商船三井グループ安全ビジョン

戦略

安全ビジョンの策定

安全ビジョンは、商船三井グループのサステナビリティ課題「Safety & Value」を支え、価値観・行動規範である「MOL CHARTS」の「S(Safety)」を強化する位置づけで策定したものです。
今後、商船三井グループは海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開し、安定的なサービスの提供と新たな成長を目指していきますが、安全はその根幹となります。安全ビジョンは、商船三井グループにおける安全のあるべき姿を示すものであり、本ビジョンの下、私たちは安全の取り組みをさらに強化していきます。
安全ビジョンのキャッチフレーズ“Leading in Safety”には、商船三井グループ各社が、それぞれの事業分野において「世界最高水準の安全」を目指し、その業界の安全水準をけん引していく、という意味を込めています。加えて、各役職員においても、受け身とならず安全をリードしていくという姿勢を表しています。

安全ビジョンの詳細

Safety Action 1.0

安全に関する商船三井グループのあるべき姿は、社会インフラ事業の責任のある担い手として、「安全」なオペレーションで人々の毎日の“あたりまえ”を支え続けることです。
さらに、このあるべき姿を会社の構成要素である人(役員・従業員)・仕事(業務環境・プロセス)・組織(体制・機能)に細分化して、それぞれのあるべき状態を定めています(上記図参照)。
このあるべき姿を実現するための取り組みを「安全施策」、施策を推進するための共通的な取り組みを「安全基盤」(2つを総称してSafety Action 1.0)として定めています。
具体的には、安全施策として「安全を支える人材活躍の促進」・「テクノロジーを軸とした安全インフラの整備」・「リスク・危機の先制的な管理」を行います。安全基盤では、「相互啓発を通じた安全意識改革」・「あるべき組織体制・業務プロセスの追求」を掲げています。


指標と目標

KPI

安全ビジョンにて掲げている安全目標に対するKPI (及び先行指標)と、我々のあるべき姿に対するKPIに分けて設定しています。これは、先行指標と我々のあるべき姿に対するKPIの達成を目指すことで、最終的に安全目標が達成されるという考えを前提にしたものです。
安全目標に対するKPIでは、商船三井グループ共通目標と安全運航目標をそれぞれ設定しています。
また、我々のあるべき姿は、会社の構成要素である人(役員・従業員)・仕事(業務環境・プロセス)・組織(体制・機能)に細分化して、それぞれに紐づくアクションプランの達成目標をKPIとして設定しています。

  • (*1) 商船三井グループにおける事業セグメント毎に定義、設定する。
  • (*2) Safety Performance Indicator。現行の目標(2025年度/2030年度/ 2035年度)は、1)0.5以下/ 0.4以下/ 0.3以下、2)24以下/ 22以下/ 20以下、3)1.0以下/ 0.8以下/ 0.6以下。

4ゼロ

4ゼロ対象事故件数(*1) 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
事故件数 1(*2) 3(*3) 1 1
内訳 重大海難事故件数 1 1 0 0
油濁による海洋汚染件数 1 1 0 0
労災死亡事故件数 0 2 1 1
重大貨物事故件数 0 1 0 0
  • (*1) 集計対象は、当社保有・管理船及び傭船を含めた当社グループ運航船(海洋事業を含む約800隻)。
    基準や適用範囲は適宜見直しを行っている。
  • (*2) 2020年度発生事故は1件で、重大海難事故かつ油濁による海洋汚染事故であった。
  • (*3) 2021年度発生事故は3件で、うち1件が重大海難事故、油濁による海洋汚染事故かつ重大貨物事故であった。

SPI (Safety Performance Indicator)

目標及び実績 2023年度
目標 実績 結果
LTIF(Lost Time Injury Frequency)(*1) 0.50以下 0.26 目標達成
運航停止平均時間(*2) 24.00以下 24.46 目標未達成
運航停止発生率(*3) 1.00以下 0.40 目標達成
  • (*1) 100万人・時間当たりの労災事故発生件数(当社は乗船時間を分⺟として計算している)。下船に至らずとも、発生日に軽作業を含む労働に復帰できなかった職務傷病も集計対象に含めている。
    また、当指標の集計範囲は当社グループ以外の船員も含む。集計範囲は当社及び主要な国内外の連結子会社で、連結売上高に対するカバー率は75%。
  • (*2) 事故による船舶の年間運航停止時間を1隻あたりで表したもの。
  • (*3) 船舶の運航停止に至る事故の年間発生件数を1隻あたりで表したもの。