鉄鉱石や石炭、木材チップ、バイオマス燃料などの資源から肥料、穀物、セメント、塩、鋼材などの中間財・製品に至る多種多様な乾貨物。その供給のほとんどを輸入に頼る日本への輸送はもとより、世界のドライバルク輸送は経済の発展と国際分業の進展によって、ますます活発化しています。
世界最大規模の船隊を擁する商船三井のドライバルク船(ばら積み船)サービスでは、多様な貨物の輸送に対応できる汎用ばら積み船と、特定貨物の特性と、積み地および揚げ地の状況を考慮して設計・建造された各種専用船で、さまざまな顧客ニーズに応えた安定輸送を行っています。小型から大型までバラエティーに富んだ船型を取り揃え、世界中のさまざまなトレードに柔軟に対応し、高品質な輸送サービスを提供しています。
船舶からの排出ガス規制が国際的に強化される中、商船三井では従来の重油に比べて環境負荷の低いLNGを燃料とする次世代燃料船の開発・研究にも積極的に取り組んでいます。
世界のエネルギー需要が多様化する中、商船三井は、原油、石油製品や、LNG(液化天然ガス)をはじめとして、船隊整備の推進と船員の教育・訓練に注力し、ハード・ソフト両面での安全運航体制をもって世界各地への安定したエネルギー供給に貢献しています。
また、FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)などのインフラ事業、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)やサブシー支援船などのオフショア事業、さらには再生可能エネルギー源として注目されている洋上風力発電の関連事業にも取り組み、エネルギー輸送の豊富な実績や高度な技術力を活かして、積極的に事業展開を図っています。
新興国の経済成長や、生産拠点の海外移転をはじめとした経済のグローバル化の進展により、世界の物流量は増加しています。商船三井は、グローバルなサービスネットワークで工業製品や一般消費財、自動車などの製品輸送サービスを提供しています。
自動車船輸送においては、半世紀を超える実績を持つパイオニアとして、多様化する自動車メーカーの輸送ニーズと物流パターンに的確に対応したサービスを強みとし、陸送や沿岸輸送、ターミナル運営など地域に密着した高品質で総合的なサービスを展開しています。コンテナ船サービスでは、邦船3社の事業統合によって誕生したOcean Network Express(ONE)が2018年4月にサービスを開始。世界有数の船隊規模と広範なネットワークでサービスの強化を図っています。また、海運のノウハウとグループ各社の機能を活かしてロジスティクス・サービスを提供し、多様化する物流ニーズに対応しています。
「人々のウェルビーイングとライフスタイル」に貢献する非海運事業の柱として、ウェルビーイングライフ営業本部では不動産事業、フェリー・内航RORO船事業、クルーズ事業などを軸に展開しています。商船三井グループが培ってきた知見・経験を最大限活用し、お客様や投資家の皆様、従業員といったすべてのステークホルダーからの多様化する需要に対して新たな価値を提供しています。
不動産事業では、商船三井グループのダイビル(株)が主体となり国内・海外でのオフィスビル事業を軸に人々がより愉しさと誇りを感じる街創りを推進していきます。フェリー・内航RORO船分野では、気軽に非日常の船旅を体験頂ける旅客事業と、「モーダルシフト」の受け皿として国内輸送基盤を支える物流事業を展開しています。クルーズ事業では、「美食の船」とも称される「にっぽん丸」と、順次加わる新しいクルーズ船を活用し、心を込めたおもてなしとこだわりの食事で日本発祥のウェルビーイングを実現します。
商船三井グループは、およそ140年にわたり海運業を中心とした経営ノウハウを蓄積してきました。
その蓄積は、曳船(タグボート)、海事コンサルなどの海運業関連はもちろんのこと、旅行、金融、財務、商事、保険、情報システム、国家石油備蓄事業支援、海図販売、さらにはCVC(Corporate Venture Capital)や人材事業など、多彩なサービスメニューとして結実しています。
ビジネスからビジネスを生み出していく、商船三井スピリットの結晶とも言える関連事業群です。