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Q4:船は大きければ大きいほど良いのですか?

大量輸送による経済性の追求と商船三井の戦略

海運の歴史は船の大型化の歴史でもあります。大量輸送により重量・距離当たりの運航コストが下がることは、海運会社・お客様双方にとってメリットとなるからです。パナマ運河やスエズ運河などを通航し船の全長や深さに制限を受ける輸送ルートではその制限一杯まで、それ以外の場合は更に大幅に、ほぼ全ての種類の貨物船で大型化が進展しました。当社も、20フィートコンテナを2万個積載できる、世界最大級のコンテナ船6隻を2017年にアジア/欧州航路に就航させました(注)。

(注) 2018年4月以降、コンテナ船は持分法適用会社Ocean Network Express社が運航。

20,000TEU型コンテナ船
参考:当社8,000TEU型、14,000TEU型とのサイズ比較
次世代型自動車船「BELUGA ACE」

一方、大型化が常に合理的な選択であるかと言えば、必ずしもそうではありません。寄港が想定される港の大きさや、海峡を常時通航できるかどうかといった観点から、大型化によるメリットと汎用性確保のメリットを慎重に比較して船型を決定する必要があります。例えば、自動車船において、一般には大型化が進展していますが、当社は積台数を6,800台に増やしながらも、外形としては従来の汎用船型である6,400台積と同じサイズの新造船を整備し、2018年から順次竣工しています。自動車メーカーの世界最適地生産の潮流を踏まえ、同一サイズで船隊を組むことによる柔軟性の確保を優先したのです。

お客様の利便性を考えてあえて大型化を選択しない場合もあります。当社は、お客様の立地港ごとにカスタマイズされた鉄鋼原料船を開発し、積載量と利便性の最適解を志向しています。