック ポジショニング シミュレーター (イメージ)

自動船位保持装置は、風潮流などの外力を自動で計算し、船舶を定点で保持したり、予め設定したルート上を航行させることができ、海上の一点に留まり作業をする海底ケーブル敷設船、洋上風力発電関連特殊船、ならびに海底油田関連のオフショア船などに必要不可欠なものです。

商船三井グループ(以下「MOLグループ」)は、国際ケーブル・シップ株式会社(社長:小野 宏二、本社:神奈川県川崎市、以下「KCS」、註1)が保有しているケーブル敷設船の船舶管理と運航を50年以上にわたり担っています。ケーブル敷設船は、海底ケーブルを安全・正確に敷設するためにDPSを有しており、MOLグループは長年にわたりKCSと共にこのDPSを活用した操船技術と経験を蓄積してきました。今回のシミュレーター導入には、この長年の技術と経験を活かします。

MOLグループは、今回のDPシミュレーター導入により、ケーブル敷設船の乗組員をはじめとする関係技術者のDP操作関連の訓練を自営化します。また、グループ内外を問わず洋上風力発電関連事業をはじめ、様々な海洋開発関係特殊船などのニーズに応じたトレーニングの提供や、これら特殊船などが関与し同シミュレーターを要する各種港湾整備や航路安全対策、また海洋工事安全基準などの研究・コンサルティングにも対応していく予定です。すでにDPシミュレーターの運用実績がある、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長:安部昭則、所在地:東京都三鷹市、註2)の助言を得るなど、より良いサービスが提供できるよう努めてまいります。

また、MOLグループはDPシミュレータ―導入を機に、The Nautical Institute(本部:イギリス、以下「NI」、読み:ノーティカル インスティチュート、註3)が認証する日本初のDPトレーニングセンターを同月6月に開設します。同DPトレーニングセンターは、DPオペレーター資格取得に必須であるトレーニング修了証書を発行できる日本初のトレーニングセンターとなる予定です。

MOLグループは、DP技術を有していることを活かしてシミュレーターを導入し、トレーニングの自営化、および公的認証トレーニングセンターを開設することで、現代になくてはならない通信ケーブル敷設や、今後重要性が増す洋上風力発電関連事業に貢献し、地球の環境負荷低減に寄与します。

海底ケーブル敷設船
SOV(洋上風力メンテナンス支援船)
DPシミュレーター室(240°ビュー)

(註1) 国際ケーブル・シップ株式会社は、国際間通信網である海底ケーブルの敷設・保守に携わっており、また、その高度な技術を生かし、観測、資源探査分野に加え、再生可能エネルギー向け電力ケーブル敷設作業に取り組んでいます。
HP URL:https://www.k-kcs.co.jp/

(註2) 前身は1916年に逓信省の組織として発足し、海事・海洋技術に関する中核的研究機関として、海上交通の安全および効率の向上のための技術や、海洋資源および海洋空間の有効利用のための技術、海洋環境保全のための技術に関する研究等を行う国立研究開発法人です。
HP URL:https://www.nmri.go.jp/

(註3) NIとはDPを操作するためのオペレーター資格を発行する一つの機関であり、NIが発行する資格は国際的に認められています。

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