2025年11月07日
株式会社商船三井(代表取締役社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「当社」)の新規事業提案制度(註1)により創立された、株式会社MAST(代表取締役社長:高橋 知宏、本社:東京都港区、以下「MAST」)が、航空輸送におけるスポット貨物取引(註2)の市場で業界初となる、中立で公正な共通取引プラットフォーム「Umbrair(アンブレア)」の提供を開始しました。MASTは航空貨物取引のDXを推進することを目的とし、2022年度から事業化に向けた検証を積み重ねてきました。今回提供開始するUmbrairは、複雑で専門性の高い荷主とフォワーダー(註3)の受発注業務を初動から成約まで一貫してオンライン上で完結し、業界内で取引される航空貨物取引業務の高度化を推進する公平なサービスです。
航空貨物輸送の市場では国際情勢の不透明化やサプライチェーン再構築の進展により、突発的な需要に即応し、最適な輸送手段を適正な価格で確保する機動性がこれまで以上に求められており、スポット取引は物流の柔軟性を支える要となっています。一方で、スポット貨物取引の実務は依然として電話やメールに依存しており、スピード・透明性・効率性の面で課題が残されています。
Umbrairは、荷主とフォワーダーのやり取りをオンライン上で一元化し、双方が同じ情報をもとにスムーズに取引できる環境を提供します。それぞれの意思と判断を正しく噛み合わせることで、手間を減らし、より迅速で確実な取引を可能にします。
また、業界に関わるすべての事業者が既存の枠組みにとらわれることなく、共通の基盤として利用できる設計のため、既存の取引関係はそのままに、業務フローを変えずに無理なく利用できます。条件整理から提案・判断までの一連の流れをひとつの構造として整えることで、取引の正確性とスピードを高めます。人の判断や信頼を生かしながら、現場の実務に自然に溶け込む形でDXを進める、新しい取引のかたちを実現します。

Umbrairが提供する価値
Umbrairは商船三井グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」で掲げるDX・新規事業創出を具体化した取り組みです。物流の流れを可視化・標準化することでサプライチェーンに全体の効率や質を高めることを目指しています。今後もMASTおよび荷主・フォワーダー等との連携拡大、実証・システム機能強化の支援を進め、迅速性と透明性を兼ね備えた次世代型の国際物流の実現に貢献してまいります。
運営会社概要
| 社名 | 株式会社MAST |
|---|---|
| 事業内容 | 航空貨物輸送における中立で公正な取引プラットフォーム「Umbrair」の開発・運営 |
| 設立 | 令和6年6月6日 |
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門2丁目1番1号 |
| 代表者 | 高橋 知宏 |
Umbrair公式サイト
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株式会社MAST
Umbrair運営
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(註1) 当社グループ社員が自らの能力を存分に発揮し、主体的にチャレンジできる場を提供すると共に、変化する事業環境の中で、既存の枠にとらわれない事業やサービスのアイデアの受け皿となることを目的とし、2019年9月より導入された制度です。
(註2) 定期契約に基づかず、その都度の案件ごとに手配される航空貨物輸送を指します。突発的な需要、在庫不足への対応、緊急輸送や繁忙期の追加手配などで発生することが多く、納期を守る対応力が求められます。
(註3) 荷主(輸出入業者など)から依頼を受け、航空会社や船会社などの輸送手段を手配し、通関・輸送などを一括して請け負う国際物流事業者。航空輸送分野においては一般的に「航空貨物代理店」や「Air Freight Forwarder(エアフォワーダー)」 とも称されます。
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定しています。本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組みです。
