ダイバーシティ推進
1. ダイバーシティ経営の目指す姿
当社グループでは、性別や国籍、年齢といった表面的な属性のみならず、経験や持ち味、スキル、価値観といった個々人の内面的な特性までをダイバーシティと捉えています。世界中の社員一人ひとりが熱意と活力を最大限に発揮でき、多様な個性と能力を組み合わせることができる職場環境・組織風土づくりを進めることで、新たな競争優位の確立を目指しています。
2. グローバル人材の活躍
グローバルに事業を展開している当社グループでは、多国籍な社員・船員を約15,000名雇用しています。グループ総合力を高め、多国籍で多様な人材が一層活躍できるための環境整備を進めています。
グループ従業員数 地域別比率(連結)
当社運航船船員数 地域別比率(連結)
3. 女性の活躍推進
女性活躍推進の目的
当社グループでは、優秀な人材の確保及び事業推進やガバナンス、リスク管理における多様な視点の確保という観点から、女性社員の更なる活躍が重要であると考えています。 毎年開催の人材育成コミッティ(経営会議メンバーが参加)にて、女性活躍推進の進捗状況について、確認、議論しております。
社長メッセージ「女性の力を経営に生かす」
女性活躍推進に関する行動計画
2016年3月末に策定した女性活躍推進法に基づく行動計画に則って、グループにおける女性活躍を推進しています。
女性管理職比率
当社は、女性活躍推進が企業価値向上に資すると考え、女性管理職比率8.0%以上の目標を掲げています。女性総合職採用数の増加を反映して、2023年度末までには目標を達成できる見込みです。
女性管理職比率 6.5%
各種制度
結婚、出産、育児など、ライフステージが変わっても、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるようにライフイベントとの両立支援策を整備しております。
【制度の詳細】
(1) 出産・育児に関する制度
- つわり休暇(特休)※女性のみ
- つわりにより就業が困難な場合に10労働日まで取得可。5労働日までは有給扱いで、半日分割の取得も可。
- 通勤緩和措置※女性のみ
- つわり期間中に限り1日1時間(出勤・退勤時各30分に分割可)を限度として、時差出勤または退勤を認められ、短縮された時間は就業したものとみなされます。
- 妊娠中休暇(特休)※女性のみ
- つわり休暇とは別に毎月1労働日(有給)
- 産前・産後休暇(特休)※女性のみ
- 産前8週間(多胎の場合は14週間)、産後8週間。産前産後各6週間は有給。出産日は産前休暇に含まれます。
- 配偶者出産休暇※男性のみ
- 配偶者が分娩するとき3労働日取得可。(分割取得可、有給)
- 育児休職
- 産後休業終了日の翌日から満2歳の誕生日の前日までの間、取得可。(4月生まれの場合、満1歳到達後、翌年の4月30日まで)
父親が配偶者の出産後8週間以内に開始し、かつ終了する育児休職を取得する場合は、1回の出産について機会を2回に分割して休職を取得可能。
また、短期育児休職の場合と特例として、1人の子に対して通算して5労働日以上20労働日以内の育児休職を取得する場合には、過去3年に打ち切られた年休を充当可能。 - 産後復職支援プログラム講座(マドレボニータ)※女性のみ
- 当社はNPO法人マドレボニータと提携し、産後復職支援として、女性社員に対し、マドレボニータの「産後ケア教室」への参加費用の補助や「産前・産後オンラインセルフケア教室」のサービスを提供しております。
- 企業主導型保育園との連携
- 当社はグローバルキッズ社と提携しており、同社が運営する企業主導型保育園に優先的に入園することが可能です。
- 育児休職復職支援補助
- 認可保育園の入園選考にて落選後、認可外保育所を利用し復職する社員に、復職日から、翌3月末もしくは認可保育園入園のいずれか早い方までの期間、一家族一子あたり月額20,000円が支給されます。
- ほ育時間※女性のみ
- 満1歳未満の子どもを保育する場合、育児時間として午前/午後30分または60分/日が付与され、就業したものとみなされます。配偶者が出産する場合でも、配偶者が常態的に育児をすることができないなどの合理的な理由がある場合には取得可能。
- 子の看護休暇(特休)
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育している社員が、負傷または疾病にかかった当該子の看護をするときに取得できます。
- 病児保育(ベビーシッター)
- ベビーシッター派遣型の病児保育法人プランを導入しております。法人会員特別価格での利用の他に、会社から利用額の一部を補助します。
- リロクラブチケット700
- 未就学児のベビーシッター費用・託児施設利用費用のうち、700円/時間が補助されます。
その他:対象者には、妊娠判明時面談、産休前面談、復職前面談を実施。
(2) ワークスタイルに関する制度
- フレックスタイム制度
- 始業時間を午前5時から午前10時30分の間、終業時間を午後3時30分から午後10時の間で選択可能(午前10時30分から午後3時30分までは必ず勤務する必要有)
- 時間外労働の制限
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育している場合、希望により時間外勤務を44時間/月・390時間/年に制限できます。
- 深夜残業の制限
- 小学校就学の始期に達するまでの子を養育している場合、希望により深夜残業(午後10時~午前5時)が免除されます。
- 時間外労働免除
- 満3歳に達しない子を養育している場合、希望により時間外勤務が免除されます。
- 一部在宅勤務制度
- 事情により在社時間に限りがあるものの、自宅での勤務を希望する場合は、在社時間(7時間)の前後に自宅での勤務を一部認めます。
- 育児短時間勤務
- 1日の勤務時間を6時間に短縮できます。満三歳以降は最長24か月まで。
- 在宅勤務制度
- フレックスタイム制度を適用を前提とし、半日休暇と組み合わせて半日のみ在宅勤務を行うことも可能です。
- 配偶者の国外転勤に伴う退職者の再雇い入れ制度
- 配偶者の海外赴任に帯同するために一旦退職しても、4年以内であれば再雇用の機会を提供する制度です。
(3) その他 女性の健康課題に関する制度
- 婦人科検診(乳がん、子宮がん、骨密度検査):自己負担なしで受診することが可能です。
- 生理休暇:生理日の就業が困難な場合、取得することが可能です。
- 女性の健康課題に関する研修:階層別研修において、医務室 保健師より女性の健康課題に関する講義を実施したり、外部講師による健康セミナーを開催し、ヘルスリテラシーの向上を図っております。
制度利用状況
その他取り組み
女性社員のさらなる活躍を推進していくために、育児支援を中心とした制度の充実を図るだけでなく、キャリア形成のための支援拡充、モチベーション向上のためのセミナーや研修を実施しています。
Woman's HOTダイアローグの開催
2017年よりグループの女性社員を対象に、「MOLグループ Women’s HOTダイアローグ」を開催しております。本対話会では、当社グループ各社の女性社員が集まり、外部講師の講義を聞いたり、先輩女性社員との対話の機会を設けております。参加者自身がキャリアを考え、MOLグループのネットワークを作り、これまで以上にいきいきと働くことを目指しております。


グループ会社の女性管理職層を主な対象とする対話会を実施。
ダイバーシティ推進講座・研修
- 「LGBT まずは知ることから」座談会
- 「円滑なコミュニケーションの取り方~男性脳・女性脳~」講演会
- マドレボニータ講座「子育てしながら働くを考える」
- 階層別研修にて以下研修を実施しています。
「多様な人材と活躍と経営成果との繋がり/多様な人材が活躍できる職場の重要性・意義への理解を促す研修」
「多様な属性の社員への理解、円滑なコミュニケーションの取り方に関しての研修」
「育児・介護に関する社内制度の理解を促す研修」
「多様な属性の社員の評価・育成に関する研修」
「アンコンシャスバイアス研修」 - 社外の女性活躍支援研修に女性社員を派遣
4. アスリート社員採用
多様な社員が活躍する環境整備に向けて

健康経営推進チーム
倉橋 香衣
当社は2016年に初めて「アスリート採用」を実施し、車いすラグビー選手の倉橋香衣を採用しました。週2回人事部で勤務(内1日は在宅勤務)、週3回練習という働き方で、勤務と競技活動を両立しています。
国内外の大会に参加し、2018年8月には世界選手権の優勝メンバーとしても目覚ましい活躍をみせる倉橋を、One MOLとしてグループ役職員で応援しています。当社では、多様な人材が自らの能力を最大限発揮し、働き甲斐をもって活躍できる環境を整備することで、活力あるイノベーティブな組織を目指し、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。車いすラグビーは「障がいの程度に応じて各々が能力を発揮し、役割を果たすことでチーム力を最大限に引き出すことができるスポーツ」であり、まさにダイバーシティを体現した競技です。
当社は「BLITZ」のオフィシャルサポーターや車いすラグビー連盟のオフィシャルパートナー、世界大会である「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」に協賛、継続的にこの競技を応援するとともに、今後も多様な社員が社内外で活躍できる環境を整備していきます。
車いすラグビーとは?
車いすラグビーは、1977年にカナダで考案され、四肢に障がいのある車いすの選手が出場する団体競技で、パラリンピック競技の中で唯一、車いす同士のぶつかり合いが認められています。
競技には、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、アイスホッケー等の要素が組み合わせられており、バスケットコートと同じ広さのコートで行われます。選手は障がいの程度によって0.5点~3.5点までの持ち点が与えられ、コート上でプレーする4人の選手の合計が8.0点以内になるように組み合わせを調整します。使用する車いすは、激しいぶつかり合いができる耐久性があり、ポジションに応じた役割が果たせるよう改良されています。
5. その他ダイバーシティ推進の取り組み
ダイバーシティ・健康経営推進チームの設置
当社は、「人事部 ダイバーシティ・健康経営推進チーム」を中心に、経営戦略の重点課題である「ダイバーシティ推進」および「健康経営推進」に向けた各施策を集中的に実行し、社員一人ひとりが心身の健康を維持し生き生きワクワクと仕事に取り組んでいくためのさまざまな支援や環境整備を進めています。
継続雇用制度
定年退職者再雇用制度があり、退職後も希望者を再雇用しています。
障がい者雇用の推進
障がい者が能力を発揮できる職域の開拓、社会福祉法人との連携などを通じて、今後も障がい者の雇用に努めていきます。
6. 社員の職場環境の整備
世界中の社員一人ひとりが熱意と活力を最大限に発揮でき、多様な個性と能力を組み合わせることができる職場環境・組織風土づくりを進めております。
- 船上での生活環境改善プロジェクト実施
- ワークプレイス改革によるフリーアドレスオフィスの実施
- 在宅勤務の推奨
- 早帰りの推奨【Smart WORKプロジェクト】
- 働き方改革の推進【人事制度改革・組織風土改革・ワークプレイス改革・業務改革】
- MOLチャレンジデーの実施【社員親子職場見学・車いすラグビー体験】

社員や船員のライフステージ、ライフスタイルの変化に配慮し、一人一人がいきいき・ワクワクと働けるために、キャリア支援の強化、柔軟な働き方の実現、効率的でメリハリのある働き方を推進しています。また、心身ともに健全でいきいきと働くことができるよう、法令や条約を順守するのみならず、健康管理と働きやすい職場づくりの整備、コミュニケーションの活性化に努めています。