チーフ・
サステナビリティ・
オフィサー
メッセージ

140年培った当社グループの強みを源泉とし、
サステナビリティ経営を通じて社会課題の解決と
企業価値向上を目指します

執行役員
チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSuO)
渡邉 達郎

当社は2024年に創業140周年を迎えました。創業以来、海上輸送を生業として日本や世界の物流を担い、人々の暮らしを支えることを社会的責務としており、その精神は当社グループの事業範囲や規模が拡大した今も変わらず続いています。現在、当社グループを取り巻く事業環境は今まさに大きな変化の中にあり、地球環境や人権等あらゆる社会課題に向き合いながら、海運業に留まらない様々な社会インフラ事業を発展的かつ持続的に展開していくことが求められています。

当社グループが持続的に成長していくためには社会とともに発展・成長していくことが不可欠であり、サステナビリティへの取り組みを事業成長のドライバーに活かすとの認識のもと、2023年度から開始した商船三井グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」では、「サステナビリティ課題(マテリアリティ)」の取り組みを計画の中心に据え、経営とサステナビリティの更なる統合を図りました。従来以上に「サステナビリティ課題」を重視し、取り組みを強化・加速させることで、当社グループの事業活動を通じて環境・社会に対して良いインパクトを与えるとともに、当社グループの企業価値の向上へ繋げていくことを企図しています。
様々な社会課題と向き合い、事業を通じて解決を目指していくにあたっては、当社単独で取り組むだけではなく、海運業界として、あるいは業界の垣根を超えて、バリューチェーン全体でパートナーシップを築き協働していくことが重要だと考えます。とりわけ環境戦略においては、自らがファーストムーバーとしてサプライチェーンの脱炭素ビジネスモデルを構築し業界を牽引することで、環境対応における確固たるポジションを築き、新たな市場における競争優位性を確立していきます。海という世界共有の財産と直接的なコネクティビティを有する立場として、気候変動対策含む自然資本への影響低減に向けた取り組みも実施し、地球環境そのもののレジリエンスに配慮した事業活動を続けていきたいと考えています。
当社グループは、サステナビリティ経営の更なる推進により、様々なビジネス機会において、当社が将来世代を含むあらゆるステークホルダーの皆様に選ばれていく企業であり続けることが、持続可能な社会の実現への貢献、ひいては企業価値向上に繋がるものと考えています。

「青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらきます」という企業理念のもと、当社グループは「海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開し、環境保全を始めとした変化する社会のニーズに技術とサービスの進化で挑む。商船三井は全てのステークホルダーに新たな価値を届け、グローバルに成長する強くしなやかな企業グループを目指します」というグループビジョンを掲げており、これを「2035年のありたい姿」と位置づけています。これまでの140年の歴史の中で築き上げてきた総合海運企業としての実績や技術力、多様な人財、顧客・社会との強固なパートナーシップをはじめとする当社グループの強みこそが、グループビジョンの実現に向けた価値創造の源泉であり、この先へと進んでいく上でかけがえのない資産であると考えます。こうした強みを活かしながら、海を起点とした社会インフラ企業としての責務を持続的に果たしていくために、顧客や取引先の皆様、また株主・投資家の皆様、さらには行政機関や地域社会・NGO等の様々なステークホルダーの皆様との対話を充実させ、全てのステークホルダーの皆様に新たな価値を届けてまいります。