STORY 01

ウインドチャレンジャー
プロジェクト

海運事業の未来をつくる、
商船三井最大の挑戦

常識を打ち破り、
未来の人と地球への貢献を
目指して

大型貨物船に帆を搭載し、地球環境に優しい船をつくる。まるでフィクションのようなこのアイデアに、本気で向き合う大人たちがいる。彼らが見つめる未来とは、そして実現のための苦悩とは。商船三井が全社を挙げて取り組むウインドチャレンジャープロジェクトの全貌を追う。

TALK MEMBER

〇〇 〇〇

総合職(事務系)
技術部
技術イノベーションチーム

福嶋 英俊

2006年入社

  • 自動車船部
  • 経理部
  • MOL BULK CARRIERS LTD.
  • ドライバルク船部
  • 技術部
〇〇 〇〇

総合職(事務系)
石炭・エネルギープロジェクト部
国内第一チーム

石塚 萌子

2015年入社

  • 燃料部
  • 石炭船部
〇〇 〇〇

海技員
海上安全部 海務チーム

中塚 昌福

2007年入社

  • 三等航海士(海上勤務:油送船、LNG船、自動車船)
  • 二等航海士(海上勤務:自動車船、陸上勤務:自動車船部所属)
  • 一等航海士(海上勤務:LNG船、自動車船、陸上勤務:海上安全部所属)
帆を搭載した大型貨物船で環境問題に立ち向かうウインドチャレンジャープロジェクト

帆を搭載した大型貨物船で環境問題に
立ち向かう
ウインドチャレンジャープロジェクト


2009年、東京大学を中心とした産学共同研究プロジェクトとしてスタートしたウインドチャレンジャープロジェクト。『化石燃料船から風力推進船へ』を合言葉に、巨大で伸縮可能な硬翼帆(こうよくほ)を大型貨物船に搭載し、CO2排出量を大幅に削減する帆装商船の実用化を目指すこのプロジェクトは、商船三井のOBであり、当時東京大学特任教授を務めていた大内一之氏の発案によるものだった。そこでは、硬翼帆の開発から帆搭載船の開発、最適航路手法の開発など、さまざまな機関が英知を持ちより、研究や実験が重ねられた。そして2018年、帆装商船の実用化に向けた動きが本格化する。関係各所の期待を背負い、今後の地球環境にも多大な影響を与える可能性を持った帆装商船。責任あるその一隻目の実現に向けてプロジェクトを推進するのが、商船三井である。しかし、本格的に実用化を目指す過程には、研究時とはまた異なる種類のさまざまな課題と困難が待ち受けていた。

新たなチャレンジに求められるのは、常識を疑い、固定観念を壊す柔軟なアイデア

新たなチャレンジに求められるのは、
常識を疑い、固定観念を壊す
柔軟なアイデア


プロジェクト全体の進行役を担っているのが、技術部に所属する福嶋だ。技術部では、硬翼帆と帆装商船の開発をメインで行っており、特に帆の軽量化に苦労したと語る。「通常の船にはない帆を搭載するわけですから、その重さはできる限り軽いものを目指さなければなりません。だからと言って強度を犠牲にすることもできませんから、まさしく板挟みの状態でした」この課題の画期的な解決策となったのが、帆の段数の削減だった。「最初は5段で設計していたものを、試しに4段につくり直しました。すると、これといったデメリットはなく、大幅な軽量化を実現することができました。この時は感動しましたね。常識を疑うことの大切さを痛感した出来事でした。」まさにこの瞬間、福嶋はプロジェクトの成功を確信したと言う。つくっているのは、今までにない、全く新しいタイプの船。そこで求められるのは、これまでの経験や知識だけではなく、それらを飛び越えた、ともすれば突飛とも言えるようなアイデアなのである。

ありとあらゆるリスクを想定し、安心・安全な運航を実現させる

ありとあらゆるリスクを想定し、
安心・安全な運航を実現させる


設計・開発の目途が立ったからと言って、プロジェクトのゴールが見えたわけではない。次に求められるのが、運航する際に懸念されるリスクの洗い出しだ。帆が搭載されることによって、航海中はもちろん、港での作業時にどのようなリスクが存在するのか、追加の安全対策と併せて検討する必要があった。「例えば故障により帆が制御不能となるリスク、帆によって視界が遮られるリスク、作業員が転落などにより怪我をするリスクなど、ありとあらゆる視点から懸念点を洗い出すためのチェック項目は想像以上に膨大で、一つひとつの確認には骨が折れました」そう語るのは、現在陸上勤務中の海上社員(海上安全部)の中塚だ。元より細かく定められた安全規定に加え、『帆を新たに付ける』という変化だけで、70ページ近くのチェックシートを新設したと言う。「理論上は問題なくても、実際に操船や作業をする人にとっては扱いにくいケースも往々にしてあるため、いかに船乗り目線を大切にできるかは、個人的にもかなり注力した部分です」海技員として、これまで培ったすべての知識・経験を用いながら、中塚は課題に立ち向かう。まだすべての課題が解決したわけではないが、中塚たちの飽くなき挑戦心により、帆装商船の精度は日々高められている。

ありとあらゆるリスクを想定し、安心・安全な運航を実現させる

高まる環境への意識を追い風に
人・社会・地球に求められる一隻を


本プロジェクトに降りかかるのは、困難だけではない。海の上と同じく、時には追い風が吹くこともある。それが、昨今の世界的な環境意識の高まりだ。石炭・エネルギープロジェクト部で営業活動を行う石塚も、現場で温度感の高まりを日々感じると言う。「海外の石炭積出港では、石炭の輸出に対して反対運動のデモやストライキが行われたりするところもあります。環境意識の高まりという社会的背景があるからこそ、環境負荷を低減する帆装商船の価値が認められ、営業現場でも前向きに検討してもらえることが多くなりました」石塚が語る通り、海運業界にはCO2排出削減への対応が社会から求められている。しかし、人々の豊かな暮らしやより良い社会を実現していくために、輸送の需要に応える必要があることも事実だ。帆装商船は、こうした海運事業の歯がゆさを解消するための第一歩と言っても過言ではない。石塚は営業として、デモ機の視察を長崎で行い、そのメリットや魅力をより深く理解した上で、関係者に説明に回った。さらにオーストラリアの積み地において、荷役動作のチェックに立ち会うなど、帆装商船の実用化に向けて尽力を続けている。商船三井が本当に目指すのは、一隻目を無事完成させることではない。一隻目を足がかりに、10隻・100隻とその数を増やしながら、人と地球により良い環境をつくっていくことこそ、真のゴールと言えるだろう。この先、どのような困難にぶつかっても、プロジェクトに関わるスタッフ全員が高い志を持ち、それを乗り越えていくのである。

活躍の幅を広げながら、自分だけのキャリアをつくる。そんな長期的なビジョンを掲げながら。
活躍の幅を広げながら、自分だけのキャリアをつくる。そんな長期的なビジョンを掲げながら。

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