もくじ
2017年5月に「さんふらわあ ふらの」、10月に「さんふらわあ さっぽろ」と、2隻が大洗~苫小牧航路に就航しました。
今回の船は以前の船に比べて個室率が20%アップしたことが大きなニュースです。最上階の客室には専用バルコニーを設けるなど、より快適でプライベートな船旅が楽しめる、まさにカジュアルクルーズというコンセプトを前面に押し出しています。
そこで、大洗発→苫小牧夕方便の「さんふらわあ ふらの」に乗ってみて、その魅力を実際にチェックしてみました。
快適でプライベートな船旅を!
茨城県の大洗港と、北海道の苫小牧港を結ぶさんふらわあ。
この船の就航で夕方便の大洗出港時間は18:30から19:45分に変更になりました。苫小牧到着は13:30で変わりませんから、乗船時間が1時間15分も短縮。これは船の性能がアップしたからに他なりません。
それでも、17時間余りの長旅。
果たして快適さはどうでしょうか?
足を踏み入れると・・・、ここはホテルですか?
18:00過ぎ、乗船手続きをして船内へ。
すると、そこには上階まで吹き抜けの開放的な展望ラウンジ「プロムナード」が。まるでホテルにきたようです。
SSQ(Sunflower Smart QUEST)と名付けられたデジタルサイネージはタッチ式で、それぞれの港の天気や、船内図、レストランやショップの営業時間など船に関する様々な情報を教えてくれます。その左横に見えているモニターは船長さんや機関長さんの名前や船の現在位置などを案内しています(モニター画面の内容は客室内のテレビでも見ることができます)。
エントランス横の「ショップ」には、スナックや飲み物、軽食などの他に、北海道のお土産もずらり。このあたりもまるでホテルのロビーのようです。
下着やカミソリなどのアメニティの品揃えは充実しています。また船酔い対策グッズも揃っているので、いざという時でも安心です。
アメニティや読書灯などお部屋も気配り十分
まずは部屋にチェックイン。
今回泊まったのは6階の「スーペリアインサイド(洋室)」という部屋。
窓はありませんが、シャワー・トイレを完備した2名定員(チェアベッド使用なら最大3名定員)の個室です。部屋着やアメニティも完備。
ベッドの枕元にはコンセントと読書灯。こういう細かい気配りナイスです。
コンパクトな空間に機能が満載!という感じですね。
他の部屋も紹介しましょう。客室は5階から7階まで各階にあります。
5階にあるのは「ツーリスト」「コンフォート」「スーペリアオーシャンビュー(和洋室)」「スーペリアウィズペット(4名定員)」です。
「ツーリスト」は、仲間同士や旅慣れた人におすすめの団体船室です。以前はフェリーの部屋というと、このタイプを想像する方も多かったかと思います。しかし今や客席の間には仕切りカーテンがあるので、プライバシー確保の点ではずいぶん進歩しています。全席にコンセントと読書灯を完備しているのも嬉しいですよね。
※「ツーリスト」「コンフォート」は夜10時半に消灯(苫小牧発は10時消灯)
「コンフォート」は、いわゆるカプセルホテル風のテレビ付き寝台です。こちらも全席にコンセントと読書灯を完備しています。
「スーペリアオーシャンビュー(和洋室)」は、全室にシャワー・トイレを完備した4名定員の個室。窓からは海が見えます。
そして「スーペリアウィズペット」は、ペットと一緒に泊まれる客室です。
これは今回の船から新たに設置された部屋。
ペット用の水飲みなど小物も用意されています。これで、愛するワンちゃん・ネコちゃんと離れ離れにならずに済みますね。
旅でペットと離れ離れになりたくない…一緒に楽しみたい。そんなペットとのかけがえのない時間もフェリーなら楽しめます。
「スーペリアウィズペットルーム」予約と現地の宿泊先がセットになったプラン、「北海道 愛犬とお家からず~っと一緒」はこちら。
続いては6階です。
6階には、「スーペリアオーシャンビュー(和室)」と「スーペリアインサイド(洋室)」があります。
「スーペリアインサイド(洋室)」は窓がありませんが、「スーペリアオーシャンビュー(和室)」は窓があるので、海が見えます。もちろんシャワー・トイレ完備。落ち着いた和風の雰囲気が楽しめる2名定員(最大3名)の個室なので、ご年配の夫婦や、ベッドでは危ない小さなお子さん連れの家族にもいいかもしれませんね。
さて、最上階の7階です。
こちらには「スイート」「プレミアム」「プレミアムバリアフリー」があります。
「スイート」は1室のみの特別な部屋です。
バスルームも広々です!
ほとんど豪華客船!あ〜、こんな部屋、一度でいいから泊まってみたい!
でも同じ7階にある「プレミアム」も十分贅沢な部屋ですよ。
もちろん専用バルコニーも。
「プレミアムバリアフリー」は、車椅子でも移動しやすい広々とした室内設計。
バスルームには手すりも備え付けてあります。
このお部屋には安全の観点から専用バルコニーを設けていないそうです。
ちなみに、5階から7階、それぞれの客室フロアから、展望デッキに行くことができます。
さて、部屋をチェックしたところで、そのほかの船内設備を見ていきましょう!
大人も、こどもも、ペットも!快適に過ごせるパブリックスペース
もう一度5階に戻ります。
5階には客席のほか、「プロムナード(ロビー・エントランス)」「ショップ」「キッズランド」「ベビールーム」「展望浴場」「ペットルーム」「ドッグラン」があります。
プロムナードの一角にある記念撮影パネルの前は、グループで語り合ったりするのにいいですね。制服が置いてあるので、もちろん記念撮影もぜひどうぞ。
「キッズランド」は子供用の遊び道具がいっぱい! これなら小さいお子さんも飽きなくて済みそうです。実際に小さいお子さん連れのファミリーが乗船早々遊んでいましたよ。
「ベビールーム」にはオムツ替えベッドが2台。
奥にはミルク用の給湯器と流し台。 授乳室もあります。
その他、バリアフリーシャワーブースもあるなど、様々な人が使いやすい設計になっていると思いました。
そして「展望浴場」。
のれんが雰囲気でてますね~。
広々とした浴槽はジェットバス。
サウナもあるなんて、ちょっと感動!
ワンちゃんを預ける「ペットルーム」と「ドッグラン」も5階にあります。
ドッグランは通路を挟んでなんと2箇所も!
自由に走り回れるスペースが広いとワンちゃんもうれしいですよね。
続いては6階です。
「ゲームコーナー」や「喫煙コーナー」があります(※喫煙コーナーは各フロアに設置されています)。
そして、レストランがあります。
和洋中から選べるバイキング方式の料理は作りたて!
夜・昼・朝ともにバイキング形式で作りたての料理が食べられます。取材時のディナーは、メイン料理とハーフバイキング。メインは和食・洋食・中華から選べます(2018年2月17日取材時点、仕入れ状況や期間によりメニューは変更になる場合があります)。
今回は洋食を選んでみました。
メインは「北海道産 牛もも肉と豚ローストのカットステーキ」です。
思わず飲みたくなりますね〜。
お酒好きの人には、生ビールやワインもちゃんとありますよ(別料金)。
ちなみに、窓際のテーブル席や、
一人がけの席もあるので、人数にかかわらず、ゆっくり食事が楽しめそうです。
アルコール以外の飲み物はフリードリンク!
食事を済ませたらお風呂に入り、あとはのんびり自由時間。
今回は冬で寒かったので、夜間に展望デッキには行かなかったのですが、暖かい時期なら満天の星の鑑賞もいいかもしれません。
それでもプロムナードには座り心地のいいイスがたくさん置いてあるので、寛ぐのにもってこい。
なお、船内には2種類の無料Wi-Fiがあります。船内専用Wi-Fi(SSQ)ならテレビやスマホ、タブレットなどで映画などを観ることができます。外部とつながるインターネットWi-Fiもあるのですが、こちらは容量の関係でビジネスに使うには少々不向きです。今後のアップデートを期待しましょう。
電話回線の電波は、津軽海峡など陸地から離れた場所や個室内だと繋がりにくかったのですが、陸地が近ければプロムナードではちゃんとつながりました。ビジネスマンの方も安心ですね。
さて、団体客室(ツーリスト、コンフォート)は10時半に消灯。
個室は大丈夫ですが、今回の船旅の一番の目的のため、私も早く寝ることにしました。揺れやエンジンの音は思ったより気になりませんでした。
早起きして日の出と朝風呂を楽しむ!
そして翌朝、6時過ぎ。
早起きした私が向かったのは展望デッキです。
そう、この船旅一番の目的とは、洋上で日の出を拝むこと!
この時期、日の出時刻はちょうど岩手沖。
身が凍るほど寒く、風も強かったのですが、雲の間から昇ってくる太陽と輝く海原、そして陽に赤く染まる船体とが織りなす光景は、ため息が出るほど美しかったです。
これぞ、船旅の醍醐味ですよね。
そして、冷えた体に朝風呂は最高!
展望浴場は朝の6:30からやっています。
取材日の朝食はバイキング。
そして再び、船内にはゆっくりした時間が流れます。
皆さん、読書をしたり、編み物などしたり、それぞれの時間を楽しんでいました。
なんて平和なんだろう……。
さあ、苫小牧到着まで、あと4時間。
何をして過ごそうかな!
フェリー旅のほうが時間を有効的に使える!?
1泊2日、17時間の「さんふらわあ ふらの」での旅。
最初は“17時間も船で過ごすなんて!”と思いましたが、ホテルで過ごしているかのように快適で、昔のフェリー旅のように何かと我慢を強いられるイメージとはまったく別物だということ強く感じました。
そうなると、“17時間も!”と思っていた時間が輝いてきます。
溜まっていた仕事を片付けたり、読書を楽しんだり……。
そして、気づいたら北海道に着いていた、という感じ。
忙しいと、つい“移動時間は短く!”と思ってしまいますが、こうしたフェリー旅の方が、かえって時間を有効に使えるのかも?
“近ごろのんびりできてないな〜”とお嘆きのアナタ!
さんふらわあで北海道を目指す旅、楽しんでみませんか?
いからし ひろき/ライター
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