サステナビリティ課題(マテリアリティ)
商船三井グループでは、事業を通じて優先的に取り組むべき社会課題を「サステナビリティ課題」(マテリアリティ)として特定しています。経営基盤となる「Governance」の強化を基本とし、「Innovation」と「Human & Community」が相互に作用しながら、「Safety & Value」と「Environment」の課題を解決していきます。
これらの取り組みを推進することで、グループビジョンの実現を通じた当社グループの企業価値向上を図るとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


サステナビリティ課題の特定プロセス・見直し
特定プロセス
2019年度、サステナビリティ課題を初めて特定した際は、社内横断的なメンバーで構成されるサステナビリティ推進プロジェクトチームを組織し、当社の事業活動が社会に与えるネガティブ・インパクトとポジティブ・インパクトを検討した上で、社会課題との関連性を整理しました。そして、ステークホルダーと当社グループにおける重要性の2軸から絞りこみを行い、5つの課題にまとめました。
- STEP 1
- サステナビリティ課題候補の洗い出し
- STEP 2
- バリューチェーンにおけるリスク(ネガティブ・インパクト)と機会(ポジティブ・インパクト)の検討
- STEP 3
- ステークホルダー及び当社グループの2軸からの重要性評価
- STEP 4
- サステナビリティ課題の特定

2021年度の見直し
サステナビリティ課題を特定してから2年が経過し、新型コロナウイルスの感染拡大や気候変動の進行等の社会環境に加え、当社グループの事業環境にも大きな変化が起きていることを踏まえ、2021年度にサステナビリティ課題の見直しを実施しました。本件は、2021年9月の取締役会で承認されています。
- 見直し前
- 輸送を通じた付加価値の提供
- 見直し後
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Safety & Value
安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供
- 「安全」に対する取り組み姿勢を明確化
- 対象範囲を輸送だけでなく海洋事業等の社会インフラ事業に拡大
- 見直し前
- 地域社会の発展と人材育成
- 見直し後
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Human & Community
人の活躍と地域社会の発展
当社グループの役職員だけでなく事業で関わるすべての人々の活躍・すべての人々との共生を目指す意図に変更
サステナビリティ計画「MOL Sustainability Plan」
サステナビリティ課題の解決に向けた取り組みを加速すべく、各課題にかかる目標・KPI・アクションプランを設定し、サステナビリティ計画”MOL Sustainability Plan”を策定しました。本件は、2022年3月の取締役会で承認されています。
本計画を着実に遂行することを通じて、サステナビリティ課題にかかる取り組みを強化し、その効果測定と改善活動を適切に実施してまいります。
- Safety & Value(安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供)
- Environment(海洋・地球環境の保全)
- Human & Community(人の活躍と地域社会の発展)
- Innovation(海の技術を進化させるイノベーション)
- Governance(事業を支えるガバナンス・コンプライアンス)

Safety & Value 安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供
海運を中心とした社会インフラ事業を展開する中で、さまざまな物資やエネルギーを安全・安定的、経済的に輸送またはサービスを提供することで、世界中の人々の豊かな暮らしと産業を持続的に発展させていくことを目指します。






取組テーマ | 目標 | KPI | 2022年度 アクションプラン |
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本業を通じた価値 |
海上輸送・社会インフラ事業を通じた持続的な価値の提供 数値目標 ローリングプラン2022で掲げる利益目標、財務目標
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ローリングプラン2022で掲げる各戦略の遂行 |
安全品質 | 安全運航の徹底及び事故の撲滅 数値目標
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さらなる付加価値 | 社会ニーズに対応したサービスの創出 |
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- *1 事故による船舶の年間運航停止時間を1隻当たりで表したもの。
- *2 船舶の運航停止に至る事故の年間発生件数を1隻当たりで表したもの。

Environment 海洋・地球環境の保全
事業を通じて与える海洋および地球環境への負のインパクト(海洋環境汚染、大気汚染、生物多様性の阻害、気候変動等)を最小化し、世界中の人々が暮らす地球を持続可能なものとすることを目指します。





取組テーマ | 目標 | KPI | 2022年度 アクションプラン |
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気候変動対策 |
2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッションの達成 数値目標
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海洋環境保全 | 海洋環境及び生物多様性への悪影響の軽減 |
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生物多様性保護 | |||
大気汚染防止 | 船舶から排出される大気汚染物質の軽減 |
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環境マネジメント | 環境規制対応を含めた環境マネジメント体制の整備 | 環境マネジメント体制の整備・運用状況 |
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*1 2030年までの平均

Human & Community 人の活躍と地域社会の発展
多様な個性と価値観を尊重し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮し活躍できる企業グループとして、その事業活動を通じ、当社グループに関わる全ての人々との共生、地域社会の持続可能な発展・振興を目指します。





取組テーマ | 目標 | KPI | 2022年度 アクションプラン |
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人材育成 | MOL CHARTSを体現する人材の育成 |
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優秀な船員の確保・育成 |
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働き方改革 | 活き活きと働ける組織風土による人的競争力向上とイノベーションの実現 |
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ダイバーシティ&インクルージョン |
多様な人材が活躍できる就業環境の実現 数値目標 女性管理職比率(2025年度目標)
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健康経営 |
社員による主体的な健康づくりの促進 数値目標
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ステークホルダーエンゲージメント | 重要なステークホルダーとの対話強化及び経営への反映 | ステークホルダーエンゲージメントの実績 |
主要なステークホルダーとの対話機会の拡大
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地域振興 | 事業で関わる地域の発展に寄与する活動の拡大 |
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Innovation 海の技術を進化させるイノベーション
クリーンエネルギーやICTを活用する技術を高めることで、当社事業にイノベーションを起こし、「安全輸送・社会インフラ事業を通じた付加価値の提供」「海洋・地球環境の保全」にも通じる様々な社会課題の解決に貢献することを目指します。






取組テーマ | 目標 | KPI | 2022年度 アクションプラン |
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クリーンエネルギーの導入・普及 |
船舶のクリーン代替燃料の導入と利用拡大 数値目標
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クリーン代替燃料船の発注・竣工隻数、開発状況 |
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社会でのクリーンエネルギーの普及に寄与する技術の開発 |
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船舶の省エネルギー化 | 自然エネルギーの活用及び推進性能向上に寄与する省エネ技術の確立・普及 |
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ICTを活用した安全運航・効率運航 | 船舶のビッグデータ活用プラットフォームの構築・拡充(FOCUSプロジェクト) |
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船舶の自律化技術の構築 | 自律化技術の開発状況 |
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技術開発・DX推進体制 | 技術革新に向けた持続的な技術開発体制の構築 | 研究開発費 |
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DXの実現に向けた推進体制の構築 |
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- *1 風力を活用した推進補助装置。
- *2 プロペラ装着型効率改善装置。船のプロペラ後方に発生するハブ渦を削減することで効率改善に貢献する。
- *3 当社船長の経験に基づいた船舶の航行姿勢の知見を水槽試験・実船試験を通じて定量的に評価し、乗組員が容易に活用できるようグラフに表したもの。
- *4 船舶のIoTビッグデータをリアルタイムに収集し、陸上のプラットフォームに送信する装置。

Governance 事業を支えるガバナンス・コンプライアンス
コーポレートガバナンスの充実およびコンプライアンスの徹底を通じ、当社グループ経営における透明性を確保し、事業活動を通じた社会課題への取り組みの基盤の構築、また、人権や安全・環境に配慮した持続可能なバリューチェーンの構築を目指します。






取組テーマ | 目標 | KPI | 2022年度 アクションプラン |
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経営の透明性 |
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情報セキュリティ | 情報セキュリティリスクの低減 |
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責任ある調達 | サプライチェーン全体における環境・安全・人権等に関わるリスクの把握・低減 |
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人権尊重 | |||
公正取引 |
数値目標 コンプライアンス*1違反件数ゼロ |
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贈収賄防止 |
*1 公正取引及び贈収賄に関連するもの。