さまざまなドライバルク船
ドライバルク船は、輸送する貨物量や寄港する港の規模などに応じてさまざまな船種・船型があります。
ケープサイズバルカーは、鉄鉱石、石炭をはじめとしてさまざまな貨物に対応するドライバルク船の中で最も大きな船型で、2016年にパナマ運河が拡張されるまではパナマ運河を通行できず、喜望峰(Cape of Good Hope)経由で太平洋と大西洋を行き来していたことから名づけられました。中でもVLOC(Very Large Ore Carrier)は文字通り「とても大きな鉱石運搬船」です。比重の重い鉄鉱石をできるだけ多く運べるように船全体を大きくする一方、効率的に荷役できるよう船倉は狭く設計されています。
パナマックスバルカーは、拡張前のパナマ運河を通航できる最大サイズの船型です。長さ900ft(約274m)、幅106ft(約32m)以内で、ハンディマックスバルカーとともにメキシコ湾からパナマ運河経由でアジア向けに出荷される穀物類輸送にも多く従事しています。
ハンディマックスバルカー、ハンディサイズバルカーは荷役機器を装備し、設備のない港でも荷役が可能で世界のほとんどの港に入出港できる利便性の高さから「ハンディ」という呼称がつけられています。穀物、マイナーメタル、鉄鋼製品などケープサイズバルカーやパナマックスバルカーと比較して輸送ロットの小さい多種多様なドライバルク貨物を運搬します。また、木材チップ船、セメント船、重量物船といった特定貨物をターゲットにした多様な専用船もあります。
各航海に投入される船型は、お客様が求める輸送ロットにより決まります。
輸送ロットは輸送貨物の需要量、積み揚げ地の入港制限などで変わり、それに合わせて最適な船型が選択されますが、貨物によって通常輸送される輸送ロットにはおおよその傾向があります。
下の表では標準的な貨物と船型の組み合わせを示しています。
※dwt:載貨重量トン数(Deadweight tonnage)※各航海で表中以外の船型・貨物の組み合わせもあります。
1878年 | 鉄製蒸気船「秀吉丸」で、三池炭の海外輸送(口之津/上海間)を開始。 |
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1897年 | 日本船籍不定期船第1船として「彦山丸」が豪州炭輸送に就航。 |
1960年 | 三井船舶最初の鉄鉱石専用船「八汐山丸」竣工。 |
1962年 | 大阪商船最初の鉄鉱石専用船「はりえっと丸」竣工。 |
1967年 | 当社初穀物専用船「はごろも丸」竣工。 当社初チップ専用船「大王丸」竣工。 |
1970年 | 当社初ケープサイズバルカー「八千代山丸」竣工。竣工時には日本最大。 |
1981年 | 当社初石炭専用船「黒滝山丸」竣工。 |
2007年 | 世界最大級(当時)の鉄鉱石専用船「BRASIL MARU」竣工。 シップ・オブ・ザ・イヤー2007受賞。 |
2021年 | 「商船三井ドライバルク株式会社」発足 |