2025年9月19日
株式会社商船三井(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 剛、以下「当社」)は、資源メジャーAnglo American(本社:イギリス ロンドン、CEO:Duncan Wanblad)向けに運航する当社所有のケープサイズバルカー「LAMBERT MARU(読み:ランバートマル)」(以下、「本船」)に、9月14日にシンガポール港にて補油を実施し、化石燃料に代わる有効な代替燃料であるバイオ燃料を使用した航行を開始しました。
本航海は、当社グループが海上輸送におけるネットゼロ実現を目指し立ち上げたカーボンインセットプログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE(ブルーアクションネットゼロアライアンス)(註1)」の仕組みを活用した先進的な事例となります。本航海を通じて創出されたGHG削減価値は、デジタル証書として荷主であるAnglo Americanへ割り当てられます。割り当てられたデジタル証書は、Anglo Americanの海上輸送サービスからのScope 3削減のための活動として、統合報告書等へ反映いただくことが可能です。
今回使用するバイオ燃料は、ISCC-EU(International Sustainability & Carbon Certification 註2)認証を受けたもので、廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を30%の割合でブレンドした混合油(B30)です。従来の化石燃料と比べ航行時に発生するCO2を船上排出ベースで約30%削減する効果(註3)が期待されています。
バイオ燃料は、船舶の既存のディーゼルエンジンの仕様の改造を必要とせず使用することができるため、化石燃料に代わる有効な代替燃料としてGHG排出量の削減に貢献します。当社グループは、経営計画「BLUE ACTION 2035」の環境戦略に基づき、クリーン燃料の導入を積極的に推進し、海上輸送における脱炭素化を目指してまいります。
【本船概要】
船名:LAMBERT MARU
全長:292 m
全幅:45 m
型深:18 m
積貨重量:180,432 MT
註1:以下プレスリリース及びサービスサイトをご参照ください。
グループ横断で取り組む海上輸送カーボンインセットプログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE」を始動 ~ステークホルダーとの共創によりネットゼロ実現を加速~ | 商船三井
BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE (カーボンインセットプログラム) | サービス | 商船三井(MOL) Solutions
註2:ISCC(International Sustainability & Carbon Certification)EU認証
バイオマスや廃棄物を原料とする持続可能な燃料について、その持続可能性と温室効果ガス排出削減基準がEUの法的要件を満たしていることを証明するもので、欧州再生可能エネルギー指令(RED II)によって定められています。
註3:バイオ燃料は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出するものの、原料となる植物はCO2を吸収してバイオマスを再生産するため、直接燃焼におけるCO2排出量は実質ゼロとみなされることから、「カーボンニュートラル」を実現する化石燃料の代替物として注目されています。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」にあたる取り組みです。